かぶれの世界(新)

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北朝鮮ミサイル報道

2006-07-17 18:26:52 | 社会・経済

非難決議は考えうるベスト

15日国連安保理で制裁条項を含まない北朝鮮非難決議が満場一致で採択された。結論から言うと妥当な落とし所で決着したと私は思う。予想された決着としてベストだったと考える。日本の主張は世界に認識され今後の北朝鮮制裁の根拠を手にいれた。

自ら先頭に立って動くことにより米国との友好関係のもたらす影響力と限界を実体験し、一方で中国の顔を立てると同時に今後の対応に縛りを入れた。日本が米中露及び朝鮮半島にこれほどの影響力を与えたことは久しくなかった。

W杯「はしゃぎ過ぎ」と同じのり

この間の報道に北朝鮮のミサイルの脅威以上に危うさを私は感じた。ミサイル実験直後早朝からテレビ等のメディアはこの世の終りみたいな大騒ぎを始めた。識者が出演し万が一日本に向けてミサイルを発射されたら防ぐ手立てがない、何十万人かが死亡する・・・等など。

ところが北朝鮮は態度を変えた訳ではないのに非難決議が採択された今朝からテレビ報道が急激に減った。実力以上の期待感だけ煽ったワールドカップの「はしゃぎ過ぎ」や、覗き趣味の子殺し母親報道と変わらない「のり」を感じる。「マッチポンプ」といって勝手に火をつけて大騒ぎし時期を見て消しに回った政治家がいたが、これではマッチポンプ報道だ。

これでは世論をミスリードする

北朝鮮ミサイル実験危機を連日朝から延々と煽っておいて決議採択されるとだんまりじゃあんまりだ。今までの大騒ぎはなんだったのか。世界大戦前に勇壮な記事で国民を煽り戦争に導く一端を担った新聞と同じようなたちの悪さに一脈通じるものを感じさせる。

今後、憲法改正して自国の防衛の為の軍事力を持った時、メディアが世論をヒステリックにミスリードし暴走する恐れを感じる。例えば「自衛的先制攻撃」等と言って軍事力の行使を煽ったらどうなるだろうか、などと考えてしまった。日本が将来強力な軍事的報復力を持ったらどういうことが起こるか。

メディアの重い役割

従来、日本のメディアとお気に入りの評論家は米国の傘の下の外交を謂わば他人事のように批判すれば用が足りた。彼等も現実の世界で考え発信し世界世論とコミュニケートする能力・経験は政治家や官僚より余程未成熟で低レベルであった。

日本は顔が見えない、何を考えているのか分からない存在感がないと言われていたが圧倒的な経済力のおかげでそれでも済ませた。しかし、今後流動化した世界でますます自立性を求められ、アジア外交などで危機的事態が生じた時国民の冷静で信頼される反応は交渉を有利に運べる確率を高める。今回のような報道では有害でさえある、我国を不利にし最悪危機を招く。■

コメント
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