kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県総体〜スピードを磨く〜

2018-05-31 | 陸上競技
ここからは思う事を。

今回、県総体では男子キャプテン以外はショートスプリント系での出場でした。ロングスプリントに対する練習は別の形で実施することが多くなります。Oに関しては絶対的スピードを上げきれなかったなと感じています。体調のこともあり大きな負荷をかけられないというのもありました。本来であればスピードを上げながら持続系の練習をかなりの頻度で入れていかなければいけないのだと考えています。そこが十分にできたかというと不足していた気がします。バランスを取るのが非常に難しい話だと思います。

うちの練習の中心は「トップスピードを上げる」ことに置いています。スプリント種目のメインになる部分はそこだと思っています。選手のタイプにもよると思いますがスピードを上げていくことで対応できる幅が広がっていく。このスタンスはここ最近ずっと変わっていません。走り込みによって何人かが上手くいくという練習スタイルではなく「意図的な練習」を実施することで動きを身につけていくという形です。時間がかかります。精度を高めていかなければいけないので求める部分が細かくなります。「嫌だな」と思ってやっていると動きは変わらないと思います。

このスタンスでやり始めて何年経つでしょうか。ショートスプリントで闘う。指導し始めて数年は完全にロングスプリント中心でした。理由はこちらの方が戦いやすいという感覚があったからです。細かい技術を指導できなくてもある程度の量で対応できる部分があります。当時は「4継で戦うのは無理」というのがありました。100mで戦うのは素質的なものが大きいので普通にやっていたら追いつくことができない。その考え方が頭の中にありました。

ロングスプリントでインターハイに進むことができました。どちらかというと量に依存する練習だった気がします。そのタイミングでmihoがショートスプリントに取り組んでいました。パワータイプの走りをするのでロングスプリント系の練習は合わない。ショートスプリントで戦うことを考えた時に様々な形で勉強する必要性を感じました。ざっくりの身体作り中心の指導ではなく細かい技術を身につけさせながらやる。関西系の練習を見る中で自分なりにエッセンスを抜き出し動きを身につけるための練習を作って来ました。

makinoとkanaの指導をする中でベースとなる部分が固まる。ある程度の指導で動きが作れるタイプだったのでこちらがイメージする動きを身につけてもらうにはやりやすかったと思います。kanaは球技系は苦手でしたがスプリントに関する感覚は本当に鋭かった。その中で学んだことも多くあります。スタートの改善により飛躍的に記録が伸びた選手でした。

今預かっている女子選手。中学時代からある程度の強さがありました。そんな選手が集まっているのだから強いのは当たり前だと言われると思います。まー関わりが少なく表面的な部分を見る人には間違いなくそう見えると思います。Nはジュニアオリンピックの準決勝で12秒48で走っていますからトップ選手だと思われがち。何度も書いていますが初めてレースを見た時に苦笑いをしたのを覚えています。スタートが酷かった。これはMもSも同様。Sは典型的な中学生の走りでした。ひたすら前傾して頭の重さで走る。それぞれ独特な走りをする。どうやって走りを作るのか真剣に悩みました。

時間をかけて加速段階をつくる。その部分にかなりエネルギーを注ぎました。その部分だけの練習を一日中やったこともあります。3年生になってやっとその走りができ始めたかなと感じています。昨年それなりに走っていますがこれに関してはまだまだ全く走りになっていないという感覚でした。それでもある程度走れてはいました。この冬で随分動きを作ることができたかなと感じていました。中学時代の走りと比べると別人のような動き。ここは分かってもらえる人は少ないと思いますが。

磨いたスピードをどう生かすか。うちは200mに対してのアプローチはスピードを磨いていく所からやっています。行けるところまで行くパターン(笑)そのためシーズン当初は全く走れません。Nは県総体を迎えるまでのベストが12秒37と25秒90。100mのタイムからすると200mのタイムが悪過ぎる。それが少しずつ保てるようになって来ています。200m400mタイプの選手に後半抜かれて行くのは仕方ないことだと考えています。やはりリレーで戦うことを考えるとスピードを重視する練習スタイルは変わらないだろうなと。

100m。ここは本当に「才能」「素質」が大きく影響してくる種目だと思います。技術的なことをやらなくても「速い者は速い」と思います。これは如何ともしがたい事実。だからといって諦める必要はない。きちんと動きを作っていければ走れるようになると思っています。まーちまちまやって少しずつスピードが上がっていくのがうちの選手の特徴ですから効率としては良くないのかもしれませんが。豪快な走りの選手を見るとある意味羨ましく思います。溢れる才能でしっかりと走れるというのはすごいことですから。

NとMのお陰で2年連続で女子の100mでワンツーができました。去年のレースとは全く意味が違うと思います。向かい風の中できちんと走れたというのも昨年までとは異なります。かなり強くなっているという実感。スピードを磨き続けてきた成果が少しは出せたのかなと思います。

このスタンスでやっていきたいと思います。スピード。これを上げるのがどれだけ難しいか。ショートスプリントの難しさはこれまで痛いほど感じてきました。それでもここにこだわりながらやっていきたいと考えています。良い選手に巡り合えているという部分にも感謝したいと思います。

