新型車両の投入やスピードアップが脚光を浴びる今回のJRグループのダイヤ改正。ダイヤ改正の当日の16日は仙台に滞在し、地元ローカルニュースを見る機会があった。
宮城県内で、震災の影響を受けて不通となっていた石巻線(渡波~浦宿)、常磐線(浜吉田~亘理)が、ダイヤ改正とともに復旧したというもの。地元住民の貴重な足として復活し、復興機運を盛り上げたという。
ただ両路線とも、完全復旧の見込みは立っていない。石巻線の終点・女川駅は津波で崩壊。浦宿とのわずか区間の復旧と駅舎建設の見込みはまだまだ。線路の付替え構想もある常磐線も同じだが、広野~原ノ町については原発事故の影響で、被害状況さえ把握できないというから、なお深刻だ。
華々しいダイヤ改正のプレス発表の裏側で、地道な作業が行われ、まだ憂うべく課題をいくつも抱える被災地の鉄道事情。採算性の高い幹線は、スピードアップで数分の到達時間短縮がある一方、被災地の不採算路線では時計が止まったまま、この先いつ動くか分からないというところがある。
JRに、かつての国鉄の心意気はなくなったのか?
(写真上:常磐線・浜吉田駅。これより上り方向(相馬・原ノ町)への鉄路は途切れたまま。写真下:この日一部復旧した石巻線の列車(前谷地駅で))
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