こんにちは。24期の成嶋です。今回は、稼プロ!の講話で教えていただいた「守破離」について、私なり考えたことを書いてみたいと思います。
「守破離」とは、日本の武道・芸道・芸術における修行の過程を示したものです。「守」とは、師匠の教え・型を忠実に守ること、「破」とは師匠の教え・型をベースに自分で考えて工夫し、自分のスタイルを確立すること、「離」とは師匠の教え・型から離れ独自の世界を創造することです。中小企業診断士の基礎スキルである、診る、書く、話す、聴くについて学んでいますが、「守破離」の精神をもとに基本の習得に励むことを稼プロ!の講義で教えていただきました。
最近、私は柔道を学んでいることもあり、「守破離」のお話を聞いて最初に心に浮かんだのは、パリオリンピック女子柔道の金メダリスト角田選手のことです。角田選手は、立ち技は巴投げのみしか使用しません。普通の柔道家は複数の技を使用しますが、一つの技しか使わない角田選手の柔道スタイルはかなり独特です。おおげさに言うと、柔道の歴史の中で角田選手一人だけなのではないかと思っています。角田選手の巴投げも特殊で、巴投げの形どおりの技ではなく、オリジナリティ溢れるものです。特徴的なのは、形どおりの巴投げは片足で相手を跳ね上げますが、角田選手の巴投げは両足で相手を持ち上げます。また、角田選手の巴投げは約100種類のパターンがあるそうです。角田選手も最初は、形どおりの巴投げを習得することから始めて(=「守」)、自分で工夫してオリジナルの巴投げを編み出し(=「破」)、100種類もの巴投げを創造した(=「離」)のだと思います。角田選手の柔道には「守破離」の精神が具現化されているのだと感じました。(余談ですが私は「体落とし」を得意技としていますが、私の体落としは数えてみたら約10パターンのみでした。)
次に、「型」について考えたことを書きます。「守破離」の精神は、基本である「型」をもとに修行をし、次にそれをベースに工夫をして、最後にそこから離れるというものです。つまり「型」を軸に展開しています。「型」は「守破離」の精神にとって重要な概念だと分かります。
では、「型」とは、何でしょうか。「型」とは、①それを学ぶことにより、その道の理念・精神を学ぶことができ、②その武道・芸道・芸術等の領域・範囲を特徴づけ、③評価の基準になるものだと考えました。上記①~③について、柔道の形(かた)を例に示します。まず①についてですが、柔道では形を習得することが求められ、昇段試験には形の実演があります。柔道の技は、崩し・作り・掛けといった技の理念のもとに考案されています。そして技の形を習得することを通して、柔道の精神である「精力善用・自他共栄」を体得することを目指します。技の形を正確に実演できなければ基本的に昇段することはできません。柔道は形を重視しており、それは形を通してその精神・理念を体得することを目指しているからだと思います。次に②についてですが、極端な話をすれば、柔道でプロレス技の卍固めをした場合、それは柔道技として認めらません。その一つ理由は、卍固めが柔道の技の形にはないからです。形によって柔道の範囲が決められると言えないでしょうか。次に③についてですが、形があるため、それと比較して技の美しさや正しさを語ることができます。つまり、形が評価の基準になります。例えば、先ほどの角田選手の巴投げが特殊だと書きましたが、それは形どおりの巴投げと比較して特殊であると言うことできるのです。特に重要なのは①で、「型」はその道の理念・精神・目的を実現するために、先人達が考え工夫をして作り上げた伝統と歴史がある合理的なものです。「型」を習得することによって、その道の理念・精神・目的を体験し体得することができるのだと思います。
最後に、稼プロ!の講義も残り半分になりました。稼プロ!では、診る、書く、話す、聴くという基礎スキルを学んでいますが、それは何のために学んでいるかというと、塾長から教えていただいた「利他」の精神を実現するためだと思います。「利他」の精神を目的とした診る、書く、話す、聴くの「型」をまずは習得し、「守破離」の精神を忘れずに創意工夫して、今後は取り組んでいきたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
成嶋さんのブログを読んで改めて「型」と「形」の使い分けを考えました。成嶋さんはしっかり使い分けられていますね。シンプルに言うと「型(かた)によって形(かたち)を作り出す」とい関係になります。元の「型」をしっかり守って習得して、自分の「形」ができていくという関係ですね。
私も稼プロ!を通して診断士としての「型」をしっかり学び、飛躍していきたいと思います。