昨日の昼小雨の中、最寄りの駅近辺の商店街に弁当を買いに出た。オカズのカツを揚げて貰う数分間断って駅の周りを歩くと、ちょっと洒落た黒いTシャツを着た男性がJazz in Fuchuのパンフレットを配っていた。「雨だけどやってんだ」と声をかけると、「屋内会場だけになりましたが、やってます。駅の向こう側のモールでもやってますのでどうぞ。」と返事が返って来た。
大震災で自粛していたジャズフェスが5月から10月に時期を変えて再開したと息子から聞いていた。今迄は田舎にいて聞けなかったが、今年こそと思っていたのに台風が来て残念と思い、そこで思考停止していた。モールまで足を延ばすと広場に小さな人だかりがあり、そこからクラリネットが聞こえて来た。直感ではプロの音だ。やっぱり生は良いなと思いながらトンカツ屋に戻った。
台風19号が速度を速め日本縦断しそうな勢いで午後になると徐々に雨足が強くなり、とても外出する気分にならなかった。夕方になって読書に飽きてコルトレーンを聞きながら、改めてパンフレットを見た。今年は市内の23会場で120のバンドが参加するという。学生や社会人からプロまで参加するが、有名な阿佐ヶ谷みたいに一流ミュージシャンは出演しないと思っていた。
だが、パンフレットのプログラムを見るとメイン会場のトリで、ジャズフェスのアドバイザーをやっている谷口英治と彼のカルテットと、大井貴詞(Vib)と赤木りえ(fl)がゲスト出演して即席のセッションが予定されていた。この人達を無料で聞ける、これを見逃す手はないと急に思い立ち雨の中ウィンド・ブレーカーを羽織って足早にけやき通りのホールに向かった。10分足らずの距離だ。
会場はあちこちに空席が残っており、5列目センター付近という絶好の場所に空席を見つけた。待ち時間に洗足学園の学生バンドが通路をマーチングした。耳元で管楽器やドラムをガンガンやられて耳がおかしくなった。本番は最初にカルテットだけで2曲、その後ゲストが加わって3曲やった。学生バンドで耳がおかしくなったのか、コルトレーンと聞き比べたせいなのか、或いは即席のセッションのせいかはっきりしないが、初めは音が過剰に主張し合っているように聞こえた。
最近CDばかりでライブで聞かなくなって、生の音に慣れてなく圧倒されたせいかも知れない。それでも谷口氏がちょっとファンキーだという4曲目あたりから私の耳にもなじんできたように感じて、生演奏を楽しめたと思う。(いつも理由にする)年のせいで聞いたことがあるはずなのに最後のルパン3世のテーマ以外に曲名が全く思い出せなかった。情けない。更に強くなった雨の中自宅に戻ると7時半ばで、家族は夕食が終わる頃だった。■
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