kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

久々の練習

2014-01-18 | 陸上競技
金曜日、午後からは通常通りの練習予定。しかし、商業系の1年生は検定課外、工業系の生徒は検定実施。この状態で練習をするというのは事実上不可能です。せめて動きの確認くらいをしておこうかと思ったのですが残念ながら私も会議。3年生が来てくれるということだったので少し身体を動かしながら待つように指示をしておきました。が、会議が思っていた以上に長引いてしまいました。結局50分かかってしまい何も指示が出せないまま終わってしまいました。自分達で補強をしながら待っていたようです。いやー、成長です。

結局17時前からの練習開始となりました。もう一度話をしました。アップにしても動きにしても本当に必要な事をやらなければいけない。朝話した内容がきちんとできるかどうかです。うちの選手が本気になって必要な負荷を正確にかけることができるように成れば間違いなく強くなります。「走る」ことに関してはかなり高いレベルの選手もいます。私がこれまで指導して中では最高のレベルかもしれません。あとはそこを引き出せるかどうかです。何度も話をしましたが最終的に選手自身が本気になって自分に必要な練習をやっていけるかにかかっています。どれだけ才能がある選手達が集まってもどんなに工夫した練習を行って適当にやっていたら成果は出ないのです。最終的には本当にシンプルだと思います。

メディ投げをアップ代わりにしてからすぐにスタート練習を始めました。これまでよりも少し細かく指示を出しました。難しいことを言うのではなく基本的な部分を押さえながらです。加速段階の動きをしっかりと作っていかなければいけません。100mではスタートの遅れは致命的です。また、レース全体を組み立てる上でやはりここの区間を重視する必要があります。以前のように甘く考えていたら本当の勝負はできないと思います。100mをやるにしても200mをやるにしてもきちんとした加速ができなければレースになりません。重要な部分です。

見ているとかなり良い動きをする者がいました。こういう部分のセンスは抜群です。チーム内で群を抜いていると思います。逆に全くできない者もいます。スタート練習でやりたいことの半分もできません。が、この2人が60mを走るとほぼ横一線で60mを走ります。これも信じられない話なのですが。うちの3人目の4継メンバー、実はめちゃくちゃ強くなっていると思っています。あと数ヶ月本気でできれば驚くレベルに到達するのではないかと。最大目標は県総体で表彰台に3人乗る!という大きな事までできるようになるかもしれません。

また、小さなエースの動きは抜群です。練習の時の動きよりも試合の時の動きの方が2つくらいレベルが上がりますから面白いと思います。最後まで必要な練習がきちんとできれば大化けするのではないかと思います。実際に練習で走るとなかなか力が出せません。昨年の冬期は13秒後半の選手に追いつけないとうのもありました。それから比べると今の状態はかなり良いと思います。チーム一番のセンスですからこれを伸ばすための努力をしなければいけませんね。
大きなエースもまずまずかなと。まだ動きの部分で悩んでいる所があるのかもしれません。それでも少しずつ改善されつつあるかなと。まだまだ自分の身体をコントロールできない部分があります。意欲はかなり高いのでこの意識に合わせてこちらも考えていかなければいけません。

この二人を中心に戦って行くことになりす。昨年と同じレベルでも確かに強いのですが年も変わり同じ力が保証されるものではありません。さらなるレベルアップをしていく。その気持ちを持たずに守りに入ってしまったら絶対に戦えません。この二人で県の短距離を引っ張ることになるはずです。それに見合う取り組みを期待したいと思いますね。この日の練習ではこれまでにないほどの取り組みができていました。これをどれだけ継続できるかですね。

最後にバトンを。これもヒントをもらったので実践してみることに。選手にも映像を見せて説明をしていたので実際にやってみる。これはシンプルですが様々な感覚を養うことができると思います。昨年の冬は並走を中心に行っていましたがやはりこれではリレーの練習にはなりません。きちんと計画して考えながらやっていかなければいけないと思っています。昨年と比べるとかなり精度は高くなっています。練習で大きなミスをすることはなくなりました。まだまだ細かい部分の詰めが甘いところはありますが。

