かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

スポーツマンシップの祭典

2012-08-12 23:58:49 | スポーツ

ロンドンオリンピックは恒例の男子マラソンで閉幕した。日本人選手の大活躍で獲得したメダル数は史上最高になるという。1日中オリンピックを報じるテレビにかじりついた国民の多くも満足したはずだ。少なくともマスコミの論調はそんなところだ。前半で史上最悪の結果となった男子柔道の責任を追及する報道の時間が少なくなったのは結構なことだ。

サッカーファンの私としては男女とも予選突破し世界に力を示したので大満足だ。一方で私が注目したのは、オリンピックはスポーツマンシップでも世界最高レベルのお手本を示したかだ。その手の報道は少ないので印象だけ語りたい。最初に、テレビ中継を見て英国観衆が素晴らしいと感じた。英国の観客はスポーツを良く理解しているからこそ可能な良いプレーに対する賞賛が印象的だった。

日本人観客のマナーの良さも特筆すべきだが、極端に言うと自国の選手が活躍して勝てば良いという感じを受けた。敵味方分け隔てなく良いプレーを讃えるという印象はなかった。日本マスコミ報道はそのスポーツ民度を反映し、日本人選手が活躍しないと世界最高レベルのゲームは注目競技以外報じられなかったと思う。何処でも同じ傾向はあるから一概には責められないが。

チームとしてはどうだったか、そういう観点からのマスコミ報道は今のところない。だが、露出の多かった女子サッカーの監督やプレーヤー個人のインタビューを見ると、世界のお手本になるような発言をしていた。決勝での誤審に対する彼らの潔い姿勢は、日本の青少年に対し素晴らしいお手本になると思った。

特に印象に残ったのは、宮間選手が準決勝で敗れた対戦相手と向かい合って芝に座り慰めている写真だ。多分彼女だけでなくこのチームには対戦相手に対する尊敬と、敗者に対する思いやりがある。この写真は世界中に流れ、英国メディアは真のスポーツマンシップと激賞したという。残念ながら、日本メディアにはメダル数と勝者のプライベート以外は余り関心がなさそうだ。

実はこのようなオリンピック報道のあり方も世界競争がなされていると私は感じる。決して競技だけではない、観衆やメディアの民度もテーマが同じだけに簡単に比較できる。私が見聞きした範囲では、韓国人選手もしくはチームの闘争心は世界第一級だが、相手チームに対する尊敬や敗者に対する思いやりがもっとあって良いように感じる。

それとも日本チームに対してだけは尊敬やいたわりは不要と思っているのだろうか。彼等の誤審や不利な判定に対する抗議は私から見るとしつこ過ぎて嫌な気分になる。関係が悪化する両国なのでニュースソースが限られた印象には偏りがあるかもしれない。日本人以外に私のような各国のスポーツマンシップに関心のある人の印象を聞くと良いかもしれない。調べてみよう。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

健康劣化との付き合い-慣れと慢心の繰り返し

2012-08-11 12:05:04 | 健康・病気

昨年半ばから断続的に続いた体調不良に付き合ってきて来た。ほぼ1年になる。前立腺肥大症、ガン騒動転じて慢性前立腺炎、堆間関節嚢腫による腰痛に加え持病の通風が同時に再発。ひどい1年だった。介護手帳を頂いた高齢者に相応しい勲章かもしれない。

この1年で生化的な指標では格別改善してないのだが、夫々の症状と上手く付き合っている。夜間の排尿は2、3度あってそれほど変わらないのだが、少し我慢できるようになって夜間起きるのが余り気にならなくなった。運転を即中止してトイレを探すようなこともなくなった。腰痛は下肢の痺れに広がったが、その分腰の痛みが少し薄まった。

痛みの症状はまだ変わりつつある。完治できなくとも付き合い方が分かってきた。それは微妙で多分人によって異なるだろう。言葉は適切では無いが、「症状と馴れ合っている」というのが私にはぴったりする。もう一人の自分から客観的に見て、こういう年のとり方があるのかという感じだ。

だが、何とか身体の劣化と付き合える自信がついたのが良くなかった。余りにも暑いので我慢できなくなり1週間前に発泡酒を飲み、それが引き金になってビールを1パック買って毎晩飲んだ。勿論原因は確定できないが、3日目からかかとに痛みが出た。キターッ!

