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「インテグレーション」は有望分野

2013-06-06 00:06:36 | 12期生のブログリレー
堀江でございます。

先日の最終プレゼンテーションで、「インテグレーション」に診断士のビジネス機会があるとお話しました。

ここでいう「インテグレーション」とは、会社を買収後、買収先を自社の仕組みに取り込んでいく過程のことです。

会社は株式の移転登記が終われば自分のものになりますが、買収した会社を効果的に経営するためには、自分たちにあった経営のやりかたに統合していく必要があります。

その対象は多岐にわたります。人事組織、戦略立案、実行、管理方法に加え、開発プラン、予算立案、ロジ、仕入れ、帳票、システム統合、給与・評価体系摺合せ、そのほかにお互いの「呼び方」など、本当に幅広くあります。

この作業が大変。で、手を抜くと痛い目にあいます。投資を生業とする大手商社ですら、M&Aの失敗について「深刻で根本的な敗因はインテグレーション」(日経産業新聞、平成25年6月4日20面)としています。インテグレーションこそが重要、と認識し始めています。

インテグレーションが進まない理由はいくつかあります。(1)そもそも作業が多岐にわたっていて大変である、(2)相談できる専門家が少ない、(3)日本型インテグレーションのノウハウが蓄積されていない、などです。

下記はM&Aを実行する場合の基本的なステップ。①、②、③までは専門家がうじゃうじゃいます。買収後の④は、自分で全てやらなくてはならない。



では、ノウハウが確立されているか。たとえば同分野を取り上げた書籍、下記などいくつかありますが、実務については触れていない。上記①、②、③の専門家が書いた本だからです。「買収後速やかに統合をすることが望ましい」と説明があるが、では、誰が、どのように、と具体的な指示はほとんどない。

海外ではもう少し実践的な書籍があります。すぐに使えるチェックリストや検討用のテンプレートなど。でも、そもそも解雇に関する法体系・慣習が異なり、経営陣の社外招聘のしやすさなど、個別具体策は日本では使えません。


アドバイザーに求められるのは、問題を見極め解決するノウハウ、人をうごかしまとめていく力、過去の実例です。

個人で対応しきれるものではなく、かといって組織でカバーするものでもない。診断士のような、独立した複数のアドバイザーが、アメーバのように能力を提供しあうのがいいと思うのです。
コメント (1)
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