また書きます。
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県総体〜200m〜

2018-05-31 | 陸上競技
県総体最終日。200mがありました。うちはショートスプリント中心です。ここでどうやって戦うかは命題に近い部分があります。スピード持続がどれだけできるか。

この種目も100mと同様、男子1人女子3人が出場。全員で中国大会を勝ち取りたいと思っていました。繰り返しになりますが簡単ではないのは分かっています。ここまでのレースを見ていてSと以前指導していたmihoが重なりました。走りは悪くない。それがレースになると上手く力が出せない。どこかにリミッターがかかっている気がしていました。その話を本人にもしました。どこかで自分で越えなければいけない。何がキッカケになるか分からない。もどかしい部分がありました。

女子はNとMは予選を無難に通過。2人のスピードはかなりのものです。参加選手の中では群を抜いている。が、持久系は圧倒的に低い。練習内容云々ではなく先天的なものだと思います。「マイル走ったら強いでしょう?」と言われることがありますが2人の持久系の練習を見ていたらとてもそんな気にはなりません。それもあってトップスピードを上げていって戦うという選択肢を選びました。Sは向かい風の中で2着で順位通過。少しずつです。男子のSoは22秒81。こちらは本当に走練習ができていません。どこまで走れるか分からない部分がある。昨年のベストはこの時点で越えています。本数が持つかどうか。

準決勝。ここまでの時間はほとんど選手に会うことはできませんでした。あとは選手の強さに任せるしかないなと。女子1組目にS。かなり厳しい組でした。直線に入って先頭から遅れてしまっていました。26秒87で4着。着順で決勝進出ならず。タイム的にもかなり厳しい。本人もレースが終わった時点で「決勝に進めない」と感じていたようです。2組目はNとMが同じ組。この大会何回いっしょに走ったか。2人には「行けるところまで行く」という話をしています。どうせ後半持たないんだから。150mくらいまでは近くにいましたがそこからMが少し遅れ始めました。結果的に25秒98と26秒28で通過。この組の4着が26秒83、5着が27秒かかっていたのでSはプラスの2番目で決勝に進みました。可能性は残される。

男子はSoが前半から突っ込む。直線に入った時には2位。これはかなり良い走りでした。160m地点までは2位を保っていましたがそこから減速し始めました。最後の5mは足を引きずるようにしてフィニッシュ。間違いなく何か起きています。22秒68でベストだと思いますが足が心配。話を聞いてみるとラスト30mの地点で足を攣りかけたとのこと。その中でどう保つかを考えていた様子。こちらも4着でしたがなんとかプラスで決勝に拾ってもらえました。

女子決勝。3人が決勝へ。誇らしい部分もあります。しかし、ここでどうするか。戦えるかどうかです。レースはNが前半からトップスピードで先行する。このパターンしかありません。Mもきりいっていました。Sは一番内側ですが隣の選手と競り合いながら直線に入ってきました。Nがトップで170mくらいまで来ましたが、予選からかなり強いと感じていた選手が少しずつ詰めてくる。素晴らしいスピード持続だと思います。そこから逆転されて負けてしまいました。トップは25秒17、Nは25秒27。Nとしては良いレースが出来ていたので勝った選手が強かったということだと思います。悲観はしていません。もうワンランクスピードを上げていってさらに差を広げて逃げるしかない。Mは25秒84でベストで5位。こちらも上出来です。Sは競り合いながら入って来ました。結果は8位。この子には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。涙が出ました。

Sと話をすると涙が出る。が、それでも話さないといけない。本人に「どうやった?」と聞くと行けるところまで行こうと思って思い切った、競り合った時に自分の動きをしなければいけないのにどうしても力んでしまって走れなかった。中間の動きをもっと身体の前で動かさなければいけないと思う。レースの時だけやろうとするのではなく練習でもっとやっておかなければできないからこれからはその部分をしっかりとやりたい。この言葉に救われました。本当は死ぬほど悔しいと思います。県総体で活躍することを目標にやって来たのですから。それでも前を向いてくれている。私の力不足のためにこんな想いをさせているのにも関わらずです。リレーで絶対にインターハイに行こうという話をしました。絶対に。

最後にSoのレース。不安要素はありましたがやるしかない。前半からかなりの位置で来ました。私はフィニッシュライン横で確認。今回は最後まで動きが鈍りません。とはいえ微妙な位置。最後の最後まで粘る。22秒41で5位になりました。中国大会進出です。もう涙が止まりませんでした。大幅自己ベスト更新。スピード練習を入れ始めて1週間程度。どうなるか分からない中でこの走りは素晴らしい。フィニッシュの所で見ていた女子3人も泣いていました。普段その手の感情は出さない3人が涙を流す。チームとして目指してやって来た部分が形になりつつあると思います。Soはわざわざ1時間かけてうちの学校に通ってくれています。競技をやりたいという想いが強い。私もその想いを知っているので側に行って抱きしめました。本当に嬉しかった。涙が止まらない。こうやってやって来たことが多少なりと形になるというのはありがたい。

本当に思うことが多かった県総体です。女子はトラックの部で2位となりました。100m、200m、4継のみの得点しかありません。人数が少ないチームですからこれは上出来だと思っています。全く狙っていませんからおまけですが。

もう少し書きたいことがあります。また書きます。
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