八十路徒然なるままに

春暮れてのち夏になり、夏果てて秋の来るにはあらず、春はやがて夏の気をもよほしーーー。徒然草より

法話の出合い

2013年09月30日 19時51分32秒 | Weblog
九月二十日の、閼伽井嶽薬師の境内の一角。太陽の光が、秋の気配が感じる。月に一度の、写経。始まる前に、いつもの和尚さんは、葬儀のため、20歳という若い僧侶が法話をした。なにを話すのかと、興味しんしんだつた。「出会いについて」話すという。その若い僧侶は、祖母の葬儀で法話を聞いた、その時、感銘をして、仏門に入ったという。その時の和尚さんとの出会いが、自分の人生の中での出会いだという。写経生10人に、「皆さんは人生で、一番思い出深い出合いは、どんな出会いだったのか、目を閉じて、想い出してみてください」と。数分間、目を閉じて、78年間の中で、自分の出会いを、想いめぐらしてみたが、あれもだ、これもだと、確たるものが、想い浮かばない。折に触れて、出会いを、思い出してみることにする。若い僧侶は、「はじめて、法話をする。これも、出会いで、心に残っていくだろう」と。肩ひじはらない語りが、初々しく感じた。昔かぁし読んだ文学書のなかのに、「乞食のなかにも、人格者がいるかもしれない」の、一節を思い出していた。

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