明けましておめでとうございます。22期の浅野です。
本年もよろしくお願い申し上げます。
今回はダニエルピンクの「ハイコンセプト」の話をしようと思います。
原本は「A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future」、日本版は「ハイコンセプト:新しいことを考え出す人の時代」で2006年大前研一訳の書籍です。2008年ころに話題になった様なのでご存じの方もいらっしゃると思います。当時は関心がなかったためか、これまで知りませんでした。しかし、ある読書会で紹介され昨年夏に読んだところ感銘を受けたのでご紹介します。
その本での主張は、「これから第4の波が来る。第1は農耕社会、第2は産業社会、第3は情報化社会だった。第4の波はコンセプチュアル社会:右脳社会である。」というものです。
これからは知的労働者でも知識による仕事は機械に取って代わられる。それに対して仮説をもとに仕事を作っていく力が価値ある仕事になる。2006年から16年経ったいま、コンピュータが契約書のチェックをしたり、投資の判断をしたり、事務手続きが自動化されたり、レントゲンの画像判断をしたり、ホワイトカラーの多くの仕事がコンピュータに置き換わるのが現実味を増しているわけですから、第4の波が来ていると実感しています。
そもそもハイコンセプトって何かというと、「パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力」と定義しています。
もう一つ重要な能力となるのがハイタッチで、それは「他人と共感する能力、人間関係の機微を感じる能力、自らに喜びを見出し、他の人が喜びを見つける手助けをする能力、ごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力」だそうです。
それらの能力を高め、六つのセンス(1)デザイン(2)物語(3)調和(4)共感(5)遊び(6)生きがい、を磨くことが価値ある仕事につながると言っています。
知識がなくてよい訳ではなく、知識だけで仕事ができていた時代ではなくなるということです。第6回の志倉さんの授業で出てきた「できるコンサルタント」と「真のコンサルタント」の違いみたいですね。
以上、「ハイコンセプト」の紹介でした。
ハイコンセプトやハイタッチの能力が高い診断士がより重宝される時代になりそうですね。