みなさん、こんにちは。
稼プロ!20期生の大野徹司です。
前々回の投稿で、中小M&Aの売却企業への支援機会について投稿いたしました。
https://blog.goo.ne.jp/kasegerupurocon/e/113c724106ca624ed67350e746e05701
今回は、買収企業への支援機会に触れてみます。
買収企業への支援機会は、大きく2つ挙げられ、買収監査と呼ばれるデューデリジェンスと買収後の統合プロセスであるPMIがあります。1つずつ説明します。
1.デューデリジェンス(買収監査、以下DDと表記)の実施
M&Aの初期段階では、売却企業の開示情報に基づいたリストで買収の可能性を模索することになります。これは、スムーズな相手探しを優先するためです。しかし、売却企業の一方的な情報のため、自社に不利な情報は盛り込まれていないことや、最悪は虚偽の内容が含まれている可能性があります。そこで売買意思が固まった段階で、買収企業から売却企業の中身を調査する作業が必要であり、これをDDと呼びます。DDは、買収前唯一の調査となりますので、多くの専門家が参加することがあります。専門家フィーが発生するため、M&Aの初期段階でなく、売却意思が固まった後半に実施するわけです。
さて具体的には、よく実施されるものに財務DD・法務DDがあります。財務DDは公認会計士等が行い、ここでは回収不能売掛金や簿外在庫が無いかなどをチェックします。法務DDは弁護士等が行い、契約書や法的義務についてチェックします。そして、次に実施される可能性が高いDDは、我々診断士が行うビジネスDDとなります。実施にするときのポイントは、買収後どのようにビジネスを伸ばせるか、シナジーを得られるかを確認します。また各専門家は、連携して企業全体を分析し買収後の姿を想定します。
2.買収後の統合プロセス(以下、PMIと表記)の実施
PMIとは、Post Merger Integrationの略語です。つまり、買収企業の融合を円滑に実施し、ビジネス全体を軌道に乗せる活動全体を指します。これもビジネスに強い診断士の活動領域といえます。PMIは、買収後すばやく、強いリーダーシップで実施する必要がありますが、買収企業が買収結果だけで満足してしまい、融合作業に力を注がない例があります。診断士だけでは対応できない領域もありますが、ここでも士業間の連携により、買収側企業の援助をする必要があります。PMIは非常に難しい業務といわれますが、対応できる診断士は高い報酬を得られる可能性がありますので、大いに取り組むべき領域だと思います。
今回は、買収企業への支援機会についてみました。
これから、ますますM&A需要は増えますので、診断士の皆さまは是非一緒に学んで市場参入していきましょう!