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価値観が同じでないと困るとき

2020-12-21 12:00:00 | 20期生のブログリレー

こんにちは。稼プロ!20期生の加納です。

今年もあと10日ほどで終わろうとしていますが、現在の会社に勤務し始めてから、初めて飛行機に搭乗しない年になりそうです。

入社直後から、あるグループ会社の人事給与制度改定業務に携わり、打ち合わせは飛行機で出張。制度完成後は毎年人事評価者訓練の講師として呼ばれてきましたが、今年はコロナの影響もあるせいか、お声が掛かりませんでした。一方、別のグループ会社から、「今年合併したため、新たに加わった管理職を対象に人事評価者研修を実施してほしい」との依頼が。来年2月に実施予定です。

私が人事評価者研修を実施する場合、まず人事評価の目的をお話しし、次に当該会社の人事評価制度について、担当者の方に説明していただきます。そして、人事評価の方法を話して講義は終了。短い休憩後、20~30分程度のビデオを見て受講者が個人で評価、結果を提出してもらって昼休みに。再開前に、こちらで評価結果を集計して模造紙に書き写します。

たとえば、人事評価の項目として判断力とか、折衝力とか、業績とかがあったとします。また、人事評価の段階は5・4・3・2・1(3が標準、5が最高、1が最低)となっていたとします。判断力を5とした方は何人、4は何人、と項目ごとに段階の分布を一覧にするわけです。

全員同じ段階を選択する項目はまずありません。全員3以上または3以下ならば、標準以上または標準以下だったと考えたわけですから、評価者の価値観に大きな相違はありません。しかし、項目によっては4・3・2のそれぞれが選択されることもあります。同じ項目に対して良かった(4)と評価する人もいれば、悪かった(2)と評価する人もいるわけです。

評価される側にとっては悲劇ですね。いったい良かったのか悪かったのか、「上司が変われば評価も変わる」典型のようなものです。そこで研修では、参加者全員に「このような評価に至った理由は」とか「こういう考え方もあるが、どう思うか」と尋ね、その後グループで話し合いをしてもらったうえで、グループとしての評価結果を発表してもらいます。そうすると、誘導尋問をしたわけではないのですが、大体が同じ方向に収まっていきます。グループの評価者全員の考え方が同じになるわけです。

人間ですから、いろいろな考え方や価値観があって当然です。しかし人事評価に関しては、評価者に同じ考え方を持ってもらわないと、適切な評価ができなくなります。そのすり合わせが評価者研修の大きな目的の一つになります。できれば1年に1回実施するのが望ましい。同じビデオを数年後に見て評価してもらったら、個人ワークではまたバラバラな結果になることがほとんどです。人間の面白いところですね。

ところで、前回のブログでパワハラと指導について、ほんの少し触れさせていただきましたが、人事評価で絶対行ってはいけないことは、性格の評価です。「彼は暗いから協調性がないはずだ」「彼女は明るいから職場の業績が良い」と短絡的に結び付けるのはダメ。人事評価をする際に仕事上の価値観は同じにする必要がありますが、性格に踏み込むことは避けなければなりません。人それぞれ、性格に良い悪いはありません。ある人にとって気の合う人も、他の人にとってはそうではないかもしれません。十人十色、基本は多様性の尊重、忘れないようにしたいですね。


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