米国の首都ワシントンで大規模停電があったと今朝方CNNは伝えていた。ホワイトハウスや議事堂も影響を受け、記者会見中だった国務省では携帯電話の光を使っている様子の映像が流れていた。おや、まー、世界の首都が停電とは情けないと思ったが、同時に「これがアメリカだ、別に珍しくない」と私は思った。そういえば、携帯電話の光で原稿を読む女性報道官も全く動じた様子はなかった。
私は米国で何度も停電に出くわしたことがある。西海岸には滅多に来ないハリケーンがシアトルを襲った時停電になった。停電になったのは夕方だったので居間の暖炉を点けて灯代わりにした。テレビが見えないのでどうなったかよく分からなかったが、翌日眼が覚めると復旧していた。冷蔵庫のモノはダメージが無かった。
最初の経験は80年代に出張でシリコンバレーに行った時で、滅多に降らない雨が降ったのが原因で送電系統に故障があったらしい。丁度その時郊外に出ていて交通信号が動かず警官もいなかった。運転をしていた取引先の方は交差点に来ても少しも慌てず騒がず、「交差点では先着優先、同着は右側優先」のルールだと言って慣れた様子で運転を続けた。
サクラメントに引っ越し後も一度停電に出くわし、メインストリートの交差点は大渋滞となったが、ドライバーは粛々と(別に上から目線ではない)このルールに従い運転していた。都会の人も停電に文句を言う様子もなく、停電に慣れているなと私は思った。
だが、日本では最近停電は滅多にないからいざとなったら大変だろうと思う。先の大震災の時はどうだったのか、その時は生きるか死ぬかで大変な特別な時で、信号が動かないのは大きなニュースではなかった。私が子供の頃歯停電は日常茶飯事だった。昭和20年代は電力不足で時折計画停電があり、家族揃ってロウソクの灯で夕食した記憶がある。
何時の頃からか電柱やトランスを交換する工事の事前通知はあるが、停電することが全く無くなった。先月町内の電柱やトランスを一式交換する工事があったが停電しなかった。話好きの私は現場監督らしきオヤジさんを捉まえて聞くと、工法を改善して停電なしの工事が出来るようになったのだと説明してくれた。
身びいきかも知れないが、とても日本的な気配りの効いた工法だと思った。ITが発達した現代は停電で情報機器が停まったら一大事だ。パソコンが家庭に普及し始めた頃、照明等では気付かない瞬断(短い時間の停電)が問題になった。ビジネス用途はUPS等のバックアップは当然としても、徐々に家庭でパソコンを使うようになると気付かないうちに瞬断で情報がぶっ飛び大変なことになる恐れがあった。その心配もなくなった。
2000年頃中国に出張し打合せが終りディナーに出かけると、レストラン一帯が停電になり川向こうのお店に移った経験がある。その頃は中国経済の急成長に電力供給が追い付かず珍しいことではなかったという。現在新興国でもそれ程ニュースにならない処を見ると、電力事情は米国もアジアも意外と変わらないのかも。たまには停電もあるという方が却ってレジリアントな社会なのかも。全てをしっかり求めるとひ弱になりそうな気がする。■
私は米国で何度も停電に出くわしたことがある。西海岸には滅多に来ないハリケーンがシアトルを襲った時停電になった。停電になったのは夕方だったので居間の暖炉を点けて灯代わりにした。テレビが見えないのでどうなったかよく分からなかったが、翌日眼が覚めると復旧していた。冷蔵庫のモノはダメージが無かった。
最初の経験は80年代に出張でシリコンバレーに行った時で、滅多に降らない雨が降ったのが原因で送電系統に故障があったらしい。丁度その時郊外に出ていて交通信号が動かず警官もいなかった。運転をしていた取引先の方は交差点に来ても少しも慌てず騒がず、「交差点では先着優先、同着は右側優先」のルールだと言って慣れた様子で運転を続けた。
サクラメントに引っ越し後も一度停電に出くわし、メインストリートの交差点は大渋滞となったが、ドライバーは粛々と(別に上から目線ではない)このルールに従い運転していた。都会の人も停電に文句を言う様子もなく、停電に慣れているなと私は思った。
だが、日本では最近停電は滅多にないからいざとなったら大変だろうと思う。先の大震災の時はどうだったのか、その時は生きるか死ぬかで大変な特別な時で、信号が動かないのは大きなニュースではなかった。私が子供の頃歯停電は日常茶飯事だった。昭和20年代は電力不足で時折計画停電があり、家族揃ってロウソクの灯で夕食した記憶がある。
何時の頃からか電柱やトランスを交換する工事の事前通知はあるが、停電することが全く無くなった。先月町内の電柱やトランスを一式交換する工事があったが停電しなかった。話好きの私は現場監督らしきオヤジさんを捉まえて聞くと、工法を改善して停電なしの工事が出来るようになったのだと説明してくれた。
身びいきかも知れないが、とても日本的な気配りの効いた工法だと思った。ITが発達した現代は停電で情報機器が停まったら一大事だ。パソコンが家庭に普及し始めた頃、照明等では気付かない瞬断(短い時間の停電)が問題になった。ビジネス用途はUPS等のバックアップは当然としても、徐々に家庭でパソコンを使うようになると気付かないうちに瞬断で情報がぶっ飛び大変なことになる恐れがあった。その心配もなくなった。
2000年頃中国に出張し打合せが終りディナーに出かけると、レストラン一帯が停電になり川向こうのお店に移った経験がある。その頃は中国経済の急成長に電力供給が追い付かず珍しいことではなかったという。現在新興国でもそれ程ニュースにならない処を見ると、電力事情は米国もアジアも意外と変わらないのかも。たまには停電もあるという方が却ってレジリアントな社会なのかも。全てをしっかり求めるとひ弱になりそうな気がする。■