みなさん、こんにちは。24期生、中野です。
なんだか急に涼しくなってきましたね。お体、ご自愛ください。私も夏に体調を崩し、まだ完全に回復できないでいます。おそるべし、マイコプラズマ後遺症、ですね。しかし何十年と続けていたタバコが、自然と吸えなくなりました。もう2カ月になりますが、このまま体調は完治し、喫煙は終了としたいところです。
さて、多くの24期生の方々がすでに書いておられますが、去る9月末の泊りがけ合宿では大変ありがとうございました。事務局のみなさま、講師の方々、宿舎のみなさま、本当にありがとうございました。内容の濃い、代えがたい経験となりました。深謝いたします。私はちょうど、初日の3分間ミニプレゼンテーションに当たり、プロフェッショナルとは何か、をテーマに話させていただきました。有益なフィードバックをいただき、ビデオも撮っていただき、見返し反省する機会をいただきまして、ありがたく思っております。
なぜこのテーマを選んだかといえば、プレゼンの場でも少しお話ししましたが、以前、山﨑塾長が診断士にとって健康が重要であると話されたこと、したがって健康に留意すべきところ感染症にかかってしまった不覚の念からということがありました。
また第3回で太田コースマスターがコンサルタントについて話されていたので、プロコンのコンの前であるプロについて話すのも一つ価値あり、と考えたことも背景にあります。
そして、もう一つ、当日はお話しませんでしたが、私の登録養成課程の大学院では比較的、修了生との継続的コミュニケーションを大事にするのですが、5~6月にポイント付与に係る高度コンサルタント研修を受けたときに、「もうプロなんだから」「プロの意見を聞こう」と何回か、先生方などから言われ、内心『いや、まだ自分の名前で1円も稼いでいないんだがな…』と忸怩たる思いになったことも一因です。
お金がすべてではないですが、要は、依頼人がお金を払ってでも引き受けて、完遂してもらいたいという、その「お金を払ってでも」のところがまだないので、「もうプロなんだから」の言葉をすんなり受け止めることができなかったのです。
これに関連し、10月9日日経夕刊10面くらしナビ「プロムナード」欄に、ある鳥類学者の方のエッセイ(?)が掲載され、そこに「多くの学会はプロの研究者の集団だが、日本鳥学会はアマチュア会員が多いのが特徴だ」との記載がありました。『プロの研究者?って何?』と料簡の狭い自分は反応してしまったのです。『顧客がいるのか』と続けて思ってしまいました。
察するに、プロの研究者=先行研究・文献をよく参照し理解し批判でき、アカデミズムに基づく研究方法や再現性の高い実験方法、また成果の発表についてフォーマットを熟知した専門家であり、研究者間の上下左右の関係性とあるべき振る舞い方についてわきまえがある、といったことであり、アマチュアの研究家は、そうではない、とみている、といった考え方ではないかなと思いましたが、私もある経営系の学会の末端に入れていただいてはいますが、「プロの研究者」という言い方は、これまで意識に上ったことがありませんでした。
もっともエッセイの中身自体は「アマチュア」の方々の活動への敬意、若い参加者への肯定的見解(「型にはまらず、好奇心を燃料に疑問を追及している」)であふれ、研究の楽しさを希求するものになっています。したがって「プロの研究者」とは「型にはまらず、好奇心を燃料に疑問を追及」する人々とは対極にあり、そういった方々への羨望も込めて、アイロニカルに使われたのかなとも思いますが、やはり若干の引っ掛かりがあります。
というのも、私は中小モビリティ系リサーチ&コンサルに勤務していますが、企画開発型といいますか、様々な機関、協力会社のみなさま、専門家とチームを組んでプロジェクトを実施しています。したがって結果のクオリティはチームやメンバーのクオリティに影響されるところがありますが、これまで、ちょっと不安だな、と思って、一部のパートナーに大丈夫ですか、と訊ねたケースが2件ありました。そのときかえってきた回答が同じセリフ、「プロですから」。結果は2件とも案じた通りになりました。
以来、私は一度も自分で「プロですから」と発言したことがありません。何の説明にもなっていないとも思います。もし独立後、顧客から「先生もプロなんだから」と言われても、何か、ポジティブな場面ではないような気もします。
それこそ、まだプロとして自覚が足りない!と叱られそうですが、木登りの名人は「はて、木登りとは?」と答えるといい、「お金を払ってでも」が実は問題ではなくて、そこがまさにお布施となるような、本当のプロフェッショナルはいろいろなものを超越した存在なのかな、とも思っています。
しかし実際、契約やらなにやらを経験すると、また「あのときは何を甘いことを考えていたのだろう」と思うのかもしれませんが。やっぱりまだまだ途上的ポジションですね、頑張ります!
日本では、プロには顧客の期待を超えることを求められるようなところがありますが、一方で相手の期待通り(下回るも上回るもよろしくない)を是とするという考え方もあるようで、やっぱり難しいですね。
ボクシングでは、有効打の数を競うのがアマチュア、相手へのダメージを競うのがプロ。過程と結果への向き合い方の違いもありそうです。
漫画「左ききのエレン」で、新人広告デザイナーの主人公に、先輩アートディレクターが放った言葉です。
最近、妙にハマっています、この言葉に。