ロバート・B・パーカー/菊池光=訳 2005年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
古本を探してはつづきを読もうとしているスペンサーシリーズ。
本作は第25作目、原題は「SUDDEN MISCHIEF」、害といってもイタズラの部類?いやいややっぱりそんなかわいいものぢゃない。
シリーズがすすむにつれて、過去の登場人物がなにかっていうと再登場してきて、オールスターキャストの様相を呈してきてるパターンが多いんだが。
二十年くらい前は、そういう世界が飽きたというかヤんなっちゃって、読むのやめたようなとこがある。だって少年ジャンプぢゃないんだからさあ、という感じ、いまもする。
さて、今回はなんとスーザンの元夫が登場する。そこまできたか、ネタが尽きたのかと言いたくなるような気もちょっとする。こうなったら、たとえ次作でホークの幼少期が語られても驚かないぞってか。
事件の方は、スーザンが二十年ぶりくらいにあった彼から、経済的には破産寸前なところ、セクハラで訴えられてる窮状について助力を求められたところから、スペンサーに救いをもとめるとこから始まる。
スペンサーは、彼女の昔の男のために働くなんてやだなんてことは言わない、いま現在の彼女が望むなら、そのことを喜んで引き受ける。
ただ、最初っから、「この一件は、あらゆる面で、自分にとってうまくいきそうもない徴候が現れている」なんて感じを受ける。そのことは、物語中で何度も繰り返される、あらゆる面でうまくいきそうもない徴候が現れているぞと。
で、スペンサーが、その元夫に会ってみると、自分は破産なんかしやしないし、セクハラも訴訟にはならない、弁護士も探偵も必要ない、と言われる。なんかうさんくさい。
一方、セクハラだと言ってる側の女性のひとりの夫は、とても優れた訴訟弁護士だというんだが、スペンサーはあたりまえだけど、そういうのにはビビんない。
でも、例によって、あちこちをスペンサーがつっつきまくってると、こわもてを気取る連中が脅しをかけにきたりする。
それにもビビんないけど、いちどスーザンと一緒のところを襲ってきたときは、ルール違反だと言ってスペンサーは激怒する。
そうこうしてるうちに、これまた例によって、死体がころがってるのを見つけてしまう破目になるスペンサーとホークなんだが。
事件は単なる訴訟の話ぢゃなくて、べつのキーポイントがなにかあるように思えてくる。
けど、そんなことはどうでもよくて、この物語では、いかにスーザンが自分の過去のことを語るか、あるいは、自分がパートナーに求めているのは何なのかを考えて整理するかみたいなことが、テーマになってくる。
なんせ、スペンサーに守られていながら、強い男の守りを必要とする人間ではいたくない、みたいなことをこれまでも表明してきたシルヴァマン博士のこと、ややこしく悩む、むずかしいねえ精神科医は。
元夫とのことも含めて、自分の過去のほかの男たちのことを、スペンサーに話さないほうがいいだろう、スペンサーはそれを望まないだろうみたいに考える彼女に対して、スペンサーのほうは、
>おれは、きみがおれに話したいことを知りたい
とか
>おれはきみの人生のあらゆることに関心があるのだ。おれが話し合いたくないことはいっさいない
とか、オットナーなんである。
古本を探してはつづきを読もうとしているスペンサーシリーズ。
本作は第25作目、原題は「SUDDEN MISCHIEF」、害といってもイタズラの部類?いやいややっぱりそんなかわいいものぢゃない。
シリーズがすすむにつれて、過去の登場人物がなにかっていうと再登場してきて、オールスターキャストの様相を呈してきてるパターンが多いんだが。
二十年くらい前は、そういう世界が飽きたというかヤんなっちゃって、読むのやめたようなとこがある。だって少年ジャンプぢゃないんだからさあ、という感じ、いまもする。
さて、今回はなんとスーザンの元夫が登場する。そこまできたか、ネタが尽きたのかと言いたくなるような気もちょっとする。こうなったら、たとえ次作でホークの幼少期が語られても驚かないぞってか。
事件の方は、スーザンが二十年ぶりくらいにあった彼から、経済的には破産寸前なところ、セクハラで訴えられてる窮状について助力を求められたところから、スペンサーに救いをもとめるとこから始まる。
スペンサーは、彼女の昔の男のために働くなんてやだなんてことは言わない、いま現在の彼女が望むなら、そのことを喜んで引き受ける。
ただ、最初っから、「この一件は、あらゆる面で、自分にとってうまくいきそうもない徴候が現れている」なんて感じを受ける。そのことは、物語中で何度も繰り返される、あらゆる面でうまくいきそうもない徴候が現れているぞと。
で、スペンサーが、その元夫に会ってみると、自分は破産なんかしやしないし、セクハラも訴訟にはならない、弁護士も探偵も必要ない、と言われる。なんかうさんくさい。
一方、セクハラだと言ってる側の女性のひとりの夫は、とても優れた訴訟弁護士だというんだが、スペンサーはあたりまえだけど、そういうのにはビビんない。
でも、例によって、あちこちをスペンサーがつっつきまくってると、こわもてを気取る連中が脅しをかけにきたりする。
それにもビビんないけど、いちどスーザンと一緒のところを襲ってきたときは、ルール違反だと言ってスペンサーは激怒する。
そうこうしてるうちに、これまた例によって、死体がころがってるのを見つけてしまう破目になるスペンサーとホークなんだが。
事件は単なる訴訟の話ぢゃなくて、べつのキーポイントがなにかあるように思えてくる。
けど、そんなことはどうでもよくて、この物語では、いかにスーザンが自分の過去のことを語るか、あるいは、自分がパートナーに求めているのは何なのかを考えて整理するかみたいなことが、テーマになってくる。
なんせ、スペンサーに守られていながら、強い男の守りを必要とする人間ではいたくない、みたいなことをこれまでも表明してきたシルヴァマン博士のこと、ややこしく悩む、むずかしいねえ精神科医は。
元夫とのことも含めて、自分の過去のほかの男たちのことを、スペンサーに話さないほうがいいだろう、スペンサーはそれを望まないだろうみたいに考える彼女に対して、スペンサーのほうは、
>おれは、きみがおれに話したいことを知りたい
とか
>おれはきみの人生のあらゆることに関心があるのだ。おれが話し合いたくないことはいっさいない
とか、オットナーなんである。