かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

民主党の「失われた2ヶ月」

2008-01-11 11:29:28 | 国際・政治

給油新法案が参院で否決され、衆院で与党が「3分の2」以上の多数で本日再可決されることになった。報道によれば1月中に補給艦が出港、2月中に給油活動再開になる見込みという。約4ヶ月の給油中断であった。この間のネジレ国会は民主党にとって「失われた2ヶ月」だった。

再三指摘したように、この4ヶ月民主党が政権交代に値するか国民はこの間じっと見ていた。結論から言うと、民主党がこの間やってきたことはテロとの戦いはどうあるべきかについて議論を深めることなく、政局狙いの引延ばしをやっただけであったのはまことに残念だった。

民主党が出した対案は見え見えのアリバイ作りだった。インド洋上の給油に反対しながらアフガンに地上軍を投入するという矛盾に満ち、議論に値するものではなかった。国民は国会での論戦の中で理解を深め意思表示し、それを反映して法案修正するプロセスが機能しなかった。

薬害肝炎に対する福田首相の鈍感な反応は、国民の苛立ちがストレートに表われ、首相は慌てて急遽官僚のシナリオを書き直した。この分かりやすいテーマでの勝者はメディアだった。何故か民主党の意思表示が弱く、メディアは迅速で影響力抜群だった。福田内閣の醜態の裏で、実は民主党も政権担当能力の見せ場を失った。

テロとの戦いに戻ると、これこそ国論が割れ政治の出番のはずだった。アフガン・イラクで上手く行ってないから給油を止めろというテレビ評論家氏の浅薄で無責任な議論では国民の理解は進まず、「3分の2」の濫用と内閣問責決議の妥当性という手法の議論に向かうのは国民にとって不幸だった。 

それでも、民主党は踏みとどまって最終的に参院で決議することにしたのは、理由は何であれ、まだ政権担当能力について可能性を残した。風に頼り政局を起こし混乱させるだけでは政権は取れない、仮に取れたとしても一時的なものに終る。

政局狙いに陥ることなく、一つ一つの政策決定のプロセスを通じて地道に国民の信頼を築いていくべきだ。今の福田内閣には何をしたいか国民にビジョンが見えず、結果として官僚の悪い面を是とするように見えるはずで、このままでは支持率低下が続くと思われる。

予想された内閣改造も延期された。個人攻撃するのは本意ではないが、官僚の代弁に終始し目の前に問題が起こっても指導力を発揮しない大臣がまだ居座っている。今回のような引き伸ばし戦術を反省し、政権交代を狙う野党としての責任を真摯に果たしていけば民主党に政権交代のチャンスは残されている。■

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 田舎暮らし雑感2007冬(4) | トップ | 縮小感覚 »

コメントを投稿

国際・政治」カテゴリの最新記事