アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

私には自分の感情を見届ける傾向があります。
今年のある時期までは【焦り】の感情が最も強く、これは思春期以来ずっと私の中心に位置していた感情でした。
私の場合【焦り】は『スピード』と関連していました。

しかし最近は、【焦り】よりも【もどかしさ】の頻度が抜群に多くなっています。

『広辞苑』で「もどかしい」を引いてみると、こんな表現が出ていました。

「思うようにならないで、気がもめる」
「はがゆく思う」
「じれったい」

まさにそのとおりで、今パソコンを前にしても「はがゆく思う」し、「じれったい」です。

それもそのはず、キーボードを打てるのは右手だけ、左手は時々、親指を使います。
私の左手で指先があるのは、親指だけです。

アドラー心理学の面白いところは、さまざまな感情を『理想・目標』と『現実』とのギャップと捉えることです。
そこから発想すると、【もどかしさ】とは、「こうありたい」「こうあらねば」という『理想・目標』と実際には「これしかできない」という『現実』のギャップから生じる、広義の『劣等感』です。

■【感情のサイン】に気づくガイドブックがあります。
『感情を整えるアドラーの教え』(大和書房だいわ文庫)です。
1,000円もしない文庫本なので、1冊手元に置いておくことをお勧めします。

ただし【もどかしさ】には、不都合な部分だけでなく効用もあります。
じっくり構えて、「この【もどかしさ】の感情は何に気づかせようとしているのか?」と考えて、時間をかけても物事を丁寧に扱うようになることです。
これは言わば、『理想・目標』を引き下げて『現実』に沿う対応です。
ただ、知恵を駆使して『現実』を引き上げる方法もあるはずです。

そこで、1つのヒラメキが起きてきました。
今の私の最大の【もどかしさ】は、応援プロジェクト:「仏教×アドラー心理学」(オンライン開催)」にきわめて賛同者が少ないことです。
このことについては、一昨日のブログにこんなことを書きました

《手段と目的が混同して本来の意図が通じていなかったことをもどかしく思っています。
要は「目的は、存亡の危機に瀕している個人と組織をアドラー心理学を学び合う仲間で救済することに貢献してほしい」ということです。》


どうか趣旨をご理解いただき、ご賛同のほどよろしくお願いいたします。
私の【もどかしさ】を軽減してくださるようご協力ください。

1)発起人:森哲史さん野口久美子さん、岩井俊憲

2)趣旨:サングラハ教育・心理研究所主幹の岡野守也先生が、パーキンソン症候群の『進行性核上性麻痺』という治療法が確立されていない難病に侵され、余命4-6年の見通しだそうで、大変つらい日々を送られております。現在、サングラハ教育・心理研究所は、主幹の病気、会員数の減少などの危機に瀕しています。

岡野守也さんは、ヒューマン・ギルド代表の岩井俊憲と同い年の1947年生まれですが、春秋社の編集長の頃はアドラー心理学の黎明期にアドラーの本の出版を通じて尽力され、その後、岩井にとって恩師でもあり友人にもなり、過去にはさまざまな講座を共催していたことがあります。

その窮地を救うためサングラハ教育・心理研究所で仏教を学び、現在はヒューマン・ギルドでアドラー心理学を学んでいる森哲史さんが橋渡し役になって野口久美子さんのサポートを得ながら岩井俊憲と共にプロジェクトを立ち上げたのです。

岡野さんのご著書『仏教とアドラー心理学』(佼成出版社)を題材に森哲史さんと岩井俊憲が野口久美子さんのオンラインサポートにより「仏教とアドラー心理学」のタイトルの対談を行い、このプロジェクトに賛同してくださった方々から寄せられた基金はすべて、クレジット決済料を除いてサングラハ教育・心理研究所に寄付します。

志ある方のご賛同と、ご関与による各方面へのお声がけなどのご貢献を期待しております。

講師:岩井俊憲×森哲史さん

日時:2024年12月20日(金)20:00-21:30

アーカイブ動画販売の申込締切:2025年1月15日(水)

◆3,000円 当日参加 https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1230  

◆3,000円 アーカイブ動画申し込み https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1231

◆10,000円 当日参加+サングラハ会員(1年分、6回の『サングラハ』誌贈呈) https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1232

◆10,000円 アーカイブ動画申し込み+サングラハ会員(1年分、6回の『サングラハ』誌贈呈 https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1233

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

やや遅い時間の更新になりました。
スタッフに緊急事態が発生して、オフィスに誰もいなくなるので、出社して仕事をしています。

1.昨日は在宅勤務の日。
いつものように妻とランチのために出かけました。

途中、紅葉山公園を通り抜けました。

ついでにこちらは、妻が早稲田のお寺で撮った写真。

初冬の情緒もなかなかのものですね。

2.今日のテーマは「【不眠】の効用について」。

日曜日開催のカウンセリング演習で、クライアント役の方が「時々眠れなくなる」と語ったとき、カウンセラー役の人やオブザーバーは、「悩み事」と結びつけ、「お辛いこと」と捉えました。
私はこのことを「悩み事」や「お辛いこと」と決めつけることの危険性を警告しました。

毎日布団に入っても寝入ることができなかったり、早朝覚醒が続いて睡眠時間が削られる日々が続くならば、「悩み事」や「お辛いこと」に関連付けて、【不眠】の主訴を「どんなライフタスクが頭をよぎっているか?」をもとにアプローチすることも必要です。

しかし、時々不眠に襲われる状態の人には、「覚醒してこの機会に創造性を発揮せよ」という命令を受けたような瞬間があるのです。
今朝の私がまたもやその恩恵に預かりました。

明日、私はとてもチャレンジングな内容の出版企画の打ち合わせをします。
昨晩からその準備に入っていて、パワポのスライドを30枚ほど準備していました。
8割くらいが準備できていたでしょう。
ところが、今朝の不眠ー別名【早朝覚醒】ーによって、見逃していたアイデアが続々生まれてくるのです。
それで、布団の中にいるのがもったいなくなって、隣の書斎に移ってメモを書きまくりました。
主要な6つのアイデアが記録されました。
それに基づいて、今からパワポのスライドを補足します。

