かぶれの世界(新)

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私を最もよく知る人

2017-05-24 20:38:49 | 日記
昼食後くつろいでいると家内がビデオデッキの使い方を教えてくれと電話を受け、話し始めると娘が出て来た。彼女は今日も孫を連れて実家に顔を見せてくれたようだ。孫が生まれる前後から母娘が頻繁に行き来するようになった。そういうものらしい。私も孫の成長ぶりを見守ることが出来てとても嬉しかった。

私のことを最もよく知る人は私の娘じゃないかと思う時がある。田舎に来る前に彼女から「お父さん毎朝ひよっこを見て泣いているでしょう」をメッセージを受けた。「ひよっこ」はNHK の人気朝ドラのことだ。「なにおー、ばかにするでない。3日に一度くらいだ」と返事したが、恥ずかしながら本当は2日に一度かもしれない。

このドラマの時代背景は私と重なる部分があり、当時を思い出して思わず涙ぐむことがある。ここまで老人を泣かせるとは、製作者が視聴者を泣かせようとあの手この手を使うあざとさを感じさえする。狙い通り毎日泣かされた日にゃなんだか悔しくなってしまう。更に悔しいのは娘がそんな私を見透かしていることだ。

娘が子供の頃は仕事にかまけて殆ど相手をしてやれなかったのを思い出していまだに後悔することがある。私が米国赴任した頃、高校生の娘はしょっちゅう一人暮らしの家に来てくれた。娘風にいうと「父の所に行ってやった」と憎たらしい事をいうが、異国で一人暮らしの私は本当に嬉しかった。

クリスマスに来てくれ2,3日滞在し空港に送って行った後、娘がいなくなった広い家に戻った時の寂しい気持ちはいまだに忘れられない。その頃の娘の口は悪かったそうだ。娘だけという訳ではなくその頃の高校生時代は女友達同士が「オレ、オマエ」と男言葉を使うのが流行っていたと家内に聞いたことがある。多分、その習慣が今でも時々出て来るのではないだろうか。

娘と結婚したいと夫君が初めて我が家に来た時、彼は私の第一声「何しに来たんだ」を聞いてビビったという。私は全く記憶がない。娘の口が悪いのは親譲りかも知れない。私が覚えているのは、その後続けて「娘は色んなボーイフレンドと付き合って男を見る目がある、その娘が決めたのが君だから信頼できる」と言って結婚を承諾したことだ。自分では格好良く言った積りだった。実際その通りだった。

彼女がドライな性格だとは思っていたが、最近になって家内に聞いて驚いたことがある。娘は子供の頃から算数は出来るが国語が全く駄目、ガチガチのリケジョなのだそうである。大学は数学科で学びクーランヒルベルトとかいう言葉が出て来て驚いたことがある。正直言うとその時は驚いたが聞き流し、すぐに自分の関心のある仕事や趣味に戻り忘れていた。だから「お父さんは自分のことばかり」といわれるのだろう。

娘が生まれた時から現在の母親になった姿を見ると、彼女が年と共にどんどん変化していったのを感じる。女なら当然なのかもしれないが、その変わり様は親の目にも半端ない。家内によると中学生頃までは大人しい女の子だったのが、高校生になると色んな男の子と付き合うようになり、大学生になるとキャンパスで人気のお嬢さんになったそうだ。その上リケジョだったというのだから、私が同年配だったら多分遠くから眺めていたろう。

そして結婚後長らく待った子供が生まれ精神的にも落ち着いたママさんになった。娘が子供をあやす姿も好きだ。家内が憎たらしいことを言うとカッとする私だが、娘にきついことを言われても不思議と平気なのだ。同じ厳しい言葉をかけられても、私には娘の方が的を射ているように感じ怒れないのだ。娘は俺のことを最も分かっていると思うのだ。単なる親ばかだと思うが。■
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