かぶれの世界(新)

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ゴールディロックな一日

2017-07-22 11:11:17 | 日記
月曜日に実家の火災保険の手続きにJAバンク支店に行った。入り口のスライドドアが開かないのでやっと海の日で休みだと気付いた。暑過ぎてボケてる。昨年母が死んで先週連絡が来るまで忘れていた保険の引き継ぎだ。ついてない一日が始まりそうな気分だった。その足で隣町のメガネ屋さんに行った。

そこは冷房の利いた狭い店舗で中年の店主と老人が3人くつろいでいた。そこに4人目の老人が飛び込んできた訳だ。近年メガネが壊れるとそのままにして買い替える前のメガネを使っていた。それが又壊れると更に遡って古いメガネを使うといった具合で、今では80年代頃使っていた大きいレンズの重いメガネを使っている。

フレームもレンズもかなり重く汗をかくと低い鼻からずり落ちそうになるので、壊れたメガネを全部持って行って修理できるならやってくれと頼んだ。店主は一目見てこの2つは直せると言って早速修理を始めた。近年全国展開しているメガネ専門店製の安価なものは全部だめだった。

一つは90年代に台湾出張時に当時安いと評判出作ったもので、後年この店でレンズだけ取り替えて再調整したものだ。もう一つはそれ以前に東京の自宅の近くの個人ショップで作ったものだ。何れも手作り感のあるもので整理箱の多種の部品から選んで修理してくれた。私はその間老人達と話が弾み小一時間で修理は終わった。

お代を聞くと店主は千円だと言うので、それはないだろうと倍の二千円を出すと黙って受け取った。こんなことあるんだ、田舎だからこその経験だ。これで型は古いけど用途に合わせてメガネが3本出来た。これで猛暑で大汗をかいて激しい運動してもメガネが飛ばない。言い値の倍払ったぞ、と気分良く家に戻った。

夕方少し涼しくなって散歩に出かけた頃もまだ気分が良かった。いつもとルートを変えてかつてこの地の穀倉地帯と言われた畑の広がる旧農道を歩いた。まだ暑かった。農作業をやっている人影がなかったが、肱川沿いの三角畑で苗を植えている農婦を見つけた。

私より一回り年上という感じで、「暑いのによくやるね、熱中症に気をつけなきゃ」と声をかけた。聞くと農作物ではなく花の苗で、庭で種から苗を作り畑に植えているという。こんな暑い時によくやるねと言うと、「綺麗な花も良いが育っていく姿を見るのが好き」とのこと。それを聞いて花が大好きだった母を思い出した。

次に出合ったのが背の低いスイカのビニールハウスの片付けをしている中年農婦だった。100m位ありそうな細長いビニールハウスが5列並んでいて、端のハウスのビニールがはがれてスイカが転がっていた。もう商品にならないので捨てるのだという。今年の梅雨時に大雨が降ったが、その後晴天が続いたのがいけなかったという。

梅雨のしとしと雨が無くてスイカが腐ったという。見かけ食べれそうだと言うと、彼女はその見かけの良いスイカを道路に落として食べてみろと言った。今年初めて食べるスイカだ。断る理由はない。割れ目に手を入れてこじ開けると確かに身が白っぽくてぬるぬるしていた。マズイ。彼女が勧めた中心部の赤っぽい所はまだましだった。

彼女は「今日は手伝いに来た。ビニールを取り外しスイカは全て廃棄し肥料にする、大変なのはスイカの下に敷いたビニール(座布団というらしい)の撤去」という。総て手作業だという。そんな話をしていると軽トラが来て2人の農婦が降りて来た。3人でやるのだそうだ。彼女の母親と妹という年格好だ。

そういえば見かけたのは全て中高年の女性ばかり。炎天下でこんな過酷な農作業が出来るのは女性だけということなのか。それとも彼女達は後家さんか。勿論そんなことは聞かなかった。これでは農家に嫁さんが来てくれるのは中々大変だなと思わずにはいられなかった。それでも彼女達は愛想よく感じが良かった。■
コメント
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