恒例の「田舎暮らし雑感」は暗い話題からスタートする。今回は複雑な田舎の世代間人間関係を解きほぐそうという努力をしてみた。
限界集落1
隣の家の奥さんが挨拶に来て、その後長々と世間話をした。ご主人は向かいの家の孫と結婚し2人の子供を儲けたが、後に離婚し再婚したのが彼女だ。彼女も二度目の結婚で20代の女の子がいるという。再婚して何年も経つが、彼女は集落の誰とも付き合いがなく孤立しているように見える。
私(多分私だけ)は彼女とも普段から別け隔てなく話をし、何とか周りの人達と付き合えるよう気配りしている積りだがうまく行ってない。未だに隣にどんな人が住んでいるか(後で説明する)知らなかった。今回は彼女は打ち解けて集落の人達、特に老女達の悪口を聞かされた。
老女達は80-90代で今更あれこれ気配りして発言しなくともおかしくない。彼女等に悪意が無くとも、よそ者の再婚女性が悪意と受け取ってしまったと思う。聞くと中々険悪だった。再婚後向かいの家から覗かれないよう高い塀を作ったり、車を回す為に広い庭を使いたいとの申し入れを断ったりとか。
再婚後残された子供達を手放した際のやり取りがこじれた原因の一つのようだ。かなりの後遺症が残っている様子だった。実家が裕福でBMWの大型車を乗り回し、やや見下した感じがするので近所のオバサン達(老婆というべき年だが)も煙たいのかもしれない。
だが、疎外されたと感じる彼女の気持ちも良く分かる。この集落は一人も子供がいなくなり彼女は限界集落だと吐き捨てた。老婆とやや若い独身の中高年男性ばかり。我が家のように老人は死に子供は全員都会に出て行き空き家になった所はまだないが、他の家も有力な予備軍だ。
大洲人気質
まだ高尾山で傷めた膝の具合が悪いのだが気分転換を兼ねて川沿いの道を散歩した。途中で時々見かけたことのある2匹の犬を散歩させている中年婦人を見かけた。私の顔を良く覚えていて最初は犬を去勢したら太り始めたとか世間話が続いた。私も膝が悪いものだから彼女に合わせて歩いた。
何かの拍子で新居浜に住んだことがあるというと、彼女も東予(愛媛県東半分のこと)出身でここ(大洲)とは天候も気質も全く違うと言い始め話が弾んだ。天気予報が晴れなのに昼まで霧に包まれている。了解してくれたはずなのに何時までも忘れず根に持っている、何でも丁寧に「お」を付けて言うが相手の意志がはっきりしない、反対せず分かったと言いながら後で反対する。
私が数年前に投稿した記事「大洲人気質」と同じ事を彼女は指摘した。同感だが私はそんなものだと思っても、彼女は許せない。ご近所との付き合いは何時まで経っても馴染めないそうだ。ご主人は福岡の出身だが勤め先は海沿いの伊予市で、1日中ここにいる彼女とは苦労の度合いが違うのだろう。
私は同じ伊予市から嫁いできて苦労した母の話や盆地気候の米沢でも同じ傾向があるとの話を紹介した。わかれ際に「また、愚痴を聞いて下さい」と言われた。彼女の悩みを理解して聞いてくれる人が周りにいないのだろうと思い、「もちろん、喜んで」と返事した。
限界集落2
その散歩の帰り道に何人か別のオバサン達に会い、大袈裟に帰郷を歓迎して貰った。お土産までもらった。滅多に会わなくともここで育った私はよそ者ではないということだろう。話の長い彼女達に別れを告げ実家に向かうと、やっと私より若い集落の元班長にあい最近の地域の状況を聞いた。
最初の話題は30年ぶりという大雪だったが、気になったのは冒頭に出て来た隣の隣の家の中高年兄弟だ。二人とも独身でとっくに結婚適齢期を過ぎている。兄は母が死ぬ前にご両親が続けてなくなり全てにやる気がなくなり、家に籠るようになったという。うつ病の気があり精神科に通っているという。
弟は真面目で外に働きに出ているが農業は出来ないらしい。相続した田畑は放置されていたが、最近は誰かに頼んで耕作されている様子だ。この二人が結婚する可能性はほぼゼロ、どう考えても将来は悲観的にならざるを得ない。更に問題は兄弟がこの集落全体を象徴している様に感じることだ。
その斜め隣りの大きな家に少し希望を発見した。何年も前に離婚した息子と付き合っているという若い女性に会った。いやに離婚再婚が多い。結婚前だが彼のお母さん(お婆さん)公認のようだ。私は積極的に自己紹介してこの集落にいい感じを持ってもらうよう私なりの努力をした。この集落唯一の希望の星だ。■
