以前に読んだ本や雑誌に、この酒造が作る昔ながらの製法の「みりん」の事が載っていて、ずっと訪問したいと思っていた。創業は江戸後期とのこと。日曜日にもかかわらず休日返上で仕事先に赴き、ひと仕事終えた後、帰り道に41号線を通ったので、そういえばと脇に入り寄ってみる。すると狭い通りにはえらく人の姿が多い。なんと、たまたまこの日は蔵開きのようだ。イイねェ。車を停め、蔵の中へ。中庭では露店も出て、餅つきなども行われていて人でごった返している。車なので呑むことは出来ないが、それでも生原酒の「花美蔵・朝しぼり・蔵出し」や、にごり酒の「どろりん」を舐めることが出来た。どちらも当然ながらフレッシュな口当たり。どちらかというと元々しっかりとした味わいのある花美蔵だが、新酒らしい爽やかさが加わるとよりいい感じ。にごり酒は普段あまり口にしないが、これも口当たり良く旨かった。正月用に買ったものや、頂いた一升瓶がまだうちに何本もあるので、「どろりん」だけでも買って帰りたかったが、もう1件仕事が残っていて、真っ直ぐ家に帰ることが出来なかったので、断念(大丈夫だとは思うが発酵途中で発泡性があり長時間放置出来ないので念のため)。試飲コーナーのテーブルでは、ここで作られる日本酒はもちろん、焼酎なんかも置かれていて、みんな手酌でやっている。明らかに呑み過ぎだろっていう人もいるが、本当に車じゃないんだろうな(笑)。そこで以前から気になっていたみりん「福来純・三年熟成本みりん」(写真下右)を購入して持ち帰った。
今、家で使っている本みりんと比べるとより色が濃いのが分かる。もちろん熟成年月が3年と長いからだろう。グラスに入れて味わってみる。同じ岐阜にある「白木恒助商店」の古酒「達磨正宗」の熟成三年を思わせる色と香り。とろみは強く、口に含むとまろやかでどっしりとした甘味が拡がる。昔の人はみりんを酒として呑んでいたというが、呑んべえでもさすがにこれを常飲する気にはなれないなァ(笑)。昔は「甘い」=「旨い」だったそうだし、アルコール度数は14度と日本酒と変わらないから、好んで呑まれたんだろうな。今使っているものと比べて風味がしっかりしているし、”みりん風調味料”のような変な臭みも無く、まさに酒っていう感じなので色々使えそう。料理に使うのが楽しみ。これバニラのアイスクリームなんかに垂らしても旨そうだな。さて、次回の蔵開きはなんとかしてドライバーを探そう。(勘定は¥432/250ml)
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岐阜県加茂郡川辺町中川辺28
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