【不眠】についての教訓はこれです。

・カウンセリングの際に【不眠】の話を聞いたとしても、「悩み事」や「お辛いこと」に関連付けないこと

・【不眠】という主訴にそのまま反応せず、「眠れない時にどんなことが頭に浮かんでいるか」をもとに直面するライフタスクを明らかにすること

・【不眠】には【覚醒】のようなヒラメキ効果があるので、創造的な機能としてクライアントと共に対話によって【洞察】と【創発】の協力を進めること

ヒューマン・ギルドでカウンセリングを学んでいる方は、オンライン無料開催:「謝恩 カウンセリング道場大会」に是非ご参加ください。
カウンセリングの演習や質疑応答、フリートークなどを開催いたします。
「無料」ですよ。

受講資格・お申込み条件:以下の(1)か(2)のいずれかどちらかの条件を満たしている方。

(1)過去3年間にカウンセリング道場に参加したことがある会員の方
(2)アドラー・カウンセラー養成講座修了者で現在も会員である方

日程:12月13日(金)19:45~21:45 
詳細確認及びお申し込み:https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1119

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<お目休めコーナー>12月の花(5)



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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今日は、3つのことをお伝えします。

1.【身体障害者】として生きる決意
2.早稲田大学エクステンセンターで今冬も【勇気づけの心理学】
3.お2人から新著のご寄贈

1.【身体障害者】として生きる決意

昨日の朝は、3カ月ぶりに入院していた医大附属病院に診察を受けに行きました。
今までは妻同伴でしたが、一人で行きました。
初めてこの路線で「都営交通無料乗車券」を使いました。
診察を終えて早めのランチ。
ウェイターの方には、ポークステーキに切れ目を入れて頼んだら、その通りにしていただけました。



袋入りの散薬を挟みを使ってカット。



私のスタンスは「できないところは協力を仰ぎ、可能な範囲は自分で」です。
爽やかに日々を過ごしたいです。

2.早稲田大学エクステンセンターで今冬も【勇気づけの心理学】

早稲田大学エクステンセンターからメールが入りました。
もうすでに申し込みが始まっているようです。
昨年度は、全7回の5回目で緊急入院のため中断、それにもかかわらず、今年度もご依頼をいただいています。

***********************
今学期も「冬の入会金無料キャンペーン」を実施しており、新規のご入会が0円となっております(先着300名様限定、通常入会金8,000円が無料)。

会員資格は4年度間有効で、お得な会員料金で講座を受講いただけるほか、早稲田大学中央図書館の利用など、さまざまな特典がございます。

ご紹介いただける場合、ご担当いただく講座のお申し込みページは以下のとおりです。
なお、お申し込みは講座初日の前開室日午後5時まで受け付けております。

※SNSで発信いただく際は「#早稲田大学エクステンションセンター」をつけていただけますと幸いです。

--------------------
○開講年度学期 :2024 冬期
○キャンパス  :早稲田キャンパス
○クラスコード :140517
○講座名    :勇気づけの心理学―アドラー心理学の理論と実践
○開講日    :2025年1月10日 (金)
○授業回数   :7 回
○定員数    :30 名
○講座情報URL  : https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/63294/        
--------------------

※テキストは、この10月末に重版になった『勇気づけの心理学 増補・改訂版』(金子書房)です。

3.お2人から新著のご寄贈

昨日は、お2人から新著のご寄贈をいただきました。

(1)『笑って死ねる人・生・論』(アートヴィレッジ)
国際弁護士の中山達樹さんからです。



目次は下記のようで、日本を元気にするために同調圧力に屈しない中山流人生哲学が込められています。

第1章 親孝行
第2章 家族
第3章 子育て・教育
第4章 勉学・仕事
第5章 健康
第6章 人生
第7章 聖と俗
 
■中山さんとの出会いと他の著書紹介については、 2023年3月7日付けブログ 人と著作:国際弁護士中山達樹さんの『インテグリティ』
に書いています。

(2)『辞書ナシで学べるスヌーピーの英語表現』(祥伝社)
小池直己さん(英語教育学者、元就実大学・大学院教授)からまたもやお贈りいただきました。
 

約400冊もの著書を著す小池さんからは、何と20冊近くの近著をご寄贈いただいています。

今回の本は、人気のスヌーピー・シリーズの中でも「辞書ナシで学べる」が謳い文句です。

小池さん、いつもありがとうございます。

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日は、ある信念を強めた日になりました。
それは「【教育分析】【カウンセリング】にサポーターが存在することでより効果が高まる」ということです。
【教育分析】というのはアドラー心理学では「カウンセラー/カウンセラー志望者が訓練の過程において自分のライフスタイルを知るサポートを受けること」と定義しておきます。

昨日の午前中と夜は、この【教育分析】【カウンセリング】にサポーターに入っていただきました。

【教育分析】のクライアントは天野英子さん(写真右上)、サポートは前川公美子さん(写真左下)と野口久美子さん(写真右下)。



この3人でWell-laboを組織し、ヒューマン・ギルドとは密な関係にあります。
オンライン開催のアドラー心理学ベーシック・コースの共催によりオンラインサポートをいただいています。
3人は第87期アドラーカウンセラー養成講座を揃って修了した人たちです。
天野さんのポジティブな世界像、自己概念が明らかになり、持ち味の向上心の高さを伴う自己理想で今後の天野さんならではの世界が拓ける展望が見えてきました。

天野さんからは「確かに確かに〜と頷くこともいっぱいでした。そして自分の知らない自分の可能性も示唆していただき、とても濃い時間を過ごすことができ、感謝の気持ちでいっぱいです」とのご感想をメッセンジャーでいただきました。
前川さんからは「英子さんのをきかせていただいて、ライフスタイル診断や教育分析とは、このような感じなのだとわかり、とても勉強になりました!」、野口さんからは「とても学びが多くあり、仲間のライフスタイルを見つめることは、私自身についても考える良い機会となりました」とのコメントが寄せられました。

