17期の永井ゆうくんです。
2018年4月8日、国会選挙がハンガリーで実施されました。
結果、与党連合が圧勝し、「反移民」を掲げるオルバン政権は3期連続となったそうです。
さて、なぜ選挙の話題からこのブログがスタートしたかといいますと、
先日、非常に興味深い話を知り、それをご紹介したいためです。
それは、「パウロスの全員当選モデル」です。
1.概要
ある一定の条件下、5名の立候補者(被選挙人)が、
それぞれ異なる「投票方式」を基に、自身の当選を主張することができるモデル
2.条件
有権者55名(選挙人)の選好順序が、以下の6つのように分けられる場合
パターン1 A>D>E>C>B 18人
パターン2 B>E>D>C>A 12人
パターン3 C>B>E>D>A 10人
パターン4 D>C>E>B>A 9人
パターン5 E>B>D>C>A 4人
パターン6 E>C>D>B>A 2人 合計55人
(注)パターン1は、「Aを最も良いと考え、その次に良いのがD。その次にましなのがE、C、Bと続く」という意味。以下、同様。
3.5つの投票方式
(1)単記投票方式
最も多く得た候補者が当選する方式
(2)上位二者決選投票方式
過半数を超える被選挙者がいない場合、上位2者で決選投票を行う方式
(3)勝ち抜き決戦方式
最下位の一者が段々と落選していく方式
(4)順位評点方式
投票者の選好を順位で投票し、1位:5点、2位:4点、3位:3点といった形で点数をつけて総得点で決める方式
(今回は、1位:5点、2位:4点、3位:3点、4位:2点、5位:1点、です。)
(5)総当たり決選方式
立候補者全員による総当り決選投票の票数の合計で争う方式
4.結果
各候補者は、3.の投票方式のいずれかを用いて、当選を主張することができます。
皆さん、頭の体操は如何でしょうか?
気になる正解は、コメント欄に書いておきますね。
ところで、このような研究分野を「社会選択理論」と称するようです。
全く知りませんでした。
(引用)
社会選択理論は、個人の持つ多様な選好(preference)を基に、個人の集合体としての社会の選好の集計方法、社会による選択ルールの決め方、そして社会が望ましい決定を行なうようなメカニズムの設計方法のあり方を解明する理論体系である。経済学者と政治学者の両方により研究され、資源配分ルールや投票ルールの評価や設計は一貫して主要な課題となっている。集合的選択理論(collective choice theory)とも言われる。
引用元 Wikipedia
「多数決だから公平なのでは?」と盲目的に思い込んでいた事柄が、
一部の例外ケースとはいえ、このような結果を招くとは、正直驚きました。
実社会では、投票方式によって当選者のタイプが異なるため、
求めるタイプに従って、最適な方式を選択しているようです。
奥が深いですね。
(2)上位二者決選投票方式 B
(3)勝ち抜き決戦方式 C
(4)順位評点方式 D
(5)総当たり決選方式 E