みなさん、こんにちは。19期の西山です。
暑さ寒さも彼岸までと言いますが、最近はすいぶんといい気候になりました。
こうなると現金なもので、夏は暑くて気力がなかったことにも取り組みたくなります。
というわけで、今回は「○○の秋」にかけて、私の最近の活動をご報告します。
① 読書の秋
本にはさまざまなジャンルがありますが、みなさんはSFは読みますか?
最近メディアを騒がせているのが「華文SF」、中国系の作家による本格SFです。
SFといえば欧米が主流でしたが、2000年代に伊藤計劃(『虐殺器官』は鮮烈でした)などが登場し、国産SFがブームになりました。
そしていま時代は移り、中国が文芸の世界でも力をつけています(SFだけでなくミステリも人気です)。
その華文SFの代表作の一つが、劉慈欣による『三体』(英語では”The Three-Body Problem”)です。
物理学の三体問題(というのがあるそうです)に着想を得た著者が、舞台を中国に設定し、文化大革命と現代を行き来しながら物語は進行します。
出てくる要素も宇宙からナノテクノロジー、サイバーゲーム、そして宇宙人?までと幅広く、立派なScientific Fictionになっています。
SFは読むけど中国のSFって、、、と敬遠されている方はぜひお手にとってみてください。
華文SFではほかにも、映画『メッセージ』の原作であるテッド・チャン『あなたの人生の物語』や、ケン・リュウが編集したアンソロジー『折りたたみ北京』もおすすめです!
② スポーツの秋
暑いからと敬遠していた運動も涼しくなると取り組んでみたくなるもの。
ランニングや登山、最近では岩や壁を登るボルダリングも人気ですね。
そんななか私が始めたのは、古典的なプールです。
プールは夏だろ、というツッコミが聞こえてきそうですが、近所にいいプールを見つけ、夏の終りから通うようになりました。
慢性的な運動不足で、健康診断の結果も気になる今日このごろ。
なにか一つでも体に良さそうなことを、と思って始めたプールですが、やってみると、体よりも気持ちに変化が生まれました。
泳いでいる時は無の境地で、いい気分転換になります。
適度な疲労も快眠につながり、一日のリセットに有効です。
ただし、泳ぎの方は自己流でやっているからか、あまり上達しません。
体重もいまのところ変化なしが残念です。。。
③ 芸術の秋
いま上野の東京都美術館で素晴らしい展覧会をやっています。
「コートールド美術館展 魅惑の印象派」。https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_courtauld.html
ロンドンのコートールド美術館が改装されるにあたり、印象派の傑作が来日しました。
日本でこれだけの質、量の印象派を一度に見られるチャンスはそうそうありません。
オープンと同時に見に行ってきました。
コートールドはセザンヌのコレクションで有名ですが、セザンヌに限らず、モネからゴッホまで有名どころが勢揃いし、見るだけで印象派の変遷を学べます。
絵画そのものはもちろん、展示の仕方も工夫されており、大きな説明板に丁寧な解説で理解が進みます。
作品で私が最も惹かれたのは、マネの《フォリー=ベルジェールのバー》。
同展覧会のメインビジュアルでもあります。
画集では見たことがあったのですが、本物は想像以上に大きく、迫力がありました。
この絵はバーカウンターに立つ女性が主役なのですが、不思議なのは彼女の背後にある鏡に映った世界です。
どう見ても実際に見えるはずの世界と、鏡に描かれた世界が噛み合わないのです。
普通ならいびつな絵になるはずですが、そこはマネ、とても自然にマッチしています。
ぱっと見では気づきにくいですが、よく見ると、「あれ? ここ、どうなってるんだろう」と疑問が浮かび、どんどん絵に引き込まれる仕掛けです。
12月15日までやっていますので、ぜひご自分の目でご確認ください!