Fragile / Yes (1972)
様々なジャンルの音楽を分け隔てなく聴く自分だけれど、やはり馴染めない音楽っていうのはあって、それのひとつがいわゆる「プログレ」。ではそういうアルバムを持っていないかと言えば、そんなことはなく、代表的なピンク・フロイド(Pink Floyd)の作品をはじめ、アナログやCDを10指に余る位は持っているし、好きな曲もある。広義での「プログレ」であれば、ドイツのカン(Can)やクラフトワーク(Kraftwerk)はそう称しても差し支えないだろうと思うし、ツェッペリン(Led Zeppelin)やブラック・サバス(Black Sabbath)なんかもアルバムによってはそう呼んでも構わないかもしれない。そうなるとファンであると言ってもいい。でもやはり心底好きな作品があるかというと怪しい。コンセプトがあるアルバムでは言葉の壁が大きいし、テクニック至上主義の音楽は昔から苦手だ。ピンク・フロイドの名盤と言われる作品でも聴き倒したとは言えず、自分的名盤には程遠い。ピンク・フロイドと並び称される代表的プログレ・バンドのイエス(Yes)がどんなファン層に支えられているのかは知らないし、ファン層が重なっているのかは分からないのだが、イエスに関してはベスト盤と80年代のトレバー・ホーン(Trevor Horn)が関わった作品しか聴いた事が無いので、この名盤、そして邦題「こわれもの」として知られるこの作品を見つけて迷わず購入してみた。
自分がイエスを初めて聴いたのは高校時代にレンタル・ビデオ店で借りた「ビート・クラブ」の映像に入っていたこのアルバム先頭の1。そこでは他の70年代ハード・ロック・バンドと容姿も変わらないし、ポップな曲ということもあって違和感なく、というより結構気に入って繰り返し見た。その後、80年代にポップなバンドとしてのイエスは単発で好きだったが、それっきり。そんな状態で、発売から既に40年以上が経過しているこのアルバム。相変わらず聴きなれた1は好きな曲だ。それ以降の展開は決して得意ではないが、アイデアあふれるバラエティに富んだメロディと、アナログ録音ならではの肌触りの音はかっこいい。かなりクラシック寄りのアコースティック・ギターの音色も70年代ハードな音に無理なく溶け込んでいる。それでもやはり一番好きなのはドラマチックな展開を見せる1や9なんだけど。
中古店にて購入(¥324)
- CD (2003/2/3)
- Disc: 1
- Format: CD, Original recording remastered, Import
- Label: Elektra / Wea