ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Jamaican Explosion! (MOJO Magazine) / Various Artists

2018年05月11日 | 雑誌付録CD

Jamaican Explosion! (MOJO Magazine) / Various Artists (2016)

いつもの英音楽誌「MOJO」の付録CD。2016年7月号はレゲエの前身とも言えるスカ(Ska)、ブルー・ビート(Blue Beat)の15曲を特集。”スカ”と”ブルー・ビート”ってどう違うのかっていうのは難しい問題で自分もよく分かってなくて、はっきりとした説明が出来ない(”Blue Beat”に関してはレーベル名から名付けられただけじゃないかと思うが)。いずれにせよ裏打ちのダウンビートで、実はアメリカ南部からラジオの電波の届くカリブ海に浮かぶ島ジャマイカで、50年代のジャズやR&B、ソウル・ミュージックに影響を受けた新しい音楽。なので誤解している人も多いが、いわゆる民族音楽とはちょっと違う(ナイヤビンギなどそれに近い音楽はまた別の話)。”サウンドシステム”と呼ばれる屋外DJ設備で若者を虜にし、それがレゲエ(Reggae)として発展していく。もちろん中南米の黒人は主に奴隷として連れてこられたアフリカにルーツを持つ人達なので、抑圧の歴史が嘆きや闘争として音楽にも表現されている(もちろんただのラヴソングもあり)。

ここに収録されているのはスカを語るに外せない重要なアーティストが目白押しで、すべて発表時期は1960~62年の黎明期。多くの曲が他のコンピ盤にも採用されている。のちにレゲエのトップ・アーティストとなるジミー・クリフ(Jimmy Cliff)の初々しい最初期の作品12や、70年代後半のスカ・リヴァイヴァル(2トーン・スカ)でスペシャルズ(The Specials)にも参加したトロンボーン奏者、リコ(Rico)の11、その2トーン・スカの代表的なバンド、セレクター(The Selecter)がカヴァーした07も収録されている。自分も昔はアナログでこれらスカのアルバムを何枚も購入したが、80年代半ばにはレアで眺めていただけだった作品も90年代くらいになると再発編集盤などを中心に手に入れ易くなったと記憶する(針飛びには悩まされたが…)。まだまだ素朴な感じのR&Bそのものという曲からダウンビートのエッセンスが抽出されていく過程が垣間見えて興味深い。

01 Laurel Aitken - Bar Tender
02 Prince Buster & The Blue Beats - Independence Song
03 Roland Alphonso - Four Corners Of The World
04 Derrick & Patsy - Housewife's Choice
05 The Folkes Brothers - Oh Carolina
06 Byron Lee And The Dragonaires - Jamaican Rock
07 Leon And Owen & Drumbago All Stars - Murder
08 Azie Lawrence - Jamaican Blues
09 Bell's Group - Kingston 13
10 Winston & Roy With Count Ossie On The African Drums - Babylon Gone
11 Rico - Rico Special
12 Jimmy Cliff - Miss Jamaica
13 Don Drummond - Schooling The Duke
14 Clue J & His Blues Blasters With Vocal By Theophilus Beckford - Easy Snapping
15 Lord Creator - Independent Jamaica

オークションにて購入(¥465)

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あじろ亭 (3) @岐阜県岐阜市

2018年05月11日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

久々に岐阜市の伊奈波神社参道にある創業明治40年(1907)の洋食屋「あじろ亭」へ。近所を散歩して街のところどころに見つかる歴史あるものに目を向けつつ、開店時間を待って店の中へ入り、テーブル席に腰を下ろす。給仕の女性が1人。女将さんの姿は見当たらなかったが、厨房にも2人居るようなので跡継ぎでも出来たのだろうか。この日はわざわざバスに乗ってやって来たので「ビール」と「メンチボール」を注文した。お通しは大根と人参のなます。ビールはキリンラガーの大瓶。ビールにはひじきの小鉢も付いてきた。昼一の極上の1杯を呑み干しゆっくりとした時間を過ごす。相変わらずBGMも無い静かな空間が貴重だ(なので厨房の声まで丸聞こえだが・笑)。しばらくして2組の後客が入ってきたが、みな落ち着いた年齢で、会話も声を落としているのでいい感じ。

しばらくして「メンチボール」が運ばれた。自分の経験からいくと古い洋食屋で「メンチボール」というのは大抵、今で言う”ハンバーグ”のこと。逆に「ハンバーグ」と名付けられていると目玉焼きがのせられている事が多い。作り方が違うのかどうか知らないが何だか面白い。自分の浅い経験から言うと「メンチボール」の方が玉ねぎなどの繋ぎが少ないものが多いような気がするが…。こちらの「メンチボール」は付け合わせが豪華。インゲン、タケノコ、カボチャ、ニンジン、ズッキーニ、ジャガイモ、レンコンと多彩な野菜がソテーされている。古い洋食屋の「メンチボール」はしっかりと肉の詰まったタイプのものが多いが、こちらは軽い感じのもの。ソテーされた玉ねぎののった優しい味のデミグラスソースで味付けされている。各テーブルに用意されている瓶に入った淡い茶色のソースも基本は同じものかしらん。独特のコクと酸味があって旨い。ビールを呑みながらゆっくりとやっつけた。老舗洋食屋をこんな風に使うと何となく贅沢な気分。(勘定は¥1,500)

以前の記事はこちら (1)(2

この後の記事はこちら (4)(5)(6

 


 

↓ 店のはす向かいに建つ建物(建築詳細不明)。今まで気付かずにいたが、表だけ洋風なのは以前何かの商店だったのだろうか。

 

↓ 前を通る度に写真を撮ってしまう存在感抜群の「石原美術(旧・日下部合資会社事務所)」(大正2年・1912・建築)。「石原美術」の看板が外されていたが…。

 

 

↓ 近くの通りの路地に入っていくとこんな風情のある建物がまだあちらこちらに見つかる。こちらは「御料理・徳廣」(建築詳細不明)

 

↓ 古い建物にあった玄関灯。昔の建物に付属するこういった照明器具は多くが1点物や少数生産物で、どれも本当に個性的で素敵だ。

↓ 登録有形文化財にも指定されている「松喜(旧・松喜仏壇店)」(明治44年・1911・建造のち増改築)。今はもう商店としてはやっていない様子。

 

 


 

 

欧風料理 あじろ亭

岐阜県岐阜市伊奈波通1-65

 

( 岐阜 ぎふ いなば神社 あじろてい 洋食 洋風料理 欧風料理 ミヤビヤ ミヤベヤ 高等ライス 老舗 近代建築 国登録有形文化財 )

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