おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(6月28日)は、株式会社 日本医療企画 主催の 『毎日の仕事をポジティブに♪ 看護師と対人援助職を応援するセミナー』のお知らせを多くの方々ににフェイスブックでシェアいただきありがとうございました。
日程は、3カ月近く後ですが、早くも何人もの方々に参加の意思表示をいただき心強く感じております。
さて、先週島根県に滞在していたときに読んでいた 2019年6月17日(月)付けの 山陰中央新報 島根県松江市出身の 中村元博士 (1912―1999、日本の代表的な日本のインド哲学者、仏教学者)に関する「中村元博士の生涯と思想」(笠原愛古)という記事が載っていて、そこからたどって次の記事を探り出しました。
中村元博士の仏教の本やCDでは、私も散々お世話になっております。
記事は、次のようでした。
中村元・人と思想(33) 「広説佛教語大辞典」
中村元(はじめ)博士が記した文章の一節である。
当時、30代半ばであった博士の、気概と情熱と自信がうかがえる。
これを出発点に博士は、現代語で平明に表現した「仏教語辞典」を作るべく歩みを開始する。
その後、20年をかけ、独力でほぼ完成に近い所まで原稿を書き上げた際に、この約3万語の原稿を、ある出版社が紛失するという事件が起こる。
しかし、博士は失意の底から原稿執筆を再開。
その後の8年間、東大以外の講義や会合への出席は極力断り、寸暇を惜しんで執筆に当たったという。多くの人々の協力で、1975年、普通名詞の仏教語約4万5000語を収録した全3巻の「佛教語大辞典」が刊行された。
この辞典は、難解とされていた仏教語を平明な現代の日本語で解説、仏教典籍のみならず、中国や日本の古典からも広く語を採集して出典を示し、インドの原語も明示した。
これら従来にない新しさと学問的な正確さが高く評価され、毎日出版文化特別賞を受賞している。
おそらく多くの著者たちなら怒りくるい、賠償請求をし、その後の執筆のモチベーションは、原稿と同じように消失することでしょう。
しかし、中村博士は、この事件を契機に8年をかけてより完成度の高い原稿をもとに歴史に残る辞典を完成させたのです。
なお、このエピソードは、『アドラー心理学による カウンセリング・マインドの育て方』(コスモス・ライブラリー、1,600円+税)にカーライルの話と共に書いているので、覚えている方が多いことでしょう。
他者の過失による失意の時に相手を責め続けるか、自分にできることに勢力を注ぐか、分かれ道になりますね。
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