文藝別冊 2016年6月 河出書房新社
「漫画家生活50周年記念号」ということで。
こういうの出てるというのは、うっすらと知ってたような気がすんだが。
書店で積まれてんのの表紙見て、寄稿者の名前に、諸星大二郎とか江口寿史とかあるんで、買った。
ごく最近になって『半田溶助女狩り』を読んだんで、いまになって興味がないこともないし。
山上たつひこって、私にしてみればイコール「がきデカ」なんだけど、それはリアルタイムで週刊誌で読んだことはある。
ただ私の定期購読はジャンプだったので、チャンピオンは友だちの持ってんのとか、どっか(たとえば医者の待合)に置いてあるのとかを、たまたま読むだけっていう機会に接しただけの付き合い。
全容は知らないんで、単行本を集めてみたい気もするが、そろえて堪能するだけの自信まではないので、踏み切れずにいる。
それでも、本書の冒頭のカラーページに、連載当時の少年チャンピオンの表紙がいくつかあるけど、「12大まんが満開号!」なんて言って、
「花のよたろう」「ブラック・ジャック」「セイガク嵐」「750ライダー」「マーズ」「ふたりと5人」「がきデカ」「ドカベン」「手っちゃん」「カリュウド」「エコエコアザラク」「しまっていこうぜ!」
と並んでるのを見ると、あーあーあったあった、という感慨はある。定価150円。
さて、本書のなかみについては、いろいろあるけど、いちばんおもしろかったのは「3万字ロングインタビュー」。(タイトルは、「日本のギャグマンガは帝王・山上たつひこを抜きには語れない」だ。)
けっこう、いろんなことに対して、山上氏がズバズバと答えてるのが、どういう思想の持ち主か知らなかった私には刺激的。
たとえば、お気に入りのテレビ番組をきかれて、海外で制作されたドラマをあげ、
>ああいうのを観るたびに日本のミステリドラマの幼稚さに涙が出ます。そして、観終わったあと必ず思うのです。太平洋戦争に負けたのも無理はないなと。戦争の勝敗を決めるのは物量ではない。想像力と演出力と演技力です。
なんて言うとこ、なんか凄いもの感じる。
(首相がゲームキャラに扮する想像力で、戦争に勝てるかな? 私には判断つかん。)
あと、政治的社会的なテーマとマンガ描くことのかかわりについて訊かれたとこで、
>情報が魔法のような手段で世界の共有物になり、いまや、地球が巨大な床屋政談の場と化した感があります。どいつもこいつも世界だの社会だの紛争だのとべらべらとよく喋る。私はそういうものに与しません。私は自分のことだけを考えていればいいと思っております。自分に心地のよいことだけを考えたり、書いていればそれが世間と生活者の皆様によい作用をもたらすだろう。本気でそう考えています。(略)
って言ってるのも、カッコいい。
あるときからマンガ描くのヤメて、小説を書くようになったらしいんだけど、ちょっと読んでみたくなった。
(なんか見かけたことあんだよねー、山上氏の小説で、江口の画が表紙になってるやつ、手に入れたくなってきた。)
※8月26日付記
『「がきデカ」一発ギャグ図鑑』って特集がなかなかよくて。
「死刑!!」とか「八丈島のきょんっ」とかメジャーなやつぢゃなくて、「どうぶつ時計」の「ぶた時くま分とら秒!!」ってのが、あった、あった!ってツボにきた。
あと、「練馬変態クラブ」ってのがあるんだけど、江口のひばりくんの「男のお化粧普及会武蔵野支部」って、これが原型かあ!って気づかされた。
「漫画家生活50周年記念号」ということで。
こういうの出てるというのは、うっすらと知ってたような気がすんだが。
書店で積まれてんのの表紙見て、寄稿者の名前に、諸星大二郎とか江口寿史とかあるんで、買った。
ごく最近になって『半田溶助女狩り』を読んだんで、いまになって興味がないこともないし。
山上たつひこって、私にしてみればイコール「がきデカ」なんだけど、それはリアルタイムで週刊誌で読んだことはある。
ただ私の定期購読はジャンプだったので、チャンピオンは友だちの持ってんのとか、どっか(たとえば医者の待合)に置いてあるのとかを、たまたま読むだけっていう機会に接しただけの付き合い。
全容は知らないんで、単行本を集めてみたい気もするが、そろえて堪能するだけの自信まではないので、踏み切れずにいる。
それでも、本書の冒頭のカラーページに、連載当時の少年チャンピオンの表紙がいくつかあるけど、「12大まんが満開号!」なんて言って、
「花のよたろう」「ブラック・ジャック」「セイガク嵐」「750ライダー」「マーズ」「ふたりと5人」「がきデカ」「ドカベン」「手っちゃん」「カリュウド」「エコエコアザラク」「しまっていこうぜ!」
と並んでるのを見ると、あーあーあったあった、という感慨はある。定価150円。
さて、本書のなかみについては、いろいろあるけど、いちばんおもしろかったのは「3万字ロングインタビュー」。(タイトルは、「日本のギャグマンガは帝王・山上たつひこを抜きには語れない」だ。)
けっこう、いろんなことに対して、山上氏がズバズバと答えてるのが、どういう思想の持ち主か知らなかった私には刺激的。
たとえば、お気に入りのテレビ番組をきかれて、海外で制作されたドラマをあげ、
>ああいうのを観るたびに日本のミステリドラマの幼稚さに涙が出ます。そして、観終わったあと必ず思うのです。太平洋戦争に負けたのも無理はないなと。戦争の勝敗を決めるのは物量ではない。想像力と演出力と演技力です。
なんて言うとこ、なんか凄いもの感じる。
(首相がゲームキャラに扮する想像力で、戦争に勝てるかな? 私には判断つかん。)
あと、政治的社会的なテーマとマンガ描くことのかかわりについて訊かれたとこで、
>情報が魔法のような手段で世界の共有物になり、いまや、地球が巨大な床屋政談の場と化した感があります。どいつもこいつも世界だの社会だの紛争だのとべらべらとよく喋る。私はそういうものに与しません。私は自分のことだけを考えていればいいと思っております。自分に心地のよいことだけを考えたり、書いていればそれが世間と生活者の皆様によい作用をもたらすだろう。本気でそう考えています。(略)
って言ってるのも、カッコいい。
あるときからマンガ描くのヤメて、小説を書くようになったらしいんだけど、ちょっと読んでみたくなった。
(なんか見かけたことあんだよねー、山上氏の小説で、江口の画が表紙になってるやつ、手に入れたくなってきた。)
※8月26日付記
『「がきデカ」一発ギャグ図鑑』って特集がなかなかよくて。
「死刑!!」とか「八丈島のきょんっ」とかメジャーなやつぢゃなくて、「どうぶつ時計」の「ぶた時くま分とら秒!!」ってのが、あった、あった!ってツボにきた。
あと、「練馬変態クラブ」ってのがあるんだけど、江口のひばりくんの「男のお化粧普及会武蔵野支部」って、これが原型かあ!って気づかされた。