kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

がむしゃら

2014-04-22 | 陸上競技
月曜日、通常は練習を休みにするところです。が、大きなエースのみ練習としました。あれこれ考えている。自信を失っている。様々な要因があって自分の走りができません。アップではかなり走れていてもレースになると途中で投げてしまう。これから先競技をしていくうえでこのままでは戦えません。がむしゃらになって何も考えずに走るという機会を与えたい。「やり過ぎだ」と言われるかもしれません。ここ最近本当にスマートな練習しかしていないうちのチーム状況からすれば「野蛮な練習」といわれる水準の練習をさせようと考えていました。

最初にエアロバイクを全力でこぐ。2年生の2人をサポート役に付けました。チームのエースの復調に協力するのは当然のことだと思います。15秒全力でこいで45秒休憩。これを4本4セット。それほど強い負荷ではありませんが乳酸が蓄積するレベルにはなると思います。とにかく短い時間でもいいので「全力で動かし続ける」ことを求めました。ここでは雑談を交えながら余裕を持ってやっている感じがありました。

その後、折返し走を実施。4往復です。それほど多くない。1セット目は60秒に1本。走る前に話をしました。とにかくがむしゃらに走る。何も考えられないくらい思い切り走る。技術云々ではなくとにかく走る。これでいいと思っていました。1セット目は見ていて余裕。笑顔もありました。これでは「がむしゃら」には程遠い。一人で走っているので「追い込む」という感じにはならないのでしょう。特に気持ちが切れている部分があるのでこの状況で一人で走ることには意味がないかもしれないと感じました。

すると1年生の一人が「私も走りたい」と言い出しました。理由は分かりません。3年生が走っている姿を見て自分も走ると思ったのでしょう。この子は体力的に弱い。スピードというか爆発力はありますがそれが最後まで持続できません。それなのに折返し走をやる。この想いはすごいと思います。2人で走り始めました。1年生、ついていくことができません。当然です。それでもがむしゃらに走る。ただがむしゃらに走る。すごい光景でした。大きなエースについていくことはできないのですがとにかく走る。この姿を見た2年生はどう感じたでしょうか。自分たちに足りないことを1年生が示しているのです。

「女を捨てる」と言っています。これに関しては「問題発言」ととらえる方もいるのかもしれません。が、実際に女子が強くなろうと思えばそれくらいの「覚悟」が必要です。この1年生はそれができます。なりふり構わず走る。本当に「がむしゃら」という感じが強いですね。野性的な走りをするというか、貪欲というか。自分が苦手なことであっても「やってやる」と決めて自分から飛び込む。この感覚は天性のものだと思います。

それがあったので3セット目は他の1年生にも参加させました。最初から参加している1年生は途中泣きながら走っていました。この姿を大きなエースはどう感じたでしょうか?自分のために1年生が「がむしゃら」になる。今の大きなエースに足りないものです。同時に2年生にも足りません。それを1年生が行動で示してくれる。なかなかの出来事です。これを他の者がどう感じるか?特に大きなエースに感じ取ってもらいたい部分です。

走り終わったあと、1年生は倒れこんでいました。歩けないくらい自分で自分を追い込んでいました。とにかく泣きじゃくっている。その中で大きなエースに何か言っています。全く聞き取れません。それでも何かを伝えようとしている。大きなエースは一年生を抱きしめながら「ありがとう」と言い続けていました。間違いなく何を言っているのかは分からないと思いますが何かしら感じる所があるのでしょう。

少し吹っ切れるのではないかと思います。ウジウジ悩んでいても前には進みません。ここまで来たらやるしかないのです。強くなるためにがむしゃらにやるしかない。それを1年生から学ぶというのはどうなのかという話ですが、自分達に足りないものを他者から学ぶというのは本当に大切なことです。自分以外の人からは必ず何か学べます。ここは大切です。

うちのチームはスマートに強くなるチームではないと思います。時には泥臭いことをやったり、根性練習と言われるような「非科学的」な練習をも必要。忘れかけていた部分かもしれません。もう一度原点に帰る必要があります。うちがどうやって強くなって来たのかを1年生が思い出させてくれました。私自身も感謝したいと思います。

がむしゃらに前だけをみる。気がつけば忘れてしまいます。もう一度、しっかりとやって行きます。
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支部大会2

2014-04-22 | 陸上競技
日曜日、支部大会2日目。この日も朝から小雨が降り続けていました。なかなか気温が上がらないですね。この数週間とにかく週末の天候が悪い。週末ごとに雨が降ったり気温が下がったりします。こればっかりは言っても仕方ないのですが少しでも良い状況で走らせてあげたい。そう思うことは通常の感覚だと思います。宇部地区などは土のグランドなので雨が降ると「実力勝負」ではない所が出てしまいます。高校生の最大の大会につながっていきます。可能な限り良い条件で走れたらいいのですがなかなかそうはいきません。

この日も小さなエースの走りが際立っていました。前日同様動きの切れは抜群。手動計時なので記録云々は何とも言えない部分がありますが「とにかく速い」という感じでした。スタートした瞬間から「勝負あり」という流れでした。本人も「スタートが上手くいった」という感覚があったようです。そのまま勢いで走り切りました。記録は12秒4。12秒31などで止まっていたということですからかなりの走りだったことは間違いありません。条件的にもよくない中でこのタイムというのは自信になります。電気刑事での12秒1切りも現実味を帯びてきているのではないかという走りでした。圧巻の走り。