それは筋肉や筋とは違う痛みで、経験から通風っぽい痛みだ。その夜からビールを止め、4日間様子を見た。ただ痛みが出る部位が今までとは違うし、痛みが足首に拡がって行くのも経験したことがない。幸い痛みは酷くなく、ビッコはひいても歩けるし生活には困らない。農作業も出来る。

反省が足りないといわれそうだが、今までと症状が異なるので‘確認の為’昨晩残ったビールを飲んだ。今朝起きると痛みは悪化しておらず、何とか乗り切れそうだ、と思う。庭や菜園の手入れで大汗をかいた日ほど体がビールを求めるが、そういう日は飲むなというのが今回の教訓か。

熱中症を用心して日が山の端に隠れた4時以降に作業を開始するのだが、始めるとキリの良いところまでとついやり過ぎて気がつくと7時前というのを何回か繰り返した。剪定ハサミや草刈機・大型バリカンを使った慣れない仕事のせいか、大量に汗をかき血液濃度が上がったのが原因かもしれない。持病以外に普通の腰痛も出たようで何だか分からなくなった。

以前、「炭酸を抜いたら通風が飛んだ」と書いた。今でも読者の多い記事だが、その実験を性懲りもなく何度も繰り返している私の意志の弱さも金メダル級だ。今更ながら見事なほどに誘惑に弱い。我慢できないと根拠もなくもう大丈夫だと勝手に判断する。だが、ビールは止め、ワインにしよう。

この体の異変との対応の仕方は日本の「失われた20年」と揶揄されるサイクルを連想させる。深刻な事件が起こると反応し、事態を必死で収束させるが慢心して、根本処置をせず問題の体質を残す。何時までたっても前に進まないと批判される日本の姿が私の健康状態とダブって映る。だが、私は老いて行く身、日本は老いては困る。だけど重なって見えるのは私の妄想か。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やり得・逃げ得・ごね得

2012-08-09 23:22:53 | ニュース

今世界の金融界を揺るがすスキャンダルが進行中だ。デリバティブで巨大損失を出したJPモルガンでなく、内部取引の不祥事で信頼を失った野村証券のことでもない、それは今や金融立国となった英国ロンドンの金融市場を舞台に起こった。

過去数年にわたり世界中の普通の人の生活に悪影響を与える不正が秘密裏に行われていた。世界的な銀行バークレイズを始め有力行が、ライボー(LIBOR)といわれるロンドンの銀行間取引金利を自行に有利になるように操作していた。ライボーは全世界の金融取引の指標となる。

法律がない英国

驚いたのは英国にはこの世界中に影響を与える不正を取り締まる法律がないことだ。今回英国金融当局は金融行政の指針(プリンシプル)に反したとして70億円の課徴金を課したという。サッチャーが金融改革を断行した時、金融市場に自由を与えて活力が生まれるのを期待し世界金融のセンターになった。基本は参加者の良心を期待した性善説に基づく放任システムだった。

最近の金融機関が暴走して惹き起こし多大事件はロンドンを舞台にしているという(日本経済新聞8/5)。その背景に米国や日本は法律で明文化されたルールがあって、それを逃れてロンドンの金融市場が活況を呈したことがある。だが、ロンドン市場では英国流の緩やかな規制が結果的にモラルの低下を招いた。

英国はやり得・米国は逃げ得

最近の金融機関のモラルの低下は世界各国で報じられている。不正の最も大きな打撃は市場が信頼を失い機能しなくなることだが、個人や金融機関は巨額の不正利益を手にする為その誘惑から逃れられない。米国の場合は不正には厳罰が適用されるから犯行は「逃げ得」狙いとなる。だが、英国の場合は緩やかな規制下で「やり得」がまかり通っていたと推測する。

英国流の放任主義は「性善説」がベースになっているが、いまや英国は多民族国家となってグローバリゼーションの先端を走っている。昔の英国ではない。少なくとも金融の世界では米国化し更に先を走っている。米国並みの明文化したルールに基づく金融行政をするのが、最大の世界金融市場国の責任だと思う。

8日に英中銀総裁は抜本的な改革方針を示したと報じられた。英国政府も9月末までに別に改革案を纏めるという。住宅ローンやデリバティブなどあらゆる金融取引の基準になるライボーの不正を許してはならない。一国の都合でキチンとやれないなら退場してもらわねばならない。日米及び欧州諸国が連携して英国に強く圧力をかけるべきだと思う。

日本はごね得?

