照る日曇る日 第1575回
前書きに書かれているように、この小説は、ローマ帝国植民地時代のイングランド中央部に進駐していた第九軍団が、紀元117年に北上したまま行方不明になってしまったこと。そしてそれから1800年の後、その軍団のシンボルである「ワシ」の旗印が半島南端部で発掘されたこと。
このたった2つの事実から出発して1954年に書き上げられた血沸き肉躍る大冒険ロマンなのです。
読むほどにスリルとサスペンスが盛り上がるこの物語を、当時の英国の若者たちが大歓迎したのもムベなるかなですが、物語の主人公はローマの百人隊長であり、読者の遠い先祖がローマの被征服者たるブリテン人であることを思えば、ちょっと不思議な気持ちにもなるのです。
我にしてもしミャンマーの民ならば徒手空拳で軍に向かうや 蝶人