堀江でございます。
あっというまですね、ブログ担当が回ってくるのが早く感じます。
今回はアクティビスト=「物を言う株主」の話。株主だって学習して、革新して、進歩しています、日本以外は、という話。
米有力投資ファンド「サード・ポイント」がソニー株6.5%を保有する筆頭株主になりました。そして、平井CEOに企業価値向上の提案したことが公開されました。それによりソニー株は10%以上の急騰となりました。
サード・ポイントは、所謂アクティビストです。過去米ヤフーにもマネジメントの入れ替えを要求しています。問題の解決策を提案できる、建設的な、非常に洗練された投資家として、米国では評価を得ています。
今回のサード・ポイントの提案は以下の通り。(5月14日付け公開書簡より)
(1)エンターテイメント部門を株式公開し、持分の一部を売却しろ。経営を透明化し、経営陣にインセンティブを与え、利益率を業界平均に戻すだけで、保守的に計算してもソニーの時価総額は6,250億円増える。
(2)公開に際しては、サブスクリプション・ライツ(株式購入権)を既存株主に付与しろ。ソニー本体に資金が入り、エレクトロニクス部門への投資に充当できる。サード・ポイントが1,500億円から2,000億円相当の執行保証を無償で提供する。債務をエンターテイメント会社に移行し、エレクトロニクスは身軽になる。公開後も経営権はソニーが握ればよい。
(3)そして、Focusを行え。例えば、イメージセンサーは急成長している収益性の高い事業であるが、旧来の半導体の赤字で打ち消されている。
(原文英語。投資を勧誘するものではありません、誤訳等は自己責任で。)
至極まともな提案だと思います。人員削減を求めるものではなく、エンターテイメントの経営分離を求めるものでもありません。ソニーは既にソニー生命を子会社上場させており、少数持分上場の経験もあります。日本の法・税法制度の詰めが不明なものの、検討に値する提案だと思います。ハードウェアとソフトウェアを両方保有することに意味があるのか、ソニーは証明しなくてはなりません。アップルもサムスンもメディア保有に経営資源を振り分けていません。なぜソニーだけ必要なのか。そして適切に経営できるのか。ソニーの映画部門は、米国におけるシェアがここ数年1位から3位だったものが、今年は8位に下落しています。
アクティビストも「進歩」しているんです!
10年くらい前のアクティビストは、非効率な会社の株を買い集め、増配や自社株買い、資産切り売りなど、一過性の株主還元策を提案していました。経営資源の流出、中長期的な企業価値毀損の可能性があり、単なる「壊し屋」になるケースがほとんどでした。
最近の自称「建設的なアクティビスト」は、優秀で強力です。投資銀行、ヘッジファンド、コンサルティング、実業、アカデミックから、特に優れた人材がこの分野に集まってきています。自分のアイデアを実現でき、リターンも大きく、とてもクールな仕事になりました。
そして、一般株主の多くも、そのような進化したアクティビストの味方をします。経営者を甘やかすことなく、敵対し長期的利益を損ねるものでもない、提案型の株主です。
日本にもこういう意味のある提案ができる有力投資家が現れるべきです。問題点が明らかながら、自ら変わることができない会社を、ポンとうしろから押してあげることができます。
残念ながら、ホリエモン(同姓)や村上さんの件があって、「物を言う株主」が育っていません。日経新聞の論調も、いまだ旧来の壊し屋としてみている。
ソニーは、5月22日に経営方針説明会があります。この提案にどう対応するのだろうか。HPでインターネット中継するようなので、とても楽しみです。
あっというまですね、ブログ担当が回ってくるのが早く感じます。
今回はアクティビスト=「物を言う株主」の話。株主だって学習して、革新して、進歩しています、日本以外は、という話。
米有力投資ファンド「サード・ポイント」がソニー株6.5%を保有する筆頭株主になりました。そして、平井CEOに企業価値向上の提案したことが公開されました。それによりソニー株は10%以上の急騰となりました。
サード・ポイントは、所謂アクティビストです。過去米ヤフーにもマネジメントの入れ替えを要求しています。問題の解決策を提案できる、建設的な、非常に洗練された投資家として、米国では評価を得ています。
今回のサード・ポイントの提案は以下の通り。(5月14日付け公開書簡より)
(1)エンターテイメント部門を株式公開し、持分の一部を売却しろ。経営を透明化し、経営陣にインセンティブを与え、利益率を業界平均に戻すだけで、保守的に計算してもソニーの時価総額は6,250億円増える。
(2)公開に際しては、サブスクリプション・ライツ(株式購入権)を既存株主に付与しろ。ソニー本体に資金が入り、エレクトロニクス部門への投資に充当できる。サード・ポイントが1,500億円から2,000億円相当の執行保証を無償で提供する。債務をエンターテイメント会社に移行し、エレクトロニクスは身軽になる。公開後も経営権はソニーが握ればよい。
(3)そして、Focusを行え。例えば、イメージセンサーは急成長している収益性の高い事業であるが、旧来の半導体の赤字で打ち消されている。
(原文英語。投資を勧誘するものではありません、誤訳等は自己責任で。)
至極まともな提案だと思います。人員削減を求めるものではなく、エンターテイメントの経営分離を求めるものでもありません。ソニーは既にソニー生命を子会社上場させており、少数持分上場の経験もあります。日本の法・税法制度の詰めが不明なものの、検討に値する提案だと思います。ハードウェアとソフトウェアを両方保有することに意味があるのか、ソニーは証明しなくてはなりません。アップルもサムスンもメディア保有に経営資源を振り分けていません。なぜソニーだけ必要なのか。そして適切に経営できるのか。ソニーの映画部門は、米国におけるシェアがここ数年1位から3位だったものが、今年は8位に下落しています。
アクティビストも「進歩」しているんです!
10年くらい前のアクティビストは、非効率な会社の株を買い集め、増配や自社株買い、資産切り売りなど、一過性の株主還元策を提案していました。経営資源の流出、中長期的な企業価値毀損の可能性があり、単なる「壊し屋」になるケースがほとんどでした。
最近の自称「建設的なアクティビスト」は、優秀で強力です。投資銀行、ヘッジファンド、コンサルティング、実業、アカデミックから、特に優れた人材がこの分野に集まってきています。自分のアイデアを実現でき、リターンも大きく、とてもクールな仕事になりました。
そして、一般株主の多くも、そのような進化したアクティビストの味方をします。経営者を甘やかすことなく、敵対し長期的利益を損ねるものでもない、提案型の株主です。
日本にもこういう意味のある提案ができる有力投資家が現れるべきです。問題点が明らかながら、自ら変わることができない会社を、ポンとうしろから押してあげることができます。
残念ながら、ホリエモン(同姓)や村上さんの件があって、「物を言う株主」が育っていません。日経新聞の論調も、いまだ旧来の壊し屋としてみている。
ソニーは、5月22日に経営方針説明会があります。この提案にどう対応するのだろうか。HPでインターネット中継するようなので、とても楽しみです。