○写真美術館 『プラシド・ドミンゴ in films オペラ映画フェスティバル2010』(2010年12月4日~12月26日)
■カルメン(フランチェスコ・ロージ監督、1983年)
26日(日)に鑑賞。前日、3作品を見たというのに、頑張ってまた行ってしまった。この作品は1983年製作(1984年説あり)。日本公開は1987年らしい(Wiki)。当時、まだ20代だった私には、この映画の男女の生々しさは、よく分からなかったな。今見ると、生唾飲み込むようなスゴさがある。
カルメン役のミネゲス=ジョンソンは、奔放なようで、意外と「弱い女」のカルメンを演じている感じがする。すがるドン・ホセを振り払うクライマックス・シーンで、ときどき垣間見せる、眉をひそめるような表情が、単に腕を掴まれ、引きずられるという物理的な暴力への抗いだけでなく、まだ心の底にドン・ホセへの愛情が残っているように感じさせるのだ。歌い方が弱い(よく言えば、陰影に富んで、女らしい)所為もあるだろうか。もっときっぱりとドン・ホセを振るカルメンもいるよな、と思って見ていた。
エスカミーリョ役のライモンディは、2008年に、同じジョセフ・ロージー監督の映画『ドン・ジョバンニ』を見て、いたく気に入ったバリトン歌手だが、エスカミーリョとしては、ちょっと老けすぎている感じがした。もうちょっと若くて肉食系の歌手のほうがハマるように思う。闘牛場の場面も熱演(さすがに牛に正対するシーンは吹き替えだが)。あと、些細なことだが、ライモンディ、ドミンゴが、普通に馬に乗るシーンがあって感心してしまった。今の日本の若い俳優って、時代劇を撮ろうにも、満足に馬に乗れない…という話を聞いていたので。
どの場面も華やかで、ドラマティックで、どことなくエキゾチシズムの視線も感じられて、面白いオペラだ。アリア、合唱、管弦楽曲など、多彩な聴きどころがあって飽きない。154分は長いと思っていたが、全く問題なかった。また来年の企画が楽しみである。
■カルメン(フランチェスコ・ロージ監督、1983年)
26日(日)に鑑賞。前日、3作品を見たというのに、頑張ってまた行ってしまった。この作品は1983年製作(1984年説あり)。日本公開は1987年らしい(Wiki)。当時、まだ20代だった私には、この映画の男女の生々しさは、よく分からなかったな。今見ると、生唾飲み込むようなスゴさがある。
カルメン役のミネゲス=ジョンソンは、奔放なようで、意外と「弱い女」のカルメンを演じている感じがする。すがるドン・ホセを振り払うクライマックス・シーンで、ときどき垣間見せる、眉をひそめるような表情が、単に腕を掴まれ、引きずられるという物理的な暴力への抗いだけでなく、まだ心の底にドン・ホセへの愛情が残っているように感じさせるのだ。歌い方が弱い(よく言えば、陰影に富んで、女らしい)所為もあるだろうか。もっときっぱりとドン・ホセを振るカルメンもいるよな、と思って見ていた。
エスカミーリョ役のライモンディは、2008年に、同じジョセフ・ロージー監督の映画『ドン・ジョバンニ』を見て、いたく気に入ったバリトン歌手だが、エスカミーリョとしては、ちょっと老けすぎている感じがした。もうちょっと若くて肉食系の歌手のほうがハマるように思う。闘牛場の場面も熱演(さすがに牛に正対するシーンは吹き替えだが)。あと、些細なことだが、ライモンディ、ドミンゴが、普通に馬に乗るシーンがあって感心してしまった。今の日本の若い俳優って、時代劇を撮ろうにも、満足に馬に乗れない…という話を聞いていたので。
どの場面も華やかで、ドラマティックで、どことなくエキゾチシズムの視線も感じられて、面白いオペラだ。アリア、合唱、管弦楽曲など、多彩な聴きどころがあって飽きない。154分は長いと思っていたが、全く問題なかった。また来年の企画が楽しみである。