地方都市ではどこもかしこもチェーン店と、インスパイアなどと称される有名店のコピーみたいなラーメン屋が乱立しては潰れていく状況だが、岐阜県多治見市には昔から営業しているラーメン屋がいくつもある。もちろん新しい店も出来ているのだが、大きくない街としては他と比べてちょっと独特なラーメンが多いと思うのだがどうだろうか。こちら「漢方ラーメン渡辺」はいつ頃から営業しているのか知らないが、「漢方」と銘打ったラーメン屋は珍しい。以前から一度行きたいと思っていたが、この地方にはいろいろ面白い食べ物があって、後回しになっていた。店はきれいな商業テナントの1Fにあり、大きい通りからは外れた所なので、少々分かりづらい場所。テナント前の駐車場に車を停めて店へ。冬の冷たい風除けなのかビニールで覆われている。入ると右手に券売機、左にカウンター席。席は10席程だろうか。色々なメニューがあるのだが、初めてなのでもちろん基本の「漢方ラーメン」の券を購入。実直そうな主人に券を渡す。
漢方と言っても店内は特に特別な香りがするでもなく、変わった食材が置いてあるでもなく、ごく普通な感じ。しばらくして出てきたラーメンは、色濃いもので、脂も多そう。上にクコの実、ナルト、チャーシュー、刻み海苔などがのっている。麺は中細の縮れ麺。すすってみると、胡麻の風味が強いもので少し辛い。醤油ベースとも味噌ベースとも言えるような不思議な感じで、見た目程どぎつい味ではないので、するすると胃に落ちていく。一般的に「漢方」で連想するようなクセも特になく、スープも結構飲めてしまった。どこかにウンチクでも書いてあるのかなと思ったが、自分の座った席には見当たらない。自分の頼りない味覚では「漢方」の手法がどの程度用いられているのかは全然分からないが、なかなか他に無い個性的で旨いラーメンだ。手が込んでいそうだが、これが今どきワンコインだというのも素晴らしい。(勘定は¥500)
漢方ラーメン 渡辺
岐阜県多治見市宝町5-98-2 レオパレス宝II 103
( 多治見 多治見市 渡辺 わたなべ 漢方 漢方ラーメン )