【カウンセリング】では、第86期アドラーカウンセラー養成講座を修了したクライアントに中野むつみさん、サポーターを山本一雄さんとして行いました。

中野さんは、着物姿で札幌から歴代最高の頻度でヒューマン・ギルドに通われ、2年間で数々の講座を受講していらっしゃいます。
山本さんは、昨年の半ばからご縁ができ、現在YouTubeアドラー心理学専門チャンネルの200以上のコンテンツを復習中の、とても向学心の強い方です。

私は時に、山本さんと中野さんを巡っての対話を重ねながら、中野さんの過去・現在・未来を俯瞰しました。
「経営者を支援したい」という思いから今年から【中野むつみ株式会社】を設立した中野さんには、同じ想いを共有する、中小企業診断士でもある私としては、中野さんに経営者の姉、時に母として勇気づける存在になってほしいと願っています。

中野さんは「終わってみて、『よくわからないけど、スッキリした!よし!未来に進もう。これからの私は私を必要としてくれる人の伴奏者となろう!特に経営者の皆さんの』と、素直に思いました」とLINEグループにシェアしていらっしゃいました。
また、山本さんは、3人のやり取りを議事録風にまとめてくれていました。

さて、【教育分析】【カウンセリング】にサポーターが存在する効果についてです。

ひと言にまとめれば『教育効果』。
クライアントだけでなくサポーターもこの恩恵に浴します。
特にクライアントは、カウンセラーとの対話だけでなくカウンセラーとサポーターとのやり取りを客観的な立場で観察することで、1対1の【教育分析】や【カウンセリング】以上に深い【洞察】が得られます。

この方式、今後どしどし採用しようっと!

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日スタートの「応援プロジェクト・スタート:サングラハ教育・心理研究所(主幹・岡野守也さん)」には、早速お申込みが数件ありました。
私の恩師筋で、友人でもあるサングラハ教育・心理研究所https://www.smgrh.gr.jp/)主幹の岡野守也先生が、パーキンソン症候群の『進行性上核性麻痺』という治療法が確立されていない難病に侵され、サングラハ教育・心理研究所が主幹の病気、会員数の減少などの危機に瀕している窮地を救うための講座開催を中心とする応援キャンペーンです。

テーマ:「仏教×アドラー心理学」
日時:12月20日(金)20:00~21:30
 アーカイブ販売の申込締切:2025年1月15日(水)
発起人:森 哲史さん野口久美子さん

申し込みパターンがやや複雑ですが、難病や「仏教とアドラー心理学の関連」にご関心のある方は、まずは下のURLのどれかをクリックしてみてください。

3,000円 当日参加 https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1230
3,000円 アーカイブ申し込み https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1231
10,000円 当日+サングラハ会員(1年分、6回の『サングラハ』誌贈呈)https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1232
10,000円 アーカイブ申し込み+サングラハ会員(1年分、6回の『サングラハ』誌贈呈)https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1233


昨日の午後は、ある企業のロワー・マネジメント階層の120名を対象としたオンライン研修を行っていました。
有力なサポート役を得て、難なくこなすことができました。

この間に妻は、私の代理で区役所に出向いて【身体障害者手帳】を受け取ってきました。



9月19日の申請からちょうど2カ月。
老いたる【身体障害者】としての『覚悟・決意・忍耐』を自らの生き方をあらためて問い直しました。

『覚悟』は、【身体障害者】であることに誇りを持って生きることです。
『決意』は、【身体障害者】であってもできるだけ自立的な生き方をすることです。
『忍耐』は、【身体障害者】としてもどかしいことが多々あったとしても耐え、時間をかけても自ら、時に他者の協力を得て取り組むことです。

私の支えになるのは、第1には最も身近な妻です。
21日間の入院中も毎日見舞いにきてくれ、退院後も私の介助をしてくれます(時には依存に傾きがちなところがあると指摘してくれます)。
ヒューマン・ギルドのスタッフや講師陣、受講者も私の支えになってくれています。
障害者になってみて、他者の気づかいや貢献の有難さを感じる日々です。

時に弱気になるときに私を支えてくれるのは、パラリンピックの創始者 ルードヴィッヒ・グットマン博士の言葉です。

「失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」

最後に、もう一度繰り返してこのブログを終えます。

昨日は、老いたる【身体障害者】としての『覚悟・決意・忍耐』を自らの生き方をあらためて問い直した日でした。

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

◎ヒューマン・ギルドの提携組織であったサングラハ教育・心理研究所(主幹・岡野守也さん)の窮地を救うための応援プロジェクトがスタートします。
森 哲史さん野口久美子さんと私の3人で始めました。
志のある方の応援をお願いします。

ヒューマン・ギルドは、来年の4月10日をもって設立40周年を迎えます。
その前哨戦として「サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話」を11月2日から9日まで7日間連続で書いていたのですが、あまりブログ読者の関心を惹きつけられなかったので、区切りをつけました。

ここからは、ヒューマン・ギルドを設立する前後の話です。
私がアドラー心理学を学び始めた1983年の時期に手に入るアドラー心理学の本は、次の3冊くらいでした。

『子どもの劣等感』(A・アドラー著、高橋堆治訳、誠信書房、原著名”The Education of Children”)
『子どものおいたちと心のなりたち』(A・アドラー著、岡田幸夫/郭 麗月訳、ミネルヴァ書房、原著名”The Science of Living”)
『アドラー心理学入門』(H・オーグラー著、西川好夫訳、清水弘文堂、原著名”Alfred Adler:The Man and His Work”)

この3冊に続いて見つけたのが1984年5月に発刊された『人生の意味の心理学』(A・アドラー著、高尾利数訳、春秋社、原著名”What Life Should Mean to You”)です。

この本には衝撃を受け、他の出版社からの本を含めると、10回近く読んでいます。
多くの方に読んでいただきたくなって、ヒューマン・ギルドを設立してから出版元の春秋社の営業担当の方と交渉してまとめ買いし、著者価格で分けてもらい受講者に勧めていました。
訳文だけでなく、「訳者あとがき」の内容は、今読み直してもほれぼれするほどです。

