森博嗣 2005年 中公新書ラクレ
こないだ読んだ新書。副題は「最高学府のデバイスとポテンシャル」
作家であり、国立大学の工学部助教授である著者が、大学について語ったもの。
なかみはインタヴューにこたえる形式なので、話ことば。
助手から助教授になったら、会議に出るとか書類作成するとか雑用ばっかで、好きな研究できなくなったとか。
国立大学は、研究費を獲得するのにせっせと申請書類つくったり、割り当てられた予算は使い切って帳尻あわせするのが大変だったりとか、そういう大学の話もあるけど。
やっぱ面白いのは、予算をともなう事業とか組織とかを縮小させるという選択肢もあって当然とか、リストラも悪いことぢゃないとか、著者が言うところ。
>「いつでもその職場を辞められる、という人が本当に優秀な人材ではないでしょうか。一度勤めて地位を築いたら、もうテコでも動かない、という人ほど、給料分の仕事をしていない。」って、名言だと思います。
同じように、学力がちょっとくらい低下してもいいぢゃない、“ゆとり”のある方がいいってみんなで決めたんでしょ、それでも生きていける世の中をつくったのは一種の成功でしょ、って冷静にみてるとこもいい。
学力テストの結果が昔より悪くなったくらいで、「未来が危ぶまれる」みたいなことをすぐ言うやつのほうが胡散臭いかもね、たしかに。
第一章「学生論」、第二章「大学論」、第三章「研究者・教育者・作家」の三つのパートからなるけど、その合間にある「学ぶ理由」と「どこを見ているか」という一文が、すばらしいと思います。
こないだ読んだ新書。副題は「最高学府のデバイスとポテンシャル」
作家であり、国立大学の工学部助教授である著者が、大学について語ったもの。
なかみはインタヴューにこたえる形式なので、話ことば。
助手から助教授になったら、会議に出るとか書類作成するとか雑用ばっかで、好きな研究できなくなったとか。
国立大学は、研究費を獲得するのにせっせと申請書類つくったり、割り当てられた予算は使い切って帳尻あわせするのが大変だったりとか、そういう大学の話もあるけど。
やっぱ面白いのは、予算をともなう事業とか組織とかを縮小させるという選択肢もあって当然とか、リストラも悪いことぢゃないとか、著者が言うところ。
>「いつでもその職場を辞められる、という人が本当に優秀な人材ではないでしょうか。一度勤めて地位を築いたら、もうテコでも動かない、という人ほど、給料分の仕事をしていない。」って、名言だと思います。
同じように、学力がちょっとくらい低下してもいいぢゃない、“ゆとり”のある方がいいってみんなで決めたんでしょ、それでも生きていける世の中をつくったのは一種の成功でしょ、って冷静にみてるとこもいい。
学力テストの結果が昔より悪くなったくらいで、「未来が危ぶまれる」みたいなことをすぐ言うやつのほうが胡散臭いかもね、たしかに。
第一章「学生論」、第二章「大学論」、第三章「研究者・教育者・作家」の三つのパートからなるけど、その合間にある「学ぶ理由」と「どこを見ているか」という一文が、すばらしいと思います。
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