かぶれの世界(新)

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米国イラン 瀬戸際の三流芝居

2020-01-09 18:20:32 | ニュース
トランプ大統領が命じたイランのソレイマニ司令官殺害と、イランの激情的な反応が危うく戦争を引き起こす事態に発展した。8日付のファイナンシャルタイムズ(FT)は大統領と国防省に深刻な対立があったと報じた。そもそもきっかけとなった大統領命による司令官殺害が国防総省を驚かせ、イランの見せかけのミサイル攻撃に対して大統領がおきて破りの報復を示唆して国防総省は蜂の巣をつついたような様な騒ぎとなったという。

イランの文化財をも標的にして報復するとトランプ大統領はツイートし、国防総省はぶったまげたという。文化遺産を守るという国際合意を破るもので、米軍が国際法を守るという基本政策を破ることになると指摘し、大統領はそれまでの上から目線から奇妙なほどに穏やかな声明に切り替わった。これを聞いて世界中が安堵したという訳だ。この大統領は思いつきの判断で突然世界中を振り回し驚かせる。

キューバ危機に対応したケネディ大統領と補佐官を描いた「13ディズ」を偶然にも昨日CATV映画チャンネルで見た。映画の中で危機対応に真摯に取り組むケネディ大統領とスタッフに比べ、今回の危機管理の大統領とスタッフは何と薄っぺらで情けない程一貫性に欠けることか。見事に対照的な役回りで、三流役者の喜劇だった。瀬戸際で国防総省は体を張って大統領を引き止めた。

下院で過半数を握る民主党がトランプ大統領の権限を制限する決議案を本会議に上程するらしい。決議案はトランプ氏の独断で米国が戦争に巻き込まれないよう、政権にクギを刺す狙いがあると報じられている。だが上院で間違いなく否決されるだろう。米国はそんな国になってしまった。トランプが大統領にいる限り同じような危機が再発すると覚悟すべきだ。一貫した基本政策など期待しない方が良い。

だからと言って私はイランが中東でやって来た事を支持する気にはなれない。ニュースで流れたテヘランでの反米デモの様子は、熱狂的で正直怖かった。デモで37人も死者が出たという。司令官の死には過激な反応を示すが、デモで何人死のうと余り気にしないのか。選挙で選ばれた大統領よりもイスラム教の最上位僧が絶対権力をもつ複雑な仕組みは私には理解不能だ。■

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