この日の練習はこれまでとは大きく違ったと思います。スイッチが入ってくれたかなという感じです。この雰囲気がシーズンインまで継続できれば私たちが考えている事は「夢」ではなくなると思います。信じたいと思います。
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学校へ

2014-01-18 | 陸上競技
金曜日、久々に職場に行きました。各方面にご迷惑をおかけしたとは思いますがこのタイミングでしか勉強できないというのもありました。最終的にこれが選手に還元できるのであれば今回の東京への練習見学は最大の教育活動につながるはずです。何かをやらなければ何かを生み出すことはないと思います。

この日は朝はミーティングをしようと考えていました。月曜日に練習をしてから全く話をしていません。また、今回の練習見学で感じたことをきちんと話をしておきたいと思いました。前日の練習の様子を聞くとかなり足に疲れが蓄積しているという事だったので朝練を休みにするという意味もありました。

朝練では今回感じたことを話しました。幾つか映像を撮っていたのでそれを見せながらです。練習の内容を撮影したものなのですがその内容を説明するのではなく私自身が感じたことを伝えるためです。単に話をするだけよりはかなり効果が高いと思います。また、総監督が書いておられる本の一部をコピーして配りました。どのような場所に行ってきたのかというのを客観的に示すものがある方が良いだろうなと。

「強くなろうとする選手」と「強くなれない選手」の違いについて今回の練習見学では話を聞きましたし、そのことを見てきました。技術的なことはもちろんですがこういう基本的な物事への取り組みが大きく影響してくるのだと思います。何度も何度もしつこいくらい話をすることにしました。「強くなるための練習をする選手」と「同じようなことをする選手」ではそこから生まれる結果に大きな違いが生まれるのです。この部分は強豪校であれ普通の高校であれ同じ事が言えるのではないかと思います。

実際に多くの学校でダイナマックスを利用した練習をしているのではないかと思います。しかし、その本質的な事を理解してやっている学校がどれだけあるのか?先日の中四国合宿にも多くのダイナマックスが準備されていました。パートによっては実際に利用していたと思います。実は普通のメディシングボールでも大差ない練習であっても「目新しい」という意味でダイナマックスを使っているということもたくさんあると思います。まーこんな話を選手にしても意味がないので実際はしていませんが。

うちの選手に映像を見せながらいくつか質問しました。実際に強い選手とそこそこの選手との違いを自分達で判断させるためです。この映像には11秒台の選手はあまり映っていません。うちの選手と同レベルの12秒2から3の選手と12秒後半の選手です。まー12秒後半の選手でも強いのですが。実は実際に走っている映像は全く撮影していません。ここの部分は意味がないと思うからです。動きの解析をしてこのような動きをすればもっと速く走れるなんて事を示しても選手には伝わりません。「強い選手の動きを真似する」というのは大きな弊害があると思います。

話がかなりそれていきますが(笑)。ある意味同じですよね?「速い人の動きを真似したら速く走れる」と思って根本を無視した動きをするのですから。うちの師匠がよく言われることですが「本人が意識してその動きをしているのかどうか」が重要であり、映像に現れる「結果」よりも本人の内面的な部分が重要なのです。ボルトとスタートで「前足を擦る」というのがあってそれをマネするのが「ジャマイカ式スタート」だともてはやされたことがあります。いやー本当に足をする動きをするとスタートが速くなるのでしょうか?映像では確かに擦っていました。しかし、本当にボルトが足を擦る意識があって行っている行為なのか?ある指導者が海外のトップ選手がアップの際に膝から下を振り出すような動きをしているのを見たので「やはりこの動きは必要なのだ」と練習に取り入れたという記事を見たことがあります。これも本当に「走るために膝から下を積極的に降り出している」のでしょうか?走りや動きの感じに関しては本人がどのようにやっているのかがすごく大切なことだと思います。

