夕方、小休憩で入ったのは昭和21年(1946)創業の喫茶店「アンヂェラス」。著名な作家の作品などにも出てくる老舗有名店です。店の前まで行って初めて知ったのだが、横から見ると木造の建物は3階くらいまであるようで、黒を基調にした意匠はクラシックな欧風とでも言おうか、とても落ち着いた感じ。半端な時間だと思っていたが店内はほぼ満員で、2階席に案内された。大盛況。中には若い人はもちろん、着物のご婦人やらお年寄りの方も居て、賑やかな感じ。若い女性の給仕にコーヒーと、この店の名前が付けられたケーキの「チョコ」を注文した。
しばらくして運ばれたコーヒーは、少し酸味があるものの、ごくごくスタンダードな味。お店の名前を冠し、品名通りチョコでくるまれた棒状のケーキはしっかり甘く、硬めのコーティング。こちらも特に変わったケーキという訳ではないが、コーヒーにはぴったり。量的にもちょうどいい。この店がなぜ文士に好まれたのかまでは分からないが、洒落ているのに気取らない店の雰囲気が浅草という町にぴったりだったのだろう。ガラスショーケースの中には今風でない定番のケーキがたくさん並んでいたので、今度はサバリンかバナナボートを食べてみようかな。(勘定は¥880)
※平成31年3月を以って建物の老朽化を理由に閉店されました。
↓ 浅草通り沿いにある、昔ながらの店頭ガラスケースが懐かしい計り売り豆菓子の「ほていや中塚商店」。これぞ昔の菓子屋という佇まいが素晴らしい。戦前からの店だとか。
アンヂェラス
東京都台東区浅草1-17-6
(アンジェラス Angelus ケーキアンヂェラス 梅ダッチコーヒー 永井荷風 池波正太郎 ほていや 中塚商店 )