が、前日と同じく大きなエースは自分のレースができませんでした。深刻です。力的には本当に差はないと思っています。この日のレースも途中で追いつけないと感じてレースを投げてしまう感じがありました。70m地点までは2位だったのですが最後スピードを緩めてなんと3位に・・・。通常であれば絶対に許されないレースです。負けることを覚悟しても途中でレースを投げてしまうというのは今後のことを考えると良いことではありません。しかし、精神的にしんどかったのだと思います。周囲は昨年のことあるのであれこれ言います。が、本人の気持ちは分かりません。ここは何としてでも乗り越えないといけません。

両エースの明暗が大きく分かれてしまった感じがあります。練習ではどちらが強いか分からないと常々思っています。後日談になるのですが大きなエースにとってはそれも「マイナス思考」になる原因の一つ様子。自分が一番強いというプライドがあるはずです。それを私が「どちらが強いか分からない」ということで「自分は走れていない」と感じるのかもしれません。が、実際に高いレベルで力は安定していると思っています。現実を受け止めて自分の力を発揮しない限りは上のレベルの大会には進めないと思います。正直、小さなエースは強い。ピークが上手くいけばすごいことになると思っています。その選手と勝負しなければいけないというのは簡単ではない。それでもやるしかないのです。大きなエースが吹っ切れてくれないとうちのチームは「終わり」です。それだけこの2人の存在はチームの中に大きな影響力を与えているのですから。

3人目の100m。これも予選で12秒9。昨年の小さなエースと同じくらいの走りでした。決勝は期待したのですがスタートが上手くいきませんでした。というかん、隣であれだけ鋭いスタートを見せられたら自分のレースはなかなかできないと思います。決勝では13秒かかってしまいました。何をやっているのか・・・。2年生の2人、予選のタイムを決勝で上回ることができませんでした。理由は予選のタイムで少し安心してしまった部分があると感じています。まだまだやることはあるにもかかわらず「自己ベスト」ということに一安心している。安心するれるではないという感覚が足りません。まだまだですね。

1年生は専門種目以外への出場。これまでやったことのない種目へ強制出場です。うちのチーム事情からすると「総合優勝」というのはかなり厳しい状況です。基本的に「ショートスプリント」しかやっていませんから100mと200mで大量得点を取ってそれ以外には得点源はありません。支部大会で「総合優勝」を目指す必要性はないと言われるかもしれません。が、チームの一員として「総合優勝」に貢献するという感覚、自分がチームのために「役に立っている」という感覚を持たせたい。通常考えると「不可能」です。短距離系の部員が7人しかいません。長距離は2人。長距離種目はなかなか点が取れませんから本当に厳しい。そのなかで「総合優勝」を目指す。1年生には無理をさせました。それでも確実に得点を取ってくれる。最終種目のマイルを残す中で「総合優勝」は確定しました。

女子マイル。昨年この大会で4分25秒かかったと思います。大会記録は4分01秒。うちのチームが持っています。あまりにも差が大きすぎてそれ以後エントリーしませんでした。本来であればショートスプリント選手なのでマイルに出る必要はないのですが私も色々と思うことがありました。先週からの練習量が少し減っているのでそれを補う必要があります。また「チーム」としてのまとまりを考えたときに今のチームであればマイルに出場しても「勝てる」という感覚がありました。昨年は無理やり1年生を投入してレース直前まで泣きながらアップをしていた。が、今回は「4継メンバーと同じでいく」という話を事前にしていました。それなりの「覚悟」はあったはずです。決めたときには小さなエースが「走るんなら1位になって賞状もらおう」とみんなに宣言していました。こういう状況でしたから「勝負できる」という感覚でした。

初めてのまともに400mを走ります。不安もあったでしょう。それでも何とかなると思っていました。1走が200m選手。他校の1走は個人で400m優勝した選手。うちの1走はトップでバトンを運んできました。いやー、強い(笑)。もともと200mよりも400mに向いていると感じているのですが本人が400m嫌いなので避けていました。うちのチーム事情からすれば間違いなくショートスプリントをやってもらうことになる。それでいいと思っているのですが速いですね。2走は小さなエース。これも抜群に速い。前に選手がいればもっと速かっただろうなという感じでした。最後までスピードが鈍りません。15m差はつけてくれたでしょうか。大車輪の活躍です。3走は高跳び選手。唯一のうちのウイークポイント(笑)。どう考えても400mを走りきれません。昨年の夏には300mを59秒で走ったというレベルです。それでも何とか粘りました。抜かれてしまいまいましたが先頭と15m差でした。この時点で勝負ありだと確信。アンカーは大きなエース。個人種目では「自分の走り」ができませんでしたがこういう場面では「絶対的強さ」を示します。もともと「速い」のですから「自分が何とかしなければいけない」という状況になれば力は出します。結局、逆転して4分12秒で優勝。十分です。

これにより「総合優勝」に花を添えました。そこまでこだわって優勝する必要はないと言われるかもしれません。この日、卒業した子達が役員としてきてくれていました。この子たちがいたときからの連続の「総合優勝」です。マイルの大会記録を持っている選手たち。自分たちのことと重ねてマイルを見ていたのではないかと思います。こういうい部分もあってマイル出場を決めていました。「チーム」としての「つながり」です。良い表情をしていました。大切な時間だったと思います。

次に向けて動き始めないといけません。勝負の時は近づいています。この日のことはまた書きたいと思っていますが・・・。どうなることか(笑)。ちょっと翌日のことを書きたいので。お許しを。
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