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スーパー高校生の話

2013-05-12 23:36:33 | 12期生のブログリレー
12期生の大川鉄太郎です。
桐生祥秀君(洛南)という高校陸上選手が「アジア人初の100m9秒台を
出しそう」という報道が、新聞やテレビで4月末以来急増していますので
それについて書いてみます。私はこれでも一応中学と高校では陸上を
やっていましたので、とても気になっています。とはいっても技術論では
なく人材育成の観点になります。
桐生君は現時点での世界ジュニア記録保持者で、同世代で世界トップの
スーパー高校生です。ということは単純に考えると数年後にそのまま
世界トップになることが期待されますが、実際にはかなりの困難が
予想されます。ここ数年だけでもスーパー高校生が進学後にそのまま
スーパー大学生になった例は皆無といってよく、大半は高校時代の記録を
超えられないとか、その記録と悪戦苦闘して卒業に至ります。今の
大学生トップスプリンター(そう呼べるのは1人)の高校時代は、傑出は
していたがトップでななかった選手が大学で伸びた結果です。このような
現象は、中学→高校、大学→実業団でも起こっています。桐生君はよく
「中学時代に全国2位になり洛南高校に進学して…」と紹介されますが、
そのときのトップ選手も高校入学後けがもあり苦戦中です。これは短距離
だけの話ではなく、高校長距離のトップクラスは箱根駅伝の常連校に
毎年進学しますが、上位選手ほど高校時代を超えられないことが珍しく
ありません。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか? もちろん確かな答えは誰も
わかりません。がいくつかの仮説はあります。
1.もともと能力の伸びは時間軸や努力にリニアではなく、階段状である。
2.有能な指導者が少ない。
3.学校や会社のために無理をする。
「1.」の説は一見もっともらしさがありますが、高校では世界トップ
クラスにいる選手が軒並みそこに留まってしまう点を説明しきれないと
思います。「2.」は直接見たわけではありませんが、名門校ほど精神論と
軍隊式秩序が幅を利かせていることが珍しくなく、そのような環境では
鉄拳が指導の一環に収まってしまうことも良く聞きます。「3.」はたとえば
組織のために走る必要のない埼玉県庁の川内選手(マラソン)や非名門校の
選手が活躍すると出てくる話で、一定の説得力があります。桐生君の進学先に
ついて勝手なことを言わせてもらえば、適切に指導できそうな陸上名門校は
日本に見当たらないので、いっそアメリカの陸上名門校に進学するのが
ベストチョイスではないかと思います。今の記録があればフルスカラシップが
取れます。
経営組織の中でも、人の能力を伸ばす、人の能力を評価する、ことは大きな
テーマです。これを誤ると組織はモチベーションが低下し、パフォーマンスが
上がらずに瓦解してしまいます。エリートの適切な選抜と要請も組織維持に
重要です。けっこう話は繋がっていると思います。


コメント (1)
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