稼プロ!20期生のながいち!です。
実務従事でお世話になった先生から声をかけていただき、令和2年度冬季実務補習の副指導員をしています。
15日コース、3社目の副指導員です。
「しています」と書いたのは正に最中だからで、このブログを書いているのはその2日目が終了した段階。
経営者面談を終え、SWOT分析をし、課題抽出をして報告書の方向性を決めるのが2日目ですが、受講生のみなさんは報告書執筆の渦中です。
私は稼プロ!で学びながらの副指導員。
甚だおこがましくもありますが、与えていただいチャンスを活かすのが駆け出し診断士の鉄則と思い、やらせていただています。
受講生のみなさんがテンション高く、集中して取り組む姿を見ながら、実務補習の意義について考えてみたのが、今回のブログです。
言わずと知れた資格取得の条件
ご存じのとおり、診断士資格の取得のためには、「第2次試験に合格後、3年以内に実務補習を15日以上受けるか、診断実務に15日以上従事すること」と定められています。
そして、通常は、みなさん実務補習を受講します。
資格の条件といってしまえば、それまでですが、経験したことの意義として、他に2面あるのではないかと思います。
通過儀礼(イニシエーション)としての意義。
大辞林によると、通過儀礼とは、次のようなものです。
「特定の集団に成員として加入する際に行われる儀礼。それによって社会的・宗教的地位の変更が達成されるが、しばしば肉体的・精神的試練を伴い、その内容は外部に漏らしてはならないとされることが多い。若者組のような年齢集団への加入や成人式もその一例。加入儀礼。参入儀礼。」
「内容を外部に漏らしてはならない」は当てはまらないかもしれませんが、肉体的・精神的試練は該当します。
15日コースであれば、平日は6日間勤務先の休暇を取り、夜の時間のほとんどを使い、土日は終日缶詰になって調査か、議論か、執筆かで報告書に没頭。
1か月半、非日常の時間を過ごすことになります。
さぞや、キツイ日々だろうと思います。
私が実務補習をしたのは5年半前の夏。
5日コース×3回の実務補習でしたが、家具屋さんの販売担当をした2社目は筆が進まず、睡眠時間3時間で3日目を迎え、睡眠時間1時間で4日目に臨んだ辛い記憶があります。
新しい診断士を受け入れる側も、キツイ実務補習を潜り抜けてきた者たちだからこそ、仲間として受け入れるのではないでしょうか。
実務補習には、診断士の集団に入るための通過儀礼の側面があるように思います。
診断士活動に必要な行動のエッセンスを体得する意義
実務補習では、診断士のコア業務である企業診断を体験します。
具体的には、互いに面識のなかったメンバーが集まり、計10日の作業で、一企業の課題を抽出し、解決策を含む高いレベルの診断報告書を作成し、プレゼンテーションする、というハードルの高いチャレンジです。
冬季の15日間コースでは、これを3セット連続して取り組まねばなりません。
副指導員としての2日半の観察と、自らの実務補習や実務従事の経験も踏まえると、この課題をクリアするのに必要な行動のエッセンスは次のようなものでないでしょうか。
① メンバーが互にリスペクトし、互いを活かしながら協力できる関係を取り結ぶ。
② メンバー間で、理想的な目標に向けて議論を活発化させ、現実的な目標に向けて議論を収束させる。
③ メンバー各人が自らの担当範囲を、メンバー相互の期待に応えてやり抜く。
④ 時間が無いなかで、タイムマネジメントをしっかりすることで、仕事をやり遂げる。
診断士は個人での活動も多いのでしょうが、他の士業や、専門分野の異なる診断士とチームになって仕事をするケースも少なくないと聞きます。
駆け出しの診断士である私が言い切ることはできませんが、これらは、おそらく診断士活動全般に必要な行動のエッセンスではないか、と想像しています。
さて、実務補習はあと3日。
課題の抽出と、重要提言の設定も的確になされ、きっと素晴らしい報告になるのではと期待しています。
副指導員としては、報告が少しでもよいものになるよう貢献できればと考えています。
また、指導員の先生が、どのように指導され、どのように振舞われているかを学び、吸収していきたいと考えています。
最終日、会場で、廊下から1班の様子が見え、ながいちさんがいらっしゃるのを確認できましたが、お声をかけられず、すみませんでした。
私も、お店貸し切りで、打ち上げを開きました。
班員の方から、指導員、副指導員に、サプライズのお礼のセレモニーがあり、感動しました。