限界集落1
隣の家の奥さんが挨拶に来て、その後長々と世間話をした。ご主人は向かいの家の孫と結婚し2人の子供を儲けたが、後に離婚し再婚したのが彼女だ。彼女も二度目の結婚で20代の女の子がいるという。再婚して何年も経つが、彼女は集落の誰とも付き合いがなく孤立しているように見える。
私(多分私だけ)は彼女とも普段から別け隔てなく話をし、何とか周りの人達と付き合えるよう気配りしている積りだがうまく行ってない。未だに隣にどんな人が住んでいるか(後で説明する)知らなかった。今回は彼女は打ち解けて集落の人達、特に老女達の悪口を聞かされた。
老女達は80-90代で今更あれこれ気配りして発言しなくともおかしくない。彼女等に悪意が無くとも、よそ者の再婚女性が悪意と受け取ってしまったと思う。聞くと中々険悪だった。再婚後向かいの家から覗かれないよう高い塀を作ったり、車を回す為に広い庭を使いたいとの申し入れを断ったりとか。
再婚後残された子供達を手放した際のやり取りがこじれた原因の一つのようだ。かなりの後遺症が残っている様子だった。実家が裕福でBMWの大型車を乗り回し、やや見下した感じがするので近所のオバサン達(老婆というべき年だが)も煙たいのかもしれない。
だが、疎外されたと感じる彼女の気持ちも良く分かる。この集落は一人も子供がいなくなり彼女は限界集落だと吐き捨てた。老婆とやや若い独身の中高年男性ばかり。我が家のように老人は死に子供は全員都会に出て行き空き家になった所はまだないが、他の家も有力な予備軍だ。
大洲人気質
まだ高尾山で傷めた膝の具合が悪いのだが気分転換を兼ねて川沿いの道を散歩した。途中で時々見かけたことのある2匹の犬を散歩させている中年婦人を見かけた。私の顔を良く覚えていて最初は犬を去勢したら太り始めたとか世間話が続いた。私も膝が悪いものだから彼女に合わせて歩いた。
何かの拍子で新居浜に住んだことがあるというと、彼女も東予(愛媛県東半分のこと)出身でここ(大洲)とは天候も気質も全く違うと言い始め話が弾んだ。天気予報が晴れなのに昼まで霧に包まれている。了解してくれたはずなのに何時までも忘れず根に持っている、何でも丁寧に「お」を付けて言うが相手の意志がはっきりしない、反対せず分かったと言いながら後で反対する。
私が数年前に投稿した記事「大洲人気質」と同じ事を彼女は指摘した。同感だが私はそんなものだと思っても、彼女は許せない。ご近所との付き合いは何時まで経っても馴染めないそうだ。ご主人は福岡の出身だが勤め先は海沿いの伊予市で、1日中ここにいる彼女とは苦労の度合いが違うのだろう。
私は同じ伊予市から嫁いできて苦労した母の話や盆地気候の米沢でも同じ傾向があるとの話を紹介した。わかれ際に「また、愚痴を聞いて下さい」と言われた。彼女の悩みを理解して聞いてくれる人が周りにいないのだろうと思い、「もちろん、喜んで」と返事した。
限界集落2
その散歩の帰り道に何人か別のオバサン達に会い、大袈裟に帰郷を歓迎して貰った。お土産までもらった。滅多に会わなくともここで育った私はよそ者ではないということだろう。話の長い彼女達に別れを告げ実家に向かうと、やっと私より若い集落の元班長にあい最近の地域の状況を聞いた。
最初の話題は30年ぶりという大雪だったが、気になったのは冒頭に出て来た隣の隣の家の中高年兄弟だ。二人とも独身でとっくに結婚適齢期を過ぎている。兄は母が死ぬ前にご両親が続けてなくなり全てにやる気がなくなり、家に籠るようになったという。うつ病の気があり精神科に通っているという。
弟は真面目で外に働きに出ているが農業は出来ないらしい。相続した田畑は放置されていたが、最近は誰かに頼んで耕作されている様子だ。この二人が結婚する可能性はほぼゼロ、どう考えても将来は悲観的にならざるを得ない。更に問題は兄弟がこの集落全体を象徴している様に感じることだ。
その斜め隣りの大きな家に少し希望を発見した。何年も前に離婚した息子と付き合っているという若い女性に会った。いやに離婚再婚が多い。結婚前だが彼のお母さん(お婆さん)公認のようだ。私は積極的に自己紹介してこの集落にいい感じを持ってもらうよう私なりの努力をした。この集落唯一の希望の星だ。■