見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

まだ終わらない物語/中華ドラマ『将夜2』

2020-12-06 20:21:49 | 見たもの(Webサイト・TV)

〇『将夜2』全43集(騰訊視頻、2020)

 2018年に制作・放映されたファンタジー古装劇『将夜』の第2季。第1季を今年の夏に見て、面白いところもあるけど、なんだか煮え切らない終わり方だったので、続きを見てみた。主人公の青年・寧缺は、幼い頃に両親を失い、拾い子の桑桑とともに育つ。唐国王や公主・李漁の知遇を得、書院に入学して戦闘能力を磨き、ついに両親の敵である夏侯を倒すまでが第1季。

 第2季。第1季では寧缺が、この世に永遠の夜をもたらす「冥王之子」ではないかと疑われていたが、実は桑桑こそ「冥王之女(むすめ)」であったことが明らかになる。冥王とは天(昊天光明)と一体であり、人間の文明が隆盛を誇ると、天は人間の勢いを削ぐために不毛の長夜を下すことを喝破した書院の主・夫子は、桑桑と戦って相討ちとなり、姿を消す。残された弟子たちは夜空の月を見て夫子を懐かしむ。(このへんの妙に哲学的な設定が、子供向けの戦隊ドラマみたいな安っぽい画面で語られる違和感が、面白いといえば面白い)

 夫子とともに姿を消した桑桑は、天界でもうひとりの自分「天女」と出会う。西陵国で天女と出会った寧缺は、彼女こそ桑桑と信じて一緒に帰ろうと口説くが、天女は冷たく拒絶するばかり。最終回の中盤までこの調子で、これどう結末をつけるんだろう?と思っていたら、突然、天女が桑桑の記憶を思い出して、寧缺に従うことであわただしいハッピーエンド。真面目に見ているとガッカリするドラマなので、万事鷹揚な気持ちで受け入れるのがよい。

 しかし唐国王の死後の政変は生臭くて面白かった。公主・李漁は実弟を皇位につけるも、暗愚な新王は西陵国の侵攻になすすべもなく、前王后と幼い太子を連れて帰還した寧缺の剣によって葬り去られる。皇太子の即位を見届けて自害する前王后。公主は恩讐を捨てて幼い弟王を補佐することを決意する。

 あと第1季では何のためにいるのか分からなかった書院の兄弟子・姉弟子たちが、西陵国と戦う姿が見られたのもよかった。三師姐は、皇后と同じ魔宗の出身だったことが判明する。敵にも味方にも、強大な超能力を備えた達人が次々に登場する(少年マンガみたい)のだが、中でも最強だったのが知守観主の陳某。『琅琊榜之風起長林』の墨淄侯を演じた成泰燊さんが演じていて、たたずまいに説得力がある。

 第1季と第2季では、主人公・寧缺役が陳飛宇から王鶴棣に交替。そんなのありかと思ったが、意外と違和感がなかった。中国ドラマでは、こういう続編のつくりかたはよくあるのだろうか。唐国王家の人々は第1季のほうがよかったなあ。特に善悪を定めがたい複雑な役柄の公主は、第1季の童瑶で見たかった。西陵国の人々、葉紅魚は雰囲気が変わり過ぎてとまどったが、第2季の女優さんはキリッとした大人っぽい雰囲気でだんだん好きになった。劉珂君さん、覚えておきたい。第1季ではずっと仮面を被っていた掌教大人は、第2季では余皑磊が演じており、にじみでる小者らしさが大変よかった。

 しかし全然まとまりのつかない終わり方だったが、原作はどうなっているのだろう? ドラマは第3季もつくるのだろうか。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 模刻・復元と遊び/籔内佐斗... | トップ | 指定文化財全公開/根津美術... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゆり)
2022-06-15 16:15:41
将夜を見て、続けて2を観ました。

続けてみたからか、主役交代が受け入れられず・・・
あの1のふてぶてしいながらも時々少年ぽい寧缺が良かったのに、2の寧缺はなんかただ騒がしいチャラ男のようで・・・ううう

できれば3は陳飛宇に戻してほしい・・・
演技力はまだまだだけど、寧缺には彼の方が合ってる気がします。
返信する
Unknown (jchz)
2021-10-14 11:41:48
コメントありがとうございます。
そうなんですよ!主役が変わるなんてありなのか、と私も驚きました。
でも見てるとだんだん慣れてくるし、第2季も面白いので、機会があったらぜひ見てください。
返信する
Unknown (ちー)
2021-10-13 17:02:19
将夜を見ました。結構面白かったし感動もしました。で、将夜2を検索したらごそっと配役が変わっててびっくり&ショック主役の演技が…とかありましたが私は十分楽しかったので残念でした
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

見たもの(Webサイト・TV)」カテゴリの最新記事