日本は法律で明文化された規制があるが、最近の内部取引事件に関る罰金額を米国のそれと比べると、罰則が非常に緩いように感じる。事件が表面化して嘘みたいに安い罰金を払う。それで済ますべきではないと、市場やマスコミの批判に晒され、トップが退任して落着する。

これでは運に左右され巧妙に逃げおおせた時に得られる報酬の大きさは魅力的だ。個人のモラルに頼るのは安易過ぎる。単純に損得を考えても不正の歯止めにならないし、市場の信任を得ることも出来ない。現在は状況によってはやり得になる制度だ。このような状況を語呂合わせでごね得といった訳だ。

話は違うが、日本にはやり得や逃げ得になりかねないシステムは多い。例えば最近注目されている「いじめ」では、かつては教育現場の隠蔽体質や少年法が加害者の逃げ得を助けた。性善説が働かない住みにくい世の中になったが、もう後戻りは出来ない。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小沢化した自民党

2012-08-08 09:29:53 | 国際・政治

一体改革を巡る政局が浮上し永田町は緊張が高まっている。自民党が自ら3党合意して推進していた「社会保障と税の一体改革」を人質にして、突如政権と全面対決に踏み切った理由が全く理解できない。こんな重要政策を政局の道具にするとは正気を失ったのだろうか。自民党はプラスと思えば大間違いで信頼すべき野党と見なされず、維新組への期待が高まるばかりとなろう。

実は、理由は明らかだ。自民党が小沢化したと思えば理由は極めて明らかだ。いつ選挙をしたほうが有利かというむき出しの党利党略(日本経済新聞8/8)だ。自民党の早期解散要求は一貫していたが、これ程露骨に政策より政局を優先するとは予想しなかった。そこに自民党も本音のところで大嫌いなはずの小沢体質がしっかり現れたということだ。なんだ、同類じゃないか。

自民党は公約どころか自ら推進して衆院を通した法案まで嘘をついた。それで果たして信頼を受けることが出来るのか。何処に重心を置いているのか時々不安になる公明党だが、今のところ彼らは正気を保っている。選挙民はこの政局を見据え次の選挙で投票すべき政党をしっかり見極めるべきだ。解散回答が今日期限で、世論を睨んで判断すると聞き一言殴り書きした。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビスコッティ・リダックス

2012-08-06 23:07:18 | 日記・エッセイ・コラム

誰にでも特別の食べ物があると思う。それを見るだけで、ある時期の思い出がノスタルジックな情景とともに浮かんでくる。私の場合、その一つがビスコッティだ。

米国に住んだ98年頃、シアトル郊外の自宅から高速道路を通って約1時間の田舎町イサッカに通い、毎土曜日マッサージを受けた。終ると直ぐ近くのスタバに行った。特有の焦げっぽいコーヒーとアーモンド・ビスコッティをいつも頂き、自宅に戻りテントを背負って山に入った。

夏の間このパターンをほぼ決め事のように繰り返した。カリカリに焼かれ歯が欠けそうなくらい堅く仄かに甘く香ばしい。焦げっぽいアメリカーナとぴったりの組み合わせで私の定番となった。ビスコッティを見るとマッサージから片田舎のお店、ハイキングの一連のルーチンを懐かしく思い出す。

その後サクラメントに引越すと何故かビスコッティを置いている店が少なく、もっと甘いブラウニーとの組み合わせに変わった。気候と関係があるのかもしれない。日本に戻ると何故かビスコッティもブラウニーも置いてない店が多く、私もそれほど執念深い方ではなく忘れた。

ところがひょんな所でビスコッティを見つけた。それは、2-3年前に作られた最近はやりの地産地消の市場だ。生産者名が印刷され5片が袋詰めされ10袋程度棚に並んでいた。多分、この市に卸すだけで10袋かそこらが1日の総生産量だろう。

アーモンド・ビスコッティを一袋170円で買い、早速コーヒーと一緒に頂いた。長さは米国で見かけたものの半分の10cm程度だが同じように堅く、私の脆くなった歯が折れないよう気をつけて食べた。

私はビスコッティはイギリスの菓子だと思っていたのだが、この記事を書く前にネットで調べるとイタリアのトスカーナ地方の焼き菓子で、エスプレッソに漬けながら食べるのだそうだ。納得できる食べ方だと思った。

私が頂いたのがインスタントコーヒーのせいなのか、こちらの高温高湿の気候のせいか、それとも認知が始まったせいか、15年前の味の記憶までは甦らなかった。それでも暫くの間、イサッカの乾燥した爽やかな夏を思い出した。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする