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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

栞と紙魚子何かが街にやって来る

2012-05-16 20:27:25 | 諸星大二郎
諸星大二郎 平成16年 朝日ソノラマ・眠れぬ夜の奇妙な話コミックス
「栞と紙魚子」シリーズの第5弾。(第4弾の「夜の魚」は、だいぶ前に採り上げた。)
「烏賊井さんの逡巡」
ゲロゲロノベルスの編集者・烏賊井(いかい)さんが体験する、「胃の頭七不思議」の話。
胃の頭町に生息するコミカルなもののけたちが活躍する。
「犬魔の秘宝」
冬の間は豪雪に閉ざされる、化け犬伝説を伝える秘境犬魔ヶ岳で、「ねこや」の主人であるボリス(栞の飼い猫だが、ときどき人の姿になる)たちが、徳川の埋蔵金を探す話。
「ゼノ奥さんのお茶」
胃の頭町の散歩道の先にある不思議な屋敷にいる不思議な「ゼノ奥さん」が、迷い込んだお客さんに「悩み忘れのお茶」をふるまう。
それを飲むと、みんな忘れ物をしてったりする。なかには魂を忘れてっちゃうひともいるとか。
「井戸の中歌詠む魚」
栞と紙魚子の同級生の一家が借りて住むことになった、古い家の中に短歌らしき落書きがみつかる。
どうやら昔住んでいた歌人の書いたものらしいが、敷地の片隅にある古井戸の奥に何かがひそんでいそうである。
「魔術」
美術部員の先輩が描いたという、変な建物と魔物の絵。
描いた本人も、べつの美術部員の女子も、ずたずたに引き裂かれた無残な死体で路上で発見された。
警察では野犬の仕業と断定したけれど、どうやら問題の絵は魔術の道具らしい。
なので、ある日美術部の三人が絵の前で呪文を唱えてみたところ、その場では何も起こらなかったが、帰り道に恐ろしいものが現れる。
(この単行本のなかでは、いちばん好きだな、この話。)
「何かが街にやって来る」
雑誌連載では三回にわたったらしい中編。
何かの怪異が胃の頭町にやってくる。
もののけたちが戦うんだけど、力が違いすぎて歯が立たない。
でも、段先生の奥さんとか、キトラさんとか、鴻鳥友子さんとか、人間離れした人材には事欠かないんで、はげしいバトルが繰り広げられる。
頼りないもののけの一種である「結界」が登場するんだけど、いいキャラだ。
コメント
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