先日、「最近、服を買っていないなー」と思い、明確に欲しいものがあるわけではなかったのですが、百貨店の紳士服売り場をのぞきに行きました。
180㎝、9〇kgの重量級な私としてはまず体型に合うサイズをそろえているショップを優先してみるのですが、たまたま目にかかった日系有名ブランドのお店に入ってみました。
比較的小さいサイズをそろえているイメージがあるブランドでしたが、店員さんが近づいてきて「最近はオーバーサイズもラインナップ増やしているのでぜひ見てください」とのこと。
確かに私の体型にも合いそうなサイズ展開されているなー、、ということで気に入ったデザインがあったので試着し、思わず購入することに。
結構身軽な恰好で来ていたので「袋をもらって持って帰るかな・・・」と考えていると店員さんから、とある申し出が。
「お客様、こちらのお品物、本日お持ち帰りされたいですか?もし急なご入用でなければ弊社の倉庫から発送させてもらってもよろしいでしょうか?」
とのこと。なんでもその理由として、
・できるだけ「どうしても今日持ち帰りたい」という要望に応えるためサイズラインナップは店舗で確保しておきたい
・ECの普及(そのブランドはEC販売もしている)により、倉庫にも商品在庫はある
・在庫確認/取り置きはネットワーク経由で簡単にできる
との事情から倉庫からウチまで発送したい、とのことでした。
お店からの申し出なので送料は無料、その代わりその店のサイトで会員登録してほしいとのことでしたが、嫌いなブランドではないし、このお店からの情報なら会員登録後にメールとか来てもいいな、と感じたのでOKして発送してもらうことにしました。
この取り組みは非常に面白い点があるな、と関心しました。
私が考えた点としては、以下のものがあります。
・発送することでショップサイトに会員登録を促し個人情報を得ることで後のプロモーション(DMなど)に活用できる
・倉庫にある在庫を引き当てることで不良在庫の防止になる
・配送業務の稼働率を上げることができる
・店側の機会損失を避けられる(どうしても今日ほしい、という顧客への対応)
このように考えると配送料を無料にしても得られるメリットの方が大きいんだろうな、と想像しました。
近年は「ECで販売か?実店舗販売か?」といった議論があったりしますが、ECも店舗も両方を展開していいとこ取りができる仕掛けもまだまだあるのではないか、と感じました。
実店舗での最大の武器は「接客」です。
モノを試せるし実際の色味や肌触りなども確認できますし、店員さんとの会話で「こんな組み合わせもできます」みたいなコミュニケーションも取れます。
その武器を活かしつつ、ECで抱えるリソース(メールプロモーション機能、倉庫機能、配送機能)も活用でき、非常に有効なやり方だと思い、自分の業務や企業診断に使えるヒントが少し見えたような買い物でした。
ちなみに対応してくれた店員さんは非常に感じのいい方で、私の来ていたダウンジャケットを見て「これって数年前にウチのブランドが出した商品じゃないですか?」と私も忘れていたようなことを話したりしてくれました。
よくよく考えれば会員登録もさせられたり、もう一品多く買っちゃったり、なんとなく乗せられたのかな、オレ?とかも思いましたが、まあそんなことは忘れようと思うような買い物でした(笑)