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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

きっとあの人は眠っているんだよ

2018-04-01 18:20:26 | 穂村弘
穂村弘 2017年 河出書房新社
年明けに、こないだ読んだ『これから泳ぎにいきませんか』といっしょに買ったやつ。
同時刊行とやらだが、そう言われると、片っぽだけ買うのは手落ちな気がしてしまうので。
こっちのサブタイトルは「穂村弘の読書日記」、書評よりはちょっとくだけた感じか。
巻末初出をみれば、2010年から2011年に「週刊現代」に連載したものと、2013年から2017年に「週刊文春」に連載したもの、後者はホントに文中の区切りに「×月×日」って入れてる日記のかたち。
なかみは、短歌はもちろんだけど、マンガあり、ミステリーを多く含む小説ありで、いろいろ。
古いものもあり、新しいものもある、読んだことあるけどまた読んでみたみたいなのもある。
よく古本屋に行くらしい、いいなあ、古本屋の多い街に住みたい。私の生活圏内では、年々減ってってる。
ひとに薦められて読むことも多いみたい、「好きそうだよ」とか言われて、読んでみたらもちろん気に入ったようで。
そのなかで気になったひとつが、『オーブランの少女』ってミステリー。深い謎がありそう、見つけたら読んでみよう。
『宝石の国』ってマンガも気になってしまった。
>(略)とうとう読んだ。既刊の三巻分を一気にまとめ読み。ほっとした。これで自分も『宝石の国』を読んだ人の仲間入りだ。(p.150「本のおかず」)
って感じで書かれちゃうと、仲間入りしてみたくなる。
『翻訳できない世界のことば』ってのも気になる。
フィンランド語の「PORONKUSEMA(ポロンクセマ)」というのは「トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離」って意味で、他言語ではニュアンスが説明できない。
うーむ、冷静に考えると、そういうものを集めて一冊の本にまとめられるひとというのは、どんな能力の持ち主なんだろう。
ところで、タイトルの「きっとあの人は眠っているんだよ」は、『新車の中の女』というミステリーのなかで、小さな子供が言うセリフらしい。
なんとも謎めいてていい、「私の大好きな作品だ」って言ってるんで、これまた読んでみたくなる。
そんなふうに著者のことを私が信用するのは、たとえば本書のなかにも、
>喫茶店や電車の中で、それを読んでいる人を見かけたら好感を持つ本は何か。そんな話をしたことがある。私が思いついた答は「諸星大二郎の本」だった。(p.215「「ダーク」の教え」)
みたいな、私にとってうれしいフレーズを書いてくれたりするからで。
べつに好感持ってもらいたいとまでは思わないけど。
コメント
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