さて、常願寺川に話を戻して。最初に本宮堰堤を紹介したが、川と言えばまず一番の土木構造物として思い起こされるのが「橋」であろう。ここにも特筆すべき橋・橋梁がありました。下流から順に紹介する。
橋梁そのものの色があまりにシックなために見にくい上の写真は、千垣橋梁。電車が入っていればすぐにわかるのだが、コロナの影響で鉄道マニアもいささか錆びついているこの頃、電車を待ちきれず急いで撮ったもので勘弁いただきたい。
富山地方鉄道立山線の橋で、先に紹介した本宮堰堤を撮影する際、芳見橋から下流に見ることができる。以前は常願寺川の電源開発のために県営で計画されたルートにあり、いまは立山黒部アルペンルートの観光を支える橋。昭和12年(1937年)に完成の85歳。
全長117メートルの美しい鋼スパンドレルブレーストアーチ橋で、同構造では建造当時、国内最大級のスパンを誇っていた。その功績と美しい風景に溶け込む姿で、平成25年(2013年)に土木学会選奨土木遺産に認定。
こちらは近代的なコンクリートのアーチ橋で「立山大橋」。2000年に開催された冬季富山国体の会場である立山山麓スキー場へのアクセス路線として建設されたもので、アーチ部分の両側橋端部分の連続PC中空床版橋を含めて全長401メートル。高さ50メートル。
完成当時、県道の橋としては長さで国内第一位。アーチ支間でも国内第5位にランクインされていた。先の本宮堰堤を紹介したときに、堰堤の向こうに見えた橋で、千寿ケ原や立山方向を見た時の存在感は圧巻。
アーチを支える基礎部には、大口径斜め深礎基礎を採用、国内では初めてNATM(新オーストリアトンネル工法)となったほか、メラン架設の後、メラン直吊り一括架設工法など、最新技術が駆使されての建設だった(三井住友建設の資料から)。
三つの橋はアルペンルートのベースキャンプでもある千寿ケ原の裏手(といっても、常願寺川の本流)にひっそりとたたずむ「千寿橋」。鋼ブレーストリブ・タイドアーチという構造で(タイ材に見えるのは下床の水路の縦桁であって、タイドアーチではないという説もあるが、私にはよく分からない。独立行政法人土木研究所の資料から)、これまた趣のある色形で、景色になじんでいる。
下床に導水管、上床には当初専用軌道が設けられ(現在は管理占用道路)、ダブルデッキ方式になっている。支流の称名川から下流の小見発電所への導水管布設のため富山県電気局が建設した。昭和7年(1932年)完成。現在は北陸電力が管理している。
こちらも水路用の鋼だタイドアーチとしては国内最大のスパンだというが、水路用の鋼アーチ橋そのものが少ないという土木学会の解説があるものの、それだからこそ価値が高いような気もするのだがいかがだろうか?(常願寺川の治水・砂防と電源開発関連遺産の一つとして、経済産業省の「近代化産業遺産」に登録。)
最近、ダムばっかり追いかけていた感があったので、橋の構造等を書き込んだりすると新鮮な気分になる。やっぱり土木構造物には物語や建設に携わった人の情熱を感じてしまう。
橋梁そのものの色があまりにシックなために見にくい上の写真は、千垣橋梁。電車が入っていればすぐにわかるのだが、コロナの影響で鉄道マニアもいささか錆びついているこの頃、電車を待ちきれず急いで撮ったもので勘弁いただきたい。
富山地方鉄道立山線の橋で、先に紹介した本宮堰堤を撮影する際、芳見橋から下流に見ることができる。以前は常願寺川の電源開発のために県営で計画されたルートにあり、いまは立山黒部アルペンルートの観光を支える橋。昭和12年(1937年)に完成の85歳。
全長117メートルの美しい鋼スパンドレルブレーストアーチ橋で、同構造では建造当時、国内最大級のスパンを誇っていた。その功績と美しい風景に溶け込む姿で、平成25年(2013年)に土木学会選奨土木遺産に認定。
こちらは近代的なコンクリートのアーチ橋で「立山大橋」。2000年に開催された冬季富山国体の会場である立山山麓スキー場へのアクセス路線として建設されたもので、アーチ部分の両側橋端部分の連続PC中空床版橋を含めて全長401メートル。高さ50メートル。
完成当時、県道の橋としては長さで国内第一位。アーチ支間でも国内第5位にランクインされていた。先の本宮堰堤を紹介したときに、堰堤の向こうに見えた橋で、千寿ケ原や立山方向を見た時の存在感は圧巻。
アーチを支える基礎部には、大口径斜め深礎基礎を採用、国内では初めてNATM(新オーストリアトンネル工法)となったほか、メラン架設の後、メラン直吊り一括架設工法など、最新技術が駆使されての建設だった(三井住友建設の資料から)。
三つの橋はアルペンルートのベースキャンプでもある千寿ケ原の裏手(といっても、常願寺川の本流)にひっそりとたたずむ「千寿橋」。鋼ブレーストリブ・タイドアーチという構造で(タイ材に見えるのは下床の水路の縦桁であって、タイドアーチではないという説もあるが、私にはよく分からない。独立行政法人土木研究所の資料から)、これまた趣のある色形で、景色になじんでいる。
下床に導水管、上床には当初専用軌道が設けられ(現在は管理占用道路)、ダブルデッキ方式になっている。支流の称名川から下流の小見発電所への導水管布設のため富山県電気局が建設した。昭和7年(1932年)完成。現在は北陸電力が管理している。
こちらも水路用の鋼だタイドアーチとしては国内最大のスパンだというが、水路用の鋼アーチ橋そのものが少ないという土木学会の解説があるものの、それだからこそ価値が高いような気もするのだがいかがだろうか?(常願寺川の治水・砂防と電源開発関連遺産の一つとして、経済産業省の「近代化産業遺産」に登録。)
最近、ダムばっかり追いかけていた感があったので、橋の構造等を書き込んだりすると新鮮な気分になる。やっぱり土木構造物には物語や建設に携わった人の情熱を感じてしまう。
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