ということで走りではなく他の部分の比較をしました。補強のような練習なのですがここに関してかなりの差がありました。出来ているから強いのか、やろうとしているから出来るのかという部分もありますがここに関しては総監督に直接質問をして確認をしたので「やろうとしてやっている」という部分は間違いない事実でした。出来ていない選手は前日から「これでは強くならない」「やり直しなさい」と何度も指摘を受けていました。一生懸命にやっていると思います。しかし、その努力の方向性が違えば結果にはつながらないのです。

うちの選手にも話をしました。練習は一生懸命にやっていると思います。本人達も「自分達は頑張っている」と思っているはずです。ここは否定しません。私が与える厳しいメニューを一生懸命頑張ってやってくれています。しかし、いつの間にか「頑張ることが大切」という事に目的がすり替わっている可能性があるのではないか?77頑張るため」に練習をしているわけではありません。「強くなるため」にやっているのです。だからこそ私が求めている動きや意識と「同じようなこと」「似たような事」をやるのではなく自分のために「強くなるため」の練習に変えていかなければいけないと思います。そこの部分を念押ししました。うちに来て練習さえしておけばいつの間にか強くなるわけではないのです。ここは考えないといけない。

これまでも「練習はやる」という選手が何人もいました。キツい練習は怖がって力を出し切れない。それなりに練習をやって疲れたことで「今日も練習を頑張った」と思い込む。疲れるために練習をしているのか??ここがいつの間にか分からなくなっているのです。本当に大切なことは疲れることでも、練習で自分を追い込むことでもない。「強くなるための練習をする」ことだと思います。だからこそ疲れた時に適当な動きをするのではダメ。苦しい時ほどしっかりとした動きを意識して行う。どんな時にも「本当に大切な動き」を意識してやっていかないと思います。

かなりの時間をかけてミーティングを行いました。自己満足の話にならないように選手からも話を聞きながら進めていきました。ここの部分がすごく大切だと思います。今回の練習見学での一番の収穫と言ってもいいかも知れません。他にもたくさんの事を学べたのですがうちの選手に最も足りない部分なのかなと。

長くなりました。相変わらずまとめる能力が低いですね~。書いているうちにあれこれ思い出してしまうので(笑)。また書きます。
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学校訪問

2014-01-18 | 陸上競技
陸上の話だけを書き続けておきたいのですが、他にも記録しておかなければいけないことがたくさんあるので忘れないうちに。陸上に関してはまた別途書きたいと思いますが、とにかく時間が過ぎてしまうので慌てて記録している感じでしょうか。こうみえてもやることたくさんあるんですよ(笑)。Facebookにのみ「東京生活」を更新していましたが「何しに行っているのか?」と突っ込まれる部分もありました。別に悪いことしているわけではありませんからご安心を(笑)。

木曜日、この日は朝から学校訪問へ。以前から同僚が行きたいと熱望していた学校です。歴史のある学校ですがここ10年くらいで大きく変わってきているということでした。「進学校」でありながら様々な取り組みをされている学校です。「28プロジェクト」というのがあって28歳の時の自分をイメージしながら物事に取り組んでいくというスタイルでした。中高一貫の女子高ということもあり「28歳」をポイントにされているということでした。

簡単に概要を。高校を卒業するのは18歳です。それから10年後、自分たちが持っている「夢」の達成に向けてどれだけ進むことができているか?通常であれば中学生は「高校受験」、高校生は「大学受験」を目指します。一般的に言われることですが「大学に行く」というのが最大目標になっていてそれ以後の目標がない。「文系」「理系」という大きな枠の中で自分が入学できる学校を目指す。当たり前と言えば当たり前のことなのですが。が、この学校で「28歳」というキーワードがあります。大学受験は「目標」ではなくあくまで「通過点」でしかない。自分が勉強したいことは「経済」であればどこの大学でも学べる。第一志望校に合格しなかったらそれで終わりではなく、「自分が目指す場所」に近づくためであれば他の大学でも学べるのではないか。生徒自身が「自己判断」をすることがでいるように育てていくというのが大きな狙いでした。結局は「本当に学びたいこと」を考えるといわゆる「一流」と言われる私学になることも多いと言われていましたが(笑)。