そのうち営業担当の方とアドラーの次の本として『人間知の心理学』(原著名”Menschenkentnis”)をドイツ語から高尾利数訳で出す予定であるとの情報が入りました。
私は、だとしたら日本アドラー心理学会が使っている訳語と統一することを思い立ち、編集責任者の紹介をお願いしました。
その結果実現したのが、当時の春秋社の編集長の岡野守也さん、訳者の高尾利数先生(法政大学教授)、アドラー心理学会会長の野田俊作先生、事務局長の私の四者会談による訳語統一でした。
『人生の意味の心理学』では「ライフスタイル」が「人生のスタイル」、「共同体感覚」が「社会的関心」と訳されていたのが、完全に統一されたのです。

岡野さんは、元々は牧師さんでしたが、春秋社に入り仏教書だけでなく、トランスパーソナル心理学とアドラー心理学を時代の心理学として目をつけておられたのです。

岡野さんを通じては、トランスパーソナル心理学を日本に広めた吉福伸逸さんをご紹介いただき、トランスパーソナル・ワークショップを2度ほどヒューマン・ギルドで開催しました。
また当時、千葉大学助教授だった諸富祥彦先生をもご紹介。
諸富先生は、ヒューマン・ギルドでいくつかの講座をご担当、数年間ヒューマン・ギルドの研修室で「悩める教師の会」を開いていました。

こうして思い返すと、ヒューマン・ギルドにアドラー心理学のみならず他の心理学への裾野を広げてくれた功績者が岡野守也さん、ということになります。

<数日後に続く>

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

とても遅い時間の更新です。
2つのことについてお伝えします。

1.欧米~アジアに広がる『マンガ  アドラー』
2.某総合食品メーカーの【アドラー心理学 勇気づけ】研修2日目

1.欧米~アジアに広がる『マンガ  アドラー』

昨日は、茨城県内での研修を終えて帰宅したら、家に(株)日本能率協会マネジメントセンターから印税支払い報告書が届いていました。



画像をご覧ください。
右の上から順に英語版、フランス語版、スペイン語版、イタリア語版、ロシア語版、ベトナム語版、タイ語版、ブルガリア語版、インドネシア語版、ドイツ語版とあります。
10言語で、欧米のみならずアジア圏内にも『マンガでやさしくわかる アドラー心理学』が翻訳・出版され売れていることがわかります。
以前の韓国、台湾(繁体語、中国(簡体語)を含めると、13言語になります。

2014年の出版以来、これで154,000部に達するロングセラーがこんなにさまざまな国で翻訳・出版されていることがわかります。

日本語からのものだけでなく、アメリカの大手出版社WILEYから英語で翻訳・出版され、結果として13言語に及んでいるのです。
日本独自のマンガとの融合が起爆剤になっています。


(日本語と英語版)

こちらは、ブルガリア語バージョン。

著者としては、とても有難いことです。

2.某総合食品メーカーの【アドラー心理学 勇気づけ】研修2日目

昨日の9:00~16:30は、某総合食品メーカーの【アドラー心理学 勇気づけ】研修の2日目。
私は前日の質問や、その企業のニーズを把握して、(1)【貢献】の別の意味合い ー ギブと考えるより気軽なシェア(お裾分け)としての仏教の『無財の七施』 ー と、(2)【変革】の心理学的基盤について冒頭にお伝えしました。


2日目の柱は次の3つで、図形を使った「協力ゲーム」も行いながら討議を交えて双方向で展開しました。

・よい人間関係
・共同体感覚
・勇気づけの理論

10年以上この会社で研修を担当している強みが活かされました。

2日間研修を担当してハイ・パフォーマー揃いのこの会社の特徴が如実に出ていました。

・「人は変われると思うか?」や「あなたは、欠点があったとしてもご自分を受け入れていますか?」の質問に対して9割の人たちがイエスと回答
・「外発的動機づけ VS. 内発的動機づけのどちら?」の設問には全員が「内発的動機づけ」を選択

講師の私に対しては、前日同様【気配り】が見られました。
昼食のために食堂に行くと、食堂の方が丼ものについて「先生のはこちらです」と、ご飯を軽く盛ったどんぶりを用意してくれていました。
研修担当の方が伝えてくださっていたようで、こういうところまで共感力が発揮されていました。

研修が終わってからは、研修担当の方から「今までにない盛り上がり」とのお言葉をいただき、手分けして依頼していたタクシーに乗って会場を後にしました。

講師満足度も極めて高く、受講者、研修担当者の方に感謝申し上げます。

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

1.昨日の午後は、YouTube「アドラー心理学専門チャンネル/ヒューマン・ギルド」の動画撮影&編集担当の安西 光さんにお越しいただき、12月のすでに永藤かおるさんによって収録済みのコンテンツ(12月2日分)の他に3つを収録しました。
お届けは、次のようになります。

配信日     タイトル等
12月2日  アドラー心理学の基本的な考え方【対人関係論】(永藤かおる)
12月9日  【人おこし】【組織おこし】に導く機会開発アプローチ(岩井俊憲)
12月16日  ヒューマン・ギルドの過去・現在(岩井俊憲×目次 心)
12月23日  【好奇心】を強みとして活かそう(岩井俊憲)

珍しかったのは、目次 心さんもご存じないヒューマン・ギルドの設立前後の話について対談で話せたことです。

私は、単独で2つの話を収録しました。

2.昨晩は、YouTube「アドラー心理学専門チャンネル/ヒューマン・ギルド」「【伴走支援について】伴走家の磯野茂さんとの特別対談」をご提供(10分半ほど)。

ご視聴はこちらから
   ↓
https://youtu.be/remxbhjolyI

【伴走支援】は、スポーツの世界からビジネス分野にも広く注目されている、今の時代にマッチしたサポートのあり方です。

ビジネス分野では【伴走支援】が特に中小企業支援に使われていて、中小企業庁の『経営力再構築 伴走支援ガイドライン』には、次のようなことが書かれています。

《「経営力再構築伴走支援」は、経営者との対話と傾聴を通じて、事業者が抱える本質的な課題に気づくよう促し、内発的な動機づけにより事業者の潜在力を発揮させ、課題解決に至るよう側面的に支援するものです。》
     ↓
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/
kenkyukai/keiei_bansou/guideline.pdf


