岐阜城のある金華山の麓近くには情緒ある建物が残る街並みがあり、ちょくちょく散歩をしている。こちらの「長崎屋本店」は比較交通量の多い通りから一本西側に外れた一方通行の通りにあるので、車の往来も少なめで、とても落ち着いた雰囲気の中に建っている。創業はなんと享保5年(1720)とのことだから、295年(!)という長い歴史。店先もしっとりと落ち着いていて素晴しい。今や懐かしい4枚ガラス引戸をガラガラと開け、店の中へ。手入れの行き届いた土間にはガラスケースがあり、置いてある菓子はとてもシンプル。基本的には焼き菓子の「松風」とカステラのような「味噌松風」の2つのみ。風情ある店内でケースを覗き込んでいると主人が出ていらっしゃった。それぞれの菓子の説明をしてもらい、この日は「松風」の袋入りを購入して持ち帰った。
松風の原材料は、砂糖、、小麦粉、けしの実、植物油の4つでとてもシンプル。薄く硬く焼いた上にけしの実がふってある。ガリッと口で割っていただくと、最初の甘さはほどほど。口の中でじわじわと甘味が感じられてきて旨い。もっと味にクセがあるような焼菓子だと想像していたが、和(緑茶・抹茶)でも洋(珈琲)でもいけそうな素朴な味だった。創業当時からある菓子なのかは知らないが、このシンプルさからすると、そうなんじゃないかな、きっと。今度は「味噌松風」を買ってみよう。(勘定は¥756)
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この周辺の細い路地には長い歴史があるだろうに無名の古い建物(つまり現役の住宅)も多く、古い街並みが好きな人には散歩がおすすめ。
↓ 近くを散歩するとこんな風情ある建物に出くわす(写真はどちらも創業天保7年・1836の「麩兵」の旧店舗)
長崎屋本店
岐阜県岐阜市中竹屋町38
( 岐阜 長崎屋総本舗 長崎屋総本店 長崎屋本店 長崎屋本舗 長崎屋 松風 味噌松風 )