また、「活動できる生徒」を育てるという部分に特化している学校でした。これはすごく印象的でしたね。学校行事などもすべて「実行委員会」を作って自主的活動をする。我々がやろうとしていることをすでにやられているという感じでした。人は「必要だ」と感じたら自分自身で動きます。そういう経験を多くさせることで変わっていくのです。「きちんとやりなさい」と指導したからと言って変わるわけではない。本当に変わるためには本人たちが「このままではよくない」と気づくことが必要なのです。ここは本当に大きな部分だと思いますね。そういう「仕組み」を様々な場面に織り込んでいくことで自分たちでやるようになる。

例えば英語教育。中学3年生でニュージーランドに3週間の修学旅行に行くとのこと。中学1年生から7時間の英語の時間があります。ここで重要なのは「授業数」の問題ではない。どれだけ時間を確保しても本人たちが「やらなければ」と思わない限りは効果はないのです。3年生の時に実際い海外に行ってホームステイする。「今のままでは絶対に困る」というのがありますから必死に勉強するようになります。また、ペーパーテストだけで評価するのではなく「英語スピーチコンテスト」を行うことで「学力」と「実践力」の違いを知ることができる。だからもっと力を上げないといけないという感覚になるのだと思います。

また、高校1・2年生ではうちの学校が行っている「総合実践」に近い形のものを実施するようです。実際に自分たちで発案して起業し、株式会社形式でお店の経営を行う。特別に授業時間を確保するというのではなく中学校からの系統的な指導の中で「自然と活動できるようにする」という話でした。中学3年生の時に一般企業と共同で商品開発を行う。これは実際に有名メーカーが協力してくれるようです。一般に販売されている商品も多々あるとのことでした。1年間かけて取り組む。それも40人をグループ分けしてそれぞれのグループに担当の人が付き「コンペ」形式で競争をする。その中で最も優秀なものが一般商品化される。担当の人も自分が関わった商品が販売されるかどうかの瀬戸際ですから中途半端な取り組みはできません。だからお互い必死で取り組む。その中で多くのことを学ぶことができる。「ロールモデル」です。実際の社会人がどれだけ必死になっているのかを目の前で見ることで「働くことの意味」を考えることができるのです。

その流れの中で「模擬株式会社」を自分たちで設立する。これも「私利私欲」のためにやるのではない。自分たちの活動が「社会貢献」につながるという意識が常にあります。有名な話なのかもしれませんがこの学校の制服を着た「キティーちゃん」を作成したようです。その販売を行い利益でカンボジアに学校を設立するという大きな「夢」を持って活動したそうです。販売する子供たちも「自分たちの活動で学校が建つ」という「働くことが誰かの役に立つ」という意識で活動する。生き生きと働けます。結果3年間の利益で本当に学校を設立したとのことでした。「自分さえよければいい」という考え方ではなく「誰かの役に立つ」という意識があるから頑張れるのだと思います。

このような話を3時間くらいは聞けたでしょうか。本当はもっともっと書きたいことがあるのですが(笑)。大きな刺激を受けました。「教育」というものの根本を考える必要があると感じましたし、私が「やりたい」と思っていることは間違っていないという確証を得ることができました。こう考えると一昨年実施した「ぞうさんプロジェクト」におけるシリコンバンドの販売も同じかもしれません。もっともっと生徒が活躍できる場所を作っていかないといけない。このような考え方が主流ではないのは間違いない事実です。「検定受験」が全てという商業教育が存在する。「人間教育」という部分から逸脱していると感じています。これは私の私見です。このままではよくないと私は思っていて10年以上前から言い続けています。なかなか浸透しませんがそれでもずいぶん変えることができたのではないかと思っています。

うーん、長くなりました。充実した時間を過ごすことができました。そして現実に戻らないといけない(笑)。ここが一番大変です(笑)。
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