この中小企業施策の大転換は、中小企業診断士の私からすると、画期的なものです。
2023年に中小企業庁長官を退任した角野然生(かどのなりお)氏の功績によるものです。
このいきさつについて関心のある方は『経営の力と伴走支援』(光文社、860円+税)をお読みください。

福島の復興支援の体験と、【伴走支援】には【対話】と【傾聴】が不可欠であることがベースにあること、また、【組織開発】の第一人者、中村和彦氏の解説などが盛り込まれた本です。

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<お目休めコーナー>11月の花(12)



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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今日は、とても遅い更新になりました。
3つのことについてお伝えします。

1.【最終回】サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(7)
2.法人研修2つのこと:仙台と飯田橋で
3.リハーサルとしての【夢】:障害を持つ左手がそれなりに活動

1.【最終回】サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(7)

「サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話」シリーズの最終回です。
ここまでおつき合いくださった方に感謝申し上げます。

1983年5月に株式会社 グループダイナミックス研究所 の野田俊作先生の講演後、私は不登校の塾で不登校のお母さん方を対象にSTEP親子関係セミナーを担当したり、1983年7月発刊の『家庭内暴力をなおす』(コンパニオン出版)を読んだりしていました。
私がボランティアを務める塾の塾長の講演にも同伴したりしているうちに、子どもたちを収容できる施設を確保できるようなプロジェクトをスタートさせました。
「親が変われば子どもが変わる」をスローガンに各方面に寄付を募って、拠点は三鷹の地に移りました。
そうなると私は、ボランティアのままではいかず、10月から常勤の業務部長に就任。

株式会社 グループダイナミックス研究所のAIAニュースでは、野田俊作先生は一種の広告塔としてかなりの頻度で顔を出していました。
南博先生との対談では、アドラーの本の翻訳を勧められ、引き受けるようなやり取りの記事も見受けられました。

そうこうしているうちに11月から翌年の2月まで土日8日間で開催される関東初のアドラー心理学カウンセラー養成講座の案内を見たのです。
会場は、株式会社 グループダイナミックス研究所の川崎研修センター。
私はすぐ申し込みました。
講演とは違って、アドラー心理学を深く、広く学ぶことができました。
この関東地方第1回目の開催には、「アドラー博士」シリーズの本で有名になった星 一郎さん、当時千葉商科大学助教授の菅沼憲治さん、福祉施設の職員で後にヒューマン・ギルドのスタッフになった坂本州子さん、大阪から野田先生の秘書役で参加された古田富子さんなど、その後にヒューマン・ギルドを支えてくれることになった人たちが参加していました。

ところで、野田俊作先生、私は「この人こそ天才!」と思いました。
話術も巧みで、どんな質問にも簡潔な、たとえ話も交えて答えを出してくれました。
私と同学年の1948年3月の生まれですが、私と同じ高校時代のクラスの東大・京大に進んだ3人どころか、東大法学部卒の私のサラリーマンだった時の上司以上の切れ味でした。
8日間のカウンセラー養成講座は、とてもファンタスティック、講座が終わってからは、野田先生ご推薦の本や数少ないアルフレッド・アドラー著の本を読みふけりました。

と同時に、この時期まではサラリーマンに戻ろうという密かな気持ちを抱いていたのを放棄し、アドラー心理学によりコミットしていこうという気持ちになっていったのです。

2.法人研修2つのこと:仙台と飯田橋で

(1)東北生産性本部で11月6日(水)に仙台で行った「組織が活性化する心理的安全性~アドラー心理学による実践的な方法とは」の講演の写真が送られてきました。



(2)昨日の10:00から16:30まで社会福祉法人 東京都社会福祉協議会の知的発達障害部会主催の「アドラー心理学に基づく勇気づけのリーダーシップ」研修の後半を行っていました。
受講者は、研修委員の方々を含めて17人。
飯田橋の会場からは、東京ドーム球場、その右側に東京スカイツリーが見えました。

内容は「リーダーのためのアドラー心理学」が中心で、「アドラー心理学をいかに組織に活かすか」に主眼を置きました。

3.リハーサルとしての【夢】:障害を持つ左手がそれなりに活動

こんな夢を朝方に見ました。
私の左手は、障害を持った状態です。
この状態の夢は、初めてです。
それでも、左手の動きにくい指のそれぞれが、右手と同じくらい自由に動くのです。
私の実感は、「私は左手の3本半を失ったけれど、残された部位に不自由さがまったく感じられない」です。

私は、この指を来年の3月末に夢のように実現するというリハーサルとして見ました。

「夢は実現する」

この強い信念をもとに今後もコツコツとリハビリに励みます。

■夢を読み取る! アドラー派による「夢のワーク」(会場参加型)のご案内

 アドラー心理学の夢解釈の特徴は、現実の生活体験と結びつけて問題解決にたどり着けることです。講義だけでなく演習や討議も交えて多彩に展開します。
 自分が寝ているときに見ている夢に隠されたメッセージを知ることができるかもしれません。
 全く初めての方でも参加できますので、遊び心を持ってお越しください。

講師:岩井俊憲
日時:2024年12月22日(日)10:00~17:00
受講料:会員19,800円、一般23,100円、再受講・会員限定9,900円
確認と申し込み:https://www.hgld.co.jp/plecture/view/264

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今日は3つのことについてお伝えします。
いよいよ野田俊作先生との出会いの話が出てきます。

1.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(6)
2.『GOETHE』で『超訳 アドラーの言葉』の【まとめ】
3.前川公美子さんと田中有香さんがご来社

1.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(6)

野田俊作先生は当時、神戸家庭裁判所の医務室技官をなさっていて、南博先生(心理学者、一橋大学名誉教授、日本心理センター所長)と株式会社 グループダイナミックス研究所 が発行する『AIAニュース』誌上で対談も行っていました。
さらに、『登校拒否・非行は直せる』という、主に行動療法をもとにした本を日本経済通信社から1982年5月に出していらっしゃったので、私も読んでいました。
その野田先生が1983年5月に株式会社 グループダイナミックス研究所 主催で開催されることを『AIAニュース』で読んだので、私はもちろん参加しました。

