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2005年体制

2005-12-09 13:03:41 | 国際・政治
小泉政権が郵政民営化の是非を問うた先の衆院選は、実は政策決定プロセスを変える重要な国民の意思決定する機会であった。数日前、新聞で田中直毅氏の最新著作「2005年体制の誕生」の書評を見た。戦後半世紀にわたって続いた55年体制が終焉して新たな政治構造が成立したという分析が展開されているらしい。

郵政民営化は全ての改革に繋がるのだという主張は嘘ではなかった。既得権益保護の為の口利きに絶大な力を行使してきた族議員の多くは影響力を失った。自民党内の政策決定意プロセスの仕組みが既得権益保護の為の族議員の集りからより開かれた政策検討の場に変化した。その結果は懸案だった医療制度改革・三位一体改革などがスムーズに決定されたことでも明確である。

しかし、これが「2005年体制」といえるほどに堅固で持続性のあるものになるかどうか私は自信がない。小泉政権だけの一過性である可能性は十分ある。政財官の既得権益を守る鉄のトライアングルの一角「官」の抵抗は依然として非常に強い。

改革法案は巧妙に省益が守られるよう最終的に決着された部分がかなりあると新聞は報じている。力を失ったといえ残った族議員は私から言えば大局観を欠き結果的に省益確保に手を貸した。ましてや新人議員の殆どは知識不足、官のレクチャーを受けないと政策の議論すら出来ないらしい。その過程で共通の利権が生じ新たな族議員が教育され生まれていくのは間違いない。

今回構造改革法案は官僚などが言を左右して抵抗、影響力が減ったとはいえ族議員もそれを支持、小泉首相の指導力が発揮され最終決着した。振り返ると就任当時掲げた改革目標は族議員・官僚の抵抗で頓挫・先送りされたが終に殆どが実現された。これだけの戦略性・一貫性を持った指導者が続くというのは楽観的に過ぎる。

メディアはやり過ぎだとか、来年9月になればどうせ変わるというアナクロ発言ばかりが目に付く。現実離れといわれようとあるべき姿の理想を追求し実現していく指導者を求め育てていく姿勢がない。彼らのほうが小泉劇場に惑わされている。政権の支持率は依然非常に高く、今のところ国民の目は曇っていない。しかし、いつまで続くか、来年9月をじっと待っている人達が沢山いる。日本もそれほど幸運ではないという気がする。目が離せない。■

(追記)ところで、田中直毅氏の上記の本とBウッドワード氏の新刊「ディープスロート」は直ぐにでも読んでみたいと思っていた本だ。新刊本は勿論古本屋では手に入らないのでいつもは公立の図書館で読む。一昨日帰省先の市立図書館に行って探したけどまるで本がない。係りの女性に聞くと図書予算が殆どないらしい。検索は図書カードを見ろという、新刊で入ったのは何かも答えられない。田舎町とはいえ人口5万もいる街でこんな粗末な公立図書館しかないと思うと寂しくなった。晴耕雨読なんて都会に住む人が夢見る言葉だけかも。


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