あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

東直子・穂村弘著「短歌遠足帖」を読んで

2021-05-27 13:36:17 | Weblog

照る日曇る日 第1584回

著者の2人がゲスト共にいろんな所を訪れて短歌を「吟行」しようという面白そうな企画です。
こういう気軽な企画物とはいえ、そこにかえって登場人物の隠された人柄や人間性や資質のあれやこれやがはしなくも露呈するのはじつに興味深いものでした。
ゲストは順番に岡井隆、朝吹真理子、藤田貴大、萩尾望都、川島明、訪問地は順番に井の頭公園、鎌倉、東京タワー、上野公園、大井競馬場ですが、個人的に面白いと思ったのは、岡井&井の頭、萩尾望都&上野公園、予想にたがわず詰まらないと思ったのは、朝吹真理子&鎌倉の組み合わせでした。
ちなみに岡井大先生の井の頭行きは、2012年1月19日。逝去はその8年後ですから、当時はまだまだ元気溌剌で、お洒落なセーター姿も著超愛らしく、スワンボートに若い女性を乗せて奥の奥まで漕いだ秘話などを、さりげなく語っておられます。
余裕があればそれぞれの具体的な作品を引用したいところですが、今日は右腕が痛いので、これにて打ち止めといたします。全体を通じて、やはり穂村弘の短歌はうまいなあ、と思わされた1冊でした。

いくつもの時間を同時に生きるため百円ショップの時計を買い込む 蝶人
コメント
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