野田先生は、その年の3月にシカゴのアルフレッド・アドラー研究所の留学を終え、帰国して数か月でした。
講演は、私が学んでいたT先生の【原因論】とは真逆の【目的論】に基づくもので、今でも鮮明に覚えている場面があります。
参加者の一人の、お子様が不登校の父親が「登校拒否(当時の不登校の呼び方)の原因は何ですか?」と質問したら、あっさりと「知りません!」と答えました。
「だってあなた『登校拒否』の本も書いているじゃないですか?」と詰め寄られると、このような趣旨の回答をしました。
「原因を知ってどうするんですか? 仮にお母さんのスキンシップが足りなかったことが原因だと知って、中学2年生の息子にお母さんがスキンシップを図ったらどうなると思われますか? 気持ち悪がられるだけでしょう」
これには、脱帽でした。
私が学んでいたT先生の不登校の7大原因は、すべて母親の悪さ ー妊娠・出産、母乳で育てなかったこと、スキンシップ不足などー に起因する考え方で、当時流行していた【母原病】の言葉と共に母親を苦しませるだけの理論でした。

なお、『登校拒否・非行は直せる』と1983年7月発刊の『家庭内暴力をなおす』(コンパニオン出版)の書影は次のとおりです。

『家庭内暴力をなおす』の帯には、南博先生の推薦文が載っています。

この後の展開は第7回に譲ります。

2.『GOETHE』で『超訳 アドラーの言葉』の【まとめ】

「仕事が楽しければ人生も愉しい」を主張する『GOETHE』に『「甘やかされた子は好かれない」「”優れていたい”が強すぎると病的に」対人関係の悩みを解決するアドラーの金言【まとめ】』として『超訳 アドラーの言葉』が紹介されていました。
      ↓
https://goetheweb.jp/lifestyle/
more/20241106-adler-matome


《人と社会の本質を鋭く突いた、心理学の巨頭 アルフレッド・アドラーの言葉をまとめた一冊『超訳 アドラーの言葉』から、一部を抜粋・再編集した記事をまとめてお届け! ※2024年4月掲載記事を再編》として、次の5つのコンテンツでした。

1)仕事・人生の見え方が変わる! アドラーの言葉6選
2)「甘やかされた子どもは好かれない」アドラーが断言する、教育において大事なこと7選
3)「怒るのは、他人を支配したいから」「妬む人は責任転嫁をするから」心の不安定に効く、アドラーの名言6選
4)「優れていたい」が強すぎると病的になる。アドラー的、劣等感との付き合い方
5)“運命を信じる”ことは、間違った心の支え。やる気になる、アドラーの言葉5選

3.前川公美子さんと田中有香さんがご来社

前川公美子さんから先週、こんなメッセンジャーでのご連絡をいただきました。

「ヒューマン・ギルドに寄らせてもらうことができたら!と思いまして、ご相談のメッセージです!
5日の午後か、7日の午後にお時間ありましたら、お顔を拝見できたら嬉しいなと思いました!」

私は、7日(昨日)の14:30を指定しました。
その時間に前川公美子さんは、田中有香さん(写真左)とご一緒にご来社。

楽しいおしゃべりができました。

ところで、前川さんの心憎い点は、私がNOを言えない”Which”(どちらか)を伴う質問。
この方、3年後には研修講師としてもブレークしていることを予言しました。

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今日も2つのことについてお伝えします。
ただし、 「サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?」は後半で、野田俊作先生との出会いの直前の話です。

1.東北生産性本部でアドラー心理学を伝えた日
2.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(5)

1.東北生産性本部でアドラー心理学を伝えた日

昨日は、東北生産性本部からお招きを受け、14:30~16:30に「組織が活性化する心理的安全性~アドラー心理学による実践的な方法とは」のタイトルの講演(実際は研修)を行ってきました。

1)76歳の私に今までに見えていたもの
2)組織が活性化する心理的安全性
3)アドラー心理学による実践的な方法とは

を3つの柱として、36人の受講者を2人一組にして討議・演習を交えながら展開しました。

私に自信を与えてくれたのは、ハンディーマイクを左手に握り、2時間を全うできたことです。

家に帰ってからは、妻から左手の恒例のマッサージの他にコリコリになっていた両肩をもんだもらい、お陰で快眠で今朝を迎えられました。

2.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(5)

1983年3月末をもって会社を辞め、妻と離婚し、ほぼ全財産を放棄して私が頼ったのは、【不登校】を支援する僧侶の経営する塾でした。
交通費だけが支給で、給料なし。
心のリハビリのための半年間のつもりで、その後は、企業に再就職するつもりでした。
何せ私は、社員の再就職支援のために各社を訪問していたので、人脈が豊富になり、親会社の1つを含めて「岩井さんが会社を辞めるなら是非我が社に」などと、13社からお声がけいただいていたことが頭にありました。

私は、株式会社 グループダイナミックス研究所 でSTEP親子関係セミナーやTOSセールスマンシップトレーニングを受講して、STEPは早速、不登校のお母さんたちを対象にその塾で開催していました。

ところが、誤算が2つありました。
1つは、岩手県で不登校・家庭内暴力で困っていたC君をマンションにっ引き取ることになったのです。
この体験は、YouTubeアドラー心理学で話しているので、ご参照ください。

YouTubeアドラー心理学専門チャンネル「【アドラー心理学】不登校・家庭内暴力の少年から学んだことー私をアドラー心理学に駆り立てたものは?」(10分)
  ↓
https://youtu.be/IhYWXn9FYhI

2つめは、『登校拒否・非行は直せる』の著者の野田俊作先生との出会いです。
アドラー心理学の肩入れしていた南 博先生(一橋大学名誉教授、心理学者)とも親しく、STEPの開発者のドン・ディンクメイヤーともつながりがあった柳平 彬所長のお力があってこそでした。

このことは、次回詳しくお伝えします。

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今日も【不登校】を含めた2つのことについてお伝えします。

1.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(4)
2.日本の学校がつまらなくなって【不登校】が増加

前回は、親会社の1つのGE社の日本からの撤退通告に伴い1983年2月1日から希望退職募集開始、私は応募第1号で退職願を出したことで終わりました。

私は、その前から社員の再就職支援のために人材紹介企業の常務を招いて説明会を開いたり、伝手を頼ってさまざまな企業に出向き社員の再就職の依頼をしていました。
言わば、人材の訪問販売をする、社員の再就職支援事業みたいなものでした。

そこで、自らを鼓舞するために役立っていたのが、「AIA(心のアドベンチャー)」研修で学んでいた「自己宣言(アファーメーション)」でした。

菩薩道を実践するための愛と知恵と勇気をお授かりしていることに感謝します!

最初の頃は、やや違っていて、幾多の変遷を経てこのかたちになっていますが、「菩薩道」は一貫しています。
この「自己宣言(アファーメーション)」は、めげそうになる環境の中で私自身を勇気づけてくれました。

そして、3月末をもって13年間勤務していた会社を退職。
同時に、妻とも離婚、半年間父子家庭状態だった子どもたちとも別れ、ほぼ全財産を放棄、完全な独り身になって、アドラー心理学に急接近するのです。

2.日本の学校がつまらなくなって【不登校】が増加

3日連続で不登校を話題にします。
不登校は、私がサラリーマンを辞めてから身近になったものだからです。

さて、11月1日の新聞で一斉に報じられた「不登校34万人」の中でとりわけ多くなっているのが小学生の不登校13万370人。



ここ数年では、小学校の低学年になればなるほど2年前より不登校の割合が増えています。

そのところに斬り込んだのが、2024.11.04 現代メディアの「なぜ日本の学校はつまらなくなったのか…ある日突然、娘が不登校になった親が明かす『人格無視の実態』」の小林 美希さん(ジャーナリスト)です。
    ↓
https://gendai.media/articles/-/140697

次の概要で語っています。

・今回発表された文科省の調査では、学校が把握している不登校になった理由のトップは「学校生活に対してやる気が出ない」(32.2%)

・「右へ倣え」の一斉指導が影響しているケースもあるのではないか。

・周囲の「中学受験熱」も影響している。

・結論としては、「学校がつまらない」「学校が嫌」。
そう言って不登校になるのは、子どもたちの精一杯の抵抗かもしれない。
不登校の増加から、規格化・画一化された教育現場の実態に目を向けることが求められるのではないだろうか。

うーん、親たちどうする?

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今日も2つのことについてお伝えします。

1.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(3)
2.PRESIDENT Onlineで「学校に行かなくなった子供を『ひきこもりの中高年』にする親、させない親」

1.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(3)

第三話では、当時私の所属していた外資系企業では、研修によって「組織風土には変化が見られ始めていたのですが・・・・・」で終わりました。

今回は、その続きです。
その会社は空調機をメインとする家電メーカーで、冷夏によって2年ほど業績が悪化して管理職の給与カットなど経費抑制策が図られました。
私は人事課長を解かれ、教育担当を引き受けながら総合企画室課長兼TQC(全社的品質管理)推進室課長に就任しました。
出張や宿泊を伴う研修にもしわ寄せがきたので、従来の通信教育はそのまま続け、工場、本社単位での「AIA(心のアドベンチャー)」研修に加えて、品質管理教育、全社的品質管理の展開にも従事していました。
少し暇になったので、「AIA(心のアドベンチャー)」の受講者の仲間の情報交換会にもちょくちょく顔を出しようにし、そこで出会ったのが、当時株式会社 グループダイナミックス研究所 に所属していた鶴田恵美子さんです。
鶴田さんは、アドラー心理学に基づく親子関係セミナーのSTEPにも関わっていらっしゃいました。

また、「AIA(心のアドベンチャー)」の元締めのパーソナルダイナミックス社の代表者のボブ・コンクリンの数冊の本を読み、『自信がわく ー 心の科学=エゴバイオニクス』(柳平 彬訳、産業能率大学出版部)は、本がボロボロになるくらい読みました。

この本の要旨をパワポにしていたのが、次の図です。

そうこうしているうちに会社に激震が走りました。
親会社のGE社が日本からの撤退を通告してました。
まさに会社存亡の危機。
1982年9月のことでした。
当時、GE社の会長だったジャック・ウェルチは、その事業分野で№1か2でなければ撤退する方針に従った決断でした。

■その断片を 2018年12月14日付けブログ リスクを引き受ける勇気(1):「去るも地獄、残るも地獄」に処するのに役立った研修遂行 に書いていますので、関心のある方はお読みください。

総合企画室で事業計画を立案する部署にいた私は、経理部の次長や工場の原価課長と連携を取りながらこの不測事態のシミュレーションを行いました。
親会社1つであるデンソーに事業の一部を移管をしてもらっても売上高は5割以下、さらに従業員を半分にしないと会社が存続できないことをトップに進言、その結果、会社は翌年2月1日からはリストラ策を断行しました。
私は、TQC推進担当を離れ、社員の再就職支援の担当を任じられながらも、希望退職の開始日に退職願いを誰よりも早く上司の常務に提出しました。

<第四話に続く>

2.PRESIDENT Onlineで「学校に行かなくなった子供を『ひきこもりの中高年』にする親、させない親」

【不登校】に関心のある方、必読です。

PRESIDENT Onlineに「小中の不登校は過去最多34万人…学校に行かなくなった子供を『ひきこもりの中高年』にする親、させない親 ― わが子を放置すれば「自分の老後」は必ず行き詰まる」として杉浦 孝宣氏(一般社団法人 不登校・引きこもり予防協会 代表理事)がこんな趣旨のことを書いています。
私は、9割方賛同しています。

《39年間の支援経験の中で、どんな年代の人も正しい手順を踏めば、社会復帰できることがわかってきた。それは『規則正しい生活を送る』『自律して自信をつける』『社会貢献をする』の3つのステップだ》
    ↓
https://president.jp/articles/-/87688?

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今日は、2つのことについてお伝えします。

1.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(2)
YouTubeアドラー心理学専門チャンネル で「【基本】アドラー心理学の基本的な考え方【認知論】」をご提供(12分半ほど)

1.サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話(2)

「サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話」の第二話です。
一昨日の第一話では、株式会社 グループダイナミックス研究所 の「AIA(心のアドベンチャー)」という研修でアドラー心理学との接点ができたことをお伝えしました。
さらには、そのプログラムの開発者の一人が"Teen Ager”などの著書があるヒュー・オールレッド(アドラー心理学者)であったことにも触れました。

今回は、「AIA(心のアドベンチャー)」の社内展開のことを書き、第三話の日本でアドラー心理学とのさらなる接近につなげます。
今回は、アドラー心理学そのものとはあまり関係がありませんが、どうしても書いておかなければならない責務を感じていますので、おつき合いください。

私は、「AIA(心のアドベンチャー)」で社内の風土改革に着手しました。
管理職から一般職にまでこの研修を、テキスト代参加者負担、交通費・宿泊費所属先負担としたため教育費予算を使うことなく展開できました。

社内の意識は、それまでの縮み志向がポジティブになってきつつありました。
何より本社、工場、支社・支店も巻き込んでの展開だったことが効果を発揮したのです。
そこで私が次に手を打ったのは、役員・部長クラスへの展開でした。
この研修に好感を抱いていた常務(営業担当)、製造部長、支社長がいたことも幸いでした。
ここでも私が総合企画室課長 兼 人事課長のポジションが活かせました。
私がずっと事務局として参加していた社長を含む役員・部長が揃う部長会で2泊3日のトップ・セミナーを提案したのです。
賛成派3割、反対派が2割、どっちつかずが5割で、討議の結果7:3くらいに割れました。
そこで私が「もし、この研修を受けて効果がなかったという人が何人もいたら、私が費用の全額を個人的に負担します」という趣旨の発言をしたら、賛成色がやや薄かった社長のひと言で風向きが変わってきました。
「岩井課長がそこまで言うなら開催しよう」
私の根拠なきハッタリ(この手は、今でも時々使っています)で場が動いたのです。

いざ決まったものの、私はもう少しメンバーを増やしたくなって、東京支社長に依頼して代理店の社長を6人ほど有償で参加してもらい、株式会社 グループダイナミックス研究所 の川崎の研修センターで実行の運びとなりました。

グループリーダーの発言時間は1分以内までなどの「AIA(心のアドベンチャー)」のスキルだけでなく、マインド面も大いに活かされ、社内の意識は一段とポジティブになっていきました。
さらには、親会社のゼネラル・エレクトリック社の日本法人であるGEジャパンの企画部長を招いて、当時もてはやされていた「戦略事業計画」の講演をお願いしたり、研修熱がさかんになり、組織風土には変化が見られ始めていたのですが・・・・・。

<第三話に続きます>

YouTubeアドラー心理学専門チャンネル「【基本】アドラー心理学の基本的な考え方【認知論】」をご提供(12分半ほど)

今夜配信のYouTube「アドラー心理学専門チャンネル/ヒューマン・ギルド」では「【基本】アドラー心理学の基本的な考え方【認知論】」をご提供(12分半ほど)。



ご視聴はこちらから
   ↓
https://www.youtube.com/@user-pq7cw7zh9h

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アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

今回は「サラリーマンだった私をアドラー心理学につなげたのは何か?:歴史的秘話」の第一話です。
日本のアドラー心理学の歴史を知るためには、保存版の記事になります。

喜寿(77歳)近くまで生きていると、昔のことが懐かしく ー 時に後悔を伴いながら ー 思い出されます。
ふと「私をアドラー心理学につなげたのは何か?」と自問すると、ある会社、ある研修、ある本との出合いが決定的な影響を与えてくれています。

1980年10月、私は当時の会社で総合企画室課長に加えて人事課長を拝命しました。
総合企画室には室長の取締役がいるし、人事課には総務部次長、その上には常務取締役がいます。
早い話が2人の上司に仕える身になり、「人事の革新に手を入れろ」と特命を受けたと解釈して着任しました。

総務部次長は、従来の人事・福利厚生・採用などを受け持つので、私は、長らくその会社でないがしろにされていた教育に目を向けました。
ところが、その頃は会社の業績が厳しくて、何と教育予算が対前年比2/3に削られました。
「これでどうやって教育を推進したらいいの?」と思案しているときに、その会社は、自己啓発支援制度として通信教育などの自己啓発を修了したときに費用の半分を負担する制度に目をつけ、コストが安くて済む教育として通信教育を全面的に導入。
さらに、教育予算の遂行が各部バラバラになっているのを人事課一括としました。

通信教育については、10社くらいと連携して社内用のパンフレットを無償で作成・配布。
何と全従業員のうち2割くらいの人が受講、一大通信教育ブームを巻き起こしました。
しかも、申し込み時は自己負担なので、会社は斡旋の労を取るだけなので、予算を使わなくて済むのです。
熱意がとても強く、忘れもしない「修了率」は38%にも達して、共催団体を驚かせたのです。

ところで、集合教育が難問です。
教育機関のいくつかと折衝すると、べらぼうな金額がかかります。
試しに人事課長の特権を活かしてご招待セミナーや説明会に頻繁に出かけているうちにいい研修会社とシステムに目が向いたのです。
株式会社 グループダイナミックス研究所 の「AIA(心のアドベンチャー)」という研修でした。
4日間の研修を受けると、今までの世界とまるで違う視野が開けてきたのです。
追加研修を受けてコーディネーターになると、テキストを一人分10,000円で仕入れることができることに魅力を感じました。
そして、いよいよ中間管理職を対象に一人10,000円のテキスト代を自己負担していただいて社内研修を展開していったのです。

ここから後日談です。
1980年代後半にユタ大学の教授で"Teen Ager”などの著書があるヒュー・オールレッド(アドラー心理学者)が自分の所属する合唱団と共に来日した際に、私は彼と東京のホテルのラウンジで会いました。
私が以前に「AIA(心のアドベンチャー)」という研修を受け、普及していた立場の人間であったことを語ると、彼は意外なことを発言しました。

「私は、ボブ・コンクリンのパーソナル・ダイナミックス研究所社から招かれ『AIA(心のアドベンチャー)』の開発者の一員を担っていたのですよ」

<2日後の記事に続く>

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