かぶれの世界(新)

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俺の渋谷

2015-04-12 14:36:47 | まち歩き
昨日久し振りに渋谷に行き、家族揃って食事をした。家内の誕生祝の食事会が目的で、初めは私の好みで新宿のスペイン料理のお店でパエリアやタパスを頂こうと提案した。ところが、直前になって家内がウナギが食べたいと言い出し、急遽ウナギ屋さんを探す羽目になった。直前だったので老舗のウナギ屋は個室の予約が取れず、渋谷の姉妹店を紹介して貰った。

食事の1時間前にヒカリエの裏手にある喫茶店ルノアールで、子供達と恒例の資産運用会議をやった。私が若い頃ルノアールは喫茶店というより談話室と言われ、新宿界隈に何軒もあり利用したが渋谷にもあった。仕事の合間や飲み過ぎて終電に遅れ始発の電車待ちに使った。何十年ぶりかのルノアールは昔の面影はなくお洒落れなカフェという感じだったが、コーヒーの拙さは変わらなかった。

実はここまで渋谷駅から連絡橋を通りヒカリエを抜けてルノアールに行ったので、渋谷の地面に降りてなかった。渋谷の地面から見た風景は様変わりしていた。そこからうなぎ屋に行くには青山通りに出て東横線をくぐり桜丘町の坂を上っていくはずなのだが、周りの風景が全く変わって方向感を失ってしまった。高層ビルが建ち東横線は地下に潜ったし、南口の蜘蛛の巣みたいな歩道橋で私の頭の中の地図がぐちゃぐちゃになった。

かつて駅の両側にあった東急プラザや文化会館が目印だった私には、子供達がスマホでここだと言われてやっと昔の記憶が修正された。だが、桜丘町に向かって坂を上っていくと、両側に東急ホテルや大学キャンパスがあり再び頭の中の地図は混乱した。うなぎ屋は文化センタービルの1階にあった。そこで家族全員が集合して家内の誕生日を祝った。肝心のウナギは特別美味しい程ではなかったが、ウナギパーティは楽しく過ごせた。

その後、長男夫婦が気に入っているという最近注目の喫茶店「茶亭羽とう」に行った。うなぎ屋からもう一度渋谷駅の反対側に出た所の宮益坂下にあった。と言っても子供達の後をついて行くだけで、どこを通っているかよく分かってなかった。これは「俺の渋谷じゃない!」と叫ぶと、長男の嫁さんも「私の渋谷じゃない」と反応した。私の知っている渋谷は30年前の渋谷、彼女のは10年前息子とデートした頃の渋谷だ。

米国でコーヒートレンドになった人気の「ブルーボトル」が参考にしたコーヒー店だと紹介され、「羽とう」が注目され人気になったという。私もネット情報を見たことがあり興味津々でついて行ったが、何のことはない昔からの喫茶店のコーヒーの味だった。スタバの焦げ臭いコーヒーと違い、低温でハンドドリップしたものだ。このトレンドは悪くないと思うが、これなら田舎の馴染みのカフェの方が安くて美味しいと思った。お店は御客で一杯だったが、何でこんなものに一杯850円とか950円払うんだろうと訝った。

いささか疲れた私は先に自宅に帰ることにした。昔と変わらない小汚い高架下を通りハチ公前に出た。外国人観光客に人気のスクランブル交差点のせいなのか物凄い人出だった。理解できない言葉があちこちから聞こえて来た。時代は変わった。渋谷は「俺の渋谷」じゃなくなっていた。■
コメント
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