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稲盛氏に学ぶ応用分野の開発手法について

2024-01-17 12:00:00 | 23期生のブログリレー

皆さまこんにちは、稼プロ!23期生の佐野紳也です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

京セラは、1959年京都にてファイン・セラミックの専門メーカー「京都セラミック株式会社」として創業しました。創業当時、ブラウン管テレビに欠かせない絶縁部品(U字ケルシマ)の国産化に苦難の末、成功し、月産20万本の生産を実現したそうです。

京セラは、1966年に米国IBMからコンピュータに使われるIC用アルミナ基板の大量受注に成功。その後、半導体用セラミックパッケージ事業を確立しました。さらに1970年代から人工関節の研究開発を進め、2011年には、長寿命型人工股関節技術の実用化に成功したそうです。

京セラは、セラミック素材を応用し、絶縁部品から、半導体分野、医療分野と事業領域を拡大してきたわけですが、私は、常々、京セラは、セラミックの応用分野をどのように開拓してきたのだろうか、知りたいと思っていました。

最近、稲盛和夫著・盛和塾事務局編「稲盛和夫の実践経営塾」(PHP文庫、2002年11月刊)に回答が書かれていることを発見しました。

この本の第5章五に「新商品開発の着眼点」に、「新製品を開発したが、どうアプローチしていけば売れるか突破口が見出せない。技術屋は関心を示すが、保守的な反応で、素材置換に至らない。素材の応用分野と市場拡大の要諦を教えてください」という問いに対し、稲盛氏は、次のように答えていました。

  • 開発された製品の特性を、社内の研究員、大学の先生などに徹底的に調べてもらい、製品の物性の長所、短所をよく知る。
  • 産業界のあらゆる技術が分かっている知識人(工業製品から民需品、家庭用品に至るまで、技術的に製品構造を理解している人)に、製品の長所を踏まえて、用途に関する技術的アドバイスを仰ぐ。どの産業のどの分野で応用可能かを教えてもらう。
  • 次に、新製品を、興味を持ちそうな会社に持っていく。技術屋は保守的でなかなか興味を示さない。ただ、一人位は興味を持つ人はいるので、その人に積極的にアプローチする。つまり、新製品に惚れ込み、情熱を傾ける技術屋をみつけ、保守的な決定権者を説得してもらう。

とのことでした。

これは素材の話ではありますが、他の製品やサービスにも適用可能と思われました。新製品の用途開発に困っている中小企業があれば、このアプローチで提案してみたいと思いました。


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (須藤佳代)
2024-01-17 14:55:41
勉強になります。売り込む前に、「新製品の長所と短所」を第三者も使ってよく洗い出すことが第一歩、なるほどです。
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Unknown (曽我剛)
2024-01-17 18:22:32
新製品の市場をどう開拓していくかは本当に大事な課題です。詳しい専門家の人にアドバイスをもらうこと、社内で熱意のある人を探すことが重要だと理解しました。参考にさせていただきます。
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Unknown (永岡伸一)
2024-01-17 21:24:55
すべて自分で考えるのではなく、相談するにふさわしい知見のある専門家に支援をあおぐことも重視していると思いますね。そういったつながり、ネットワークを持つことも大切だと感じました。
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京セラ (太田一宏)
2024-01-17 22:22:24
今から約40万年前、京セラの入社試験に落ちました。
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Unknown (杵渕竜也)
2024-01-18 22:44:38
いいものを作れば売れるという時代ではもうないですから、非常に重要な話ですね。
ささる相手を探しだす。やはり最後は人なんですね。
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