中国のWTO加盟に伴い貿易障壁解除の一環として米国及びEUの繊維製品輸入割当が今年12月に失効する。11月1日号のタイムによると中国の繊維産業が圧倒的に強く、中国からの輸出が世界の大半を占める見通しを報告している。WTOは輸入割当がなくなると中国の米国向け繊維製品が16%から50%になると予測している。インドも4%から15%に増加すると見ている。一方アジア諸国は25%から14%に激減すると見られている。
これらアジア諸国の繊維産業は多くの雇用を生む主要産業であり、それが壊滅的なインパクトを受けることを意味する。パキスタンは2003年輸出の2/3は繊維製品で、輸入割当がなくなることにより数千の繊維関連企業が倒産し2百万人労働者の60%が職を失うと訴えている。スリランカは同じく輸出の1/2が繊維製品で百万人の労働者が影響を受けると恐れている。ネパールやバングラデッシュでは絶対額は少ないが経済規模から見て繊維産業の比率が更に高く、銀行システムや他産業セクタの生死に係る影響があるとし、先月WTOに少なくとも輸入割当の3年延長を提訴した。
日本経済センターによると中国繊維・アパレル商品の比較優位指数はWTO加盟で1.92になると見ており(2000年当時)、圧倒的に強い。低賃金だけが武器ではないのだ。中国は為替操作しているという非難があるが、設備投資と物流等のインフラに天と地ほどの差があり、IMFは中国繊維産業の生産性はインドの倍、バングラデッシュの4倍あると報告しており、元切り上げは解決になりそうもない。米国国内産業もシェア16%が5%に低下すると予測されている為輸入制限の動きがあり、アジア諸国政府は連携する動きもあるが、今のところ大統領選の大きなテーマにはなっていないようである。
日本の報道機関が関連するニュースを報じたことはないようだが、私はグローバル資本主義の進展で構造的に生じた傷として更に悪化することを恐れる。中国はグローバル資本主義の進展の中で市場原理主義を追求しているのであり、民主主義でなく一党独裁であってもその遂行に何ら支障はないし国際的なルールもない。しかし、アジア諸国が壊滅的な影響を受けると、グローバル・テロリズムに付け入る余地を与え、テロの温床になる恐れがある。国連の常任理事国入りを目指す日本政府はアジア全体の安定に目を配り外交を展開していく必要があると考える。広範な対テロ戦争戦略の一環として考慮すべきことである。
これらアジア諸国の繊維産業は多くの雇用を生む主要産業であり、それが壊滅的なインパクトを受けることを意味する。パキスタンは2003年輸出の2/3は繊維製品で、輸入割当がなくなることにより数千の繊維関連企業が倒産し2百万人労働者の60%が職を失うと訴えている。スリランカは同じく輸出の1/2が繊維製品で百万人の労働者が影響を受けると恐れている。ネパールやバングラデッシュでは絶対額は少ないが経済規模から見て繊維産業の比率が更に高く、銀行システムや他産業セクタの生死に係る影響があるとし、先月WTOに少なくとも輸入割当の3年延長を提訴した。
日本経済センターによると中国繊維・アパレル商品の比較優位指数はWTO加盟で1.92になると見ており(2000年当時)、圧倒的に強い。低賃金だけが武器ではないのだ。中国は為替操作しているという非難があるが、設備投資と物流等のインフラに天と地ほどの差があり、IMFは中国繊維産業の生産性はインドの倍、バングラデッシュの4倍あると報告しており、元切り上げは解決になりそうもない。米国国内産業もシェア16%が5%に低下すると予測されている為輸入制限の動きがあり、アジア諸国政府は連携する動きもあるが、今のところ大統領選の大きなテーマにはなっていないようである。
日本の報道機関が関連するニュースを報じたことはないようだが、私はグローバル資本主義の進展で構造的に生じた傷として更に悪化することを恐れる。中国はグローバル資本主義の進展の中で市場原理主義を追求しているのであり、民主主義でなく一党独裁であってもその遂行に何ら支障はないし国際的なルールもない。しかし、アジア諸国が壊滅的な影響を受けると、グローバル・テロリズムに付け入る余地を与え、テロの温床になる恐れがある。国連の常任理事国入りを目指す日本政府はアジア全体の安定に目を配り外交を展開していく必要があると考える。広範な対テロ戦争戦略の一環として考慮すべきことである。