こんにちは!
14期生の日野卓郎です。
新年が明けて早くも1ヵ月が経とうとしてますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回の私のブログでは、先般、世間でも話題に挙がった「民法大改正」について書きたいと思います。
今回も宜しくお願い致します。
そもそも「民法」とは、我が国の法律関係を規律する「基本六法」(※1)の1つであり、
我々のような一般市民(法律用語で私人という)の法律関係について書かれた法律です。
要するに、我々の様な一般市民にとって、最も身近な法律(※2)ということです。
※1 その他の基本六法は、憲法(最高法規)、刑法、会社法(商法含む)、民事訴訟法、刑事訴訟法の5つ。
⇒近年の診断士試験(一次)では法律科目が難化しているようですね。恐ろしや。。
※2 社会人の方にとっては、会社法の方が身近かもしれませんね
そして、この民法は1898年に全面施行され、現代語化対応などの改正を経て今に至るわけですが、
この度、表記などの「外見」だけじゃなく、「中身」も改正しよう!という動きが活発になっています。
人はこれを「120年に1度の大改正」と謳っておりまして、北は北海道・南は沖縄‥ではありませんが、
法曹実務家や学者、政治家や経済各界からも有識者としてワーキンググループに入り、
これまで100回以上もの会合が行われ、熱のこもった議論(←それだけ紛糾してるとも言えますが)が交わされています。
その気になる改正の「中身」ですが、一言で言うと「債権法の大改正」です。
ご存知の方も多いと思いますが、民法は大きく5つの分野に分かれておりまして、
①総則、②物権、③債権(ここまでを財産法という)、④親族、⑤相続(④と⑤を併せて家族法という)
という5つの分野があるのですが、今回の改正対象になっているのが③債権(法)と呼ばれる分野です。
民法はその条文の多さから司法試験や司法書士、行政書士受験生を苦しめているのですが、
その数なんと1044条!!(一部、削除されたものも含む)
そして改正の対象となっている債権法だけでも約370条もある大変ボリューミーな法律なのです。
※余談ですが、司法試験受験界には「民法を征する者は司法試験を征す」という格言があります。
それだけ毎年、民法は激しく難しいのです。(他の法律も難しいですが)
更に細かく改正のポイントを見ていきますと、
主に「契約ルール」について次の4項目について抜本的な見直しを実施するとのこと。
その4項目とは、
①法定利率
⇒1%未満の市中金利と5%の法定利率との乖離を是正し、3%に。
②保証
⇒借金の個人保証を制限。従来は保証人の適格がユルユルなのです。
③敷金
⇒敷金の返還請求を明文化。賃貸借契約でモメる1番の原因がコレ!
因みに礼金も法律上は何ら払う義務はないのです。
④(消滅)時効
⇒飲食代や診療費など業種によってバラバラだった特別な短期消滅時効の期間を、
一律5年に改正。受験生は暗記が楽になって嬉しいかも。
今回は民法大改正の概要をご紹介しました。
深く突っ込んだ話まで出来なかったことは大変申し訳ないですが(また別の機会に)、
今回ご紹介した内容だけでも、「日本の法律って大きく変わるんだ?!」ということを
何となく感じて頂けたのではないかと思います。
我々は法律によって自由を保障され、法律によって権利を与えられ、義務を負い、
そして法律によって行動を律されます。
しかしその肝心な「法律」にどんなものがあるかについて、
ごく一部の人しか精通していないという我が国の現状は大変問題があると思います。
今回の大改正を機に、少しでも多くの人が「日本の法律ってどうなってるんだろう?」と興味を持てば、
(当該改正の本来目的ではないかもしれませんが)それだけで意義のある改正だったと言えるのではないでしょうか。
最後まで読んで頂き、どうもありがとうございました。
次回もどうぞ、宜しくお願い致します。
日野 卓郎