新年明けましておめでとうございます。
アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒュ.ーマン・ギルド の岩井俊憲です。
12月30日に74歳を迎えた私の誕生日につきましては、フェイスブックのコメント欄、メッセンジャー、メールで多くの方々からご祝意を賜り心からお礼申し上げます。
ヒューマン・ギルドは今年の4月で設立37年を迎え、私の74年の生涯のうちのちょうど半分になります。
さて、年頭にあたりヒューマン・ギルドの1月号のニュースレターの巻頭言に「ムーブメントとしてのアドラー心理学のモデルについて」として書いた文章を掲載させていただきます。
新しい年になりました。本年も何とぞよろしくお願いいたします。
昨年は「暗中模索」の状態からいろいろ試すことができた1年でした。
主軸の講座であるアドラー心理学ベーシック・コースと「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」のオンライン講座を開設しました。
「カウンセリング道場」も4コース開設し、それなりの効果を確認できました。
私個人もclubhouseにご招待をいただき多くの方々と接する機会を得、また、Facebook Liveにも出演させていただきました。
地味でありながらももう1つの企画を立ち上げました。
「アドラー式ダイエット」のグループです。
15人の仲間がA、B2つのグループに分かれて半年間ダイエットに取り組み、途中、NHKの「ためしてガッテン」の初代プロデューサーの北折 一さんと私とのコラボ企画も展開して、それなりの成果が確認できました。もし一人ひとりの取り組みだとしたらこのような成果を上げられなかったと思われます。
2つのグループが自グループ内で、時にグループ横断的なミーティングを開き、アドラー心理学の「勇気づけ」と「共同体感覚」を両輪に、「こうあらねばならない」に縛られず、時に「不完全である勇気」を発揮して、競争し合うことがないダイエットを試みたのです。
このことを通じて自信を得た人たちは、ダイエットだけでなくさまざまなことに応用可能であることに気づき始めています。
このプロジェクトは1つの「ムーブメントとしてのアドラー心理学」のモデルになるとも捉えられます。
1人、2人だとくじけやすいけれど、5~6人になるとグループの力学が強固になり、周囲を巻き込むことにつながっていきます。
このモデルはいろいろなところに応用が可能です。
卑近な例ではアドラー心理学の何かの本の読書会から、さらには欲張ると、組織変革の推進にも貢献します。
ここで、後者の組織変革の推進のある種の理論的支柱をご紹介します。
ある社会心理学の実験です。
16匹の猿をそれぞれが見える檻に入れ、1匹にバナナを与えました。
すると、他の15匹は無関心でした。
次に別の猿集団から9匹を抽出し、9の檻に入れました。
そのうちの1匹にバナナを与えたときに他の8匹の反応はどうだったと思いますか?
大騒ぎをしたのです。
ここで言えることは6%くらいの影響力には反応がないのですが、10%の壁を超えると影響力を持ち始め「手がかり」になります。
さらに25%くらいになると、無視できない存在になり、40%を超えると一気に全体に影響を与えます。
私は20年ほど前に神奈川県の某中学校で実践したことがあります。
荒れた学校のケースです。
教頭主導でアドラー心理学の勉強会を教師5・6人でスタートさせ、10数人になったところから大きく変わり始め、5年後にはモデル校になりました。
この間私は、半分ボランティアで合宿勉強会に参加したこともあります。
学校再生に賭ける教頭先生のパッションがミッションとビジョンを生み出し、教師や保護者の連携のもとに生徒に影響を与え、成果を上げたのです。
同じことが学校だけでなく企業をはじめとするさまざまな法人、さらには地域にも影響を及ぼします。
私はアドラー心理学を知識としてだけ普及するのに留まらず、組織的な展開に発展することを夢見ています。
一人だけだと孤立しがちですが、二人になると支え合うことができ、5・6人になると確信が生まれ、それを継続すると確信が信念・ミッションへと発展します。
ヒューマン・ギルドは、ムーブメントをサポートできる人たちと